「うちの世界はこれだけで足りんねん。おじい、スタジオ、まきちゃん、赤犬。
これだけで足りるから一本づつ完璧にしたいねん。」
親を事故で亡くし、実家のカラオケ兼スタジオを継ぐために高校に通わなかったカスミが、
「生きるために必要なもの」を4つだけと決め、真剣に取り組む設定は
切ないけれどシンプルで力強さを感じ、なんだかグッときました。
クライマックス以外は いい映画でした。
記憶をなくしたクズ男が、音楽を愛する人々と出会い、交流するうちに明るい未来が見えてくる、
だけど記憶を取り戻すに連れ 暴力的で退廃的な過去に戻っていく、
完全に記憶を戻した男が末来と過去、どちらを選ぶのか、と ここまではなかなか良い展開でした。
渋谷すばるの説得力ある歌声。劇中歌「ココロオドレバ」なかなか良かったです。
二階堂ふみ演じる 気が強くてしっかりものだけど子供っぽさも残る主人公カスミ。
昭和っぽくて胡散臭い大阪の街の雰囲気、松岡依都美、康すおんの存在感、
二階堂ふみに世話を焼かれる赤犬のおっさんたちのゆるい感じ。いい雰囲気の映画でした。
ほんと途中までは いい感じの映画でした。
でも すべてを台無しにしたクライマックス(脚本)。
やっぱり渋谷すばる目当てのジャニーズファン向けの映画だったのかなとがっかりです。
やがて記憶を取り戻したポチ男は、昔の仲間のもとに戻ろうとするも、昔の仲間から殺されそうになる。
そこにカスミが一人で現れてポチ男を救出。なんで場所判った?悪い連中はどうした???
なにがどうしてどうなったのか さっぱり判らないままに映画は進み、
ラスト。ライブで幸せそうに歌うポチ男、それを見て「しょうもな」とつぶやき微笑むカスミであった。
もう少しなんとかできなかったものでしょうか。。。