あん [Kindle]

  • ポプラ社
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感想・レビュー・書評

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  • 本屋では良く目にする名前、ドリアン助川。真面目な小説らしいけど、どうも名前のせいで手が出なかったのですが、先日ネッ友(死語?)さんが褒めているのを見て読んでみることにしました。
    ハンセン病を扱った話です。
    主要登場人物が皆、世間の波に踏み留まろうとして叶わず、それでもなお何とかしようと苦闘します。でも暗澹としているだけでなく、どこか柔らかな眼差しがあります。自らの運命を悲嘆するだけでなく、そこに他者を思う心があるからでしょう。
    私が子供の頃に「ハンセン病は伝染力は極めて低く、完治可能な病気である」事は教えられてきました。それでもなお続く偏見。主人公の仙太郎もアン作りの名人・徳江さんが元ハンセン病患者と知り、頭では理解していても一瞬の怯みを見せます。私はどうでしょう?
    多分、大丈夫だと思うのですが、大丈夫と言い切れない事が問題なのでしょうね。。。
    色々考えさせられる良い話でした。
    そういう意味で(小説の出来だけでなく)で★5つです。

  • one of my バイブル

  • いままで、自分がどれだけ恵まれた環境にいたのか気づかされた。
    どんなに今の仕事が忙しくても、それが一生続くわけではないんだよなぁ…と。

  • 千太郎は、出所してから、借金を返すためにどら焼き屋の雇われ店長をしている。そこに、あんこ作りが得意な老人、徳江が働きたいと言ってくる。徳江があんこを作り始めてから店は繁盛するが、それも長くは続かなかった。徳江の生き方に触れ千太郎が変わっていく。

  • ーー時給は300円でいい

    どら焼き屋の亭主、千太郎の前に現れた
    不思議な指の形のお婆さん

    ーーあんを作らせてほしい

    彼女のあんは極上

    自分のどら焼きは食べない千太郎も平らげた

    ーー小豆の声を聞いて 耳を澄ませて

    彼女との出会いが千太郎の心に変化をもたらす

  • ドリアン助川さんの老子シリーズを読んでおいて良かった

著者プロフィール

ドリアン助川 訳
1962年東京生まれ。
明治学院大学国際学部教授。作家・歌手。
早稲田大学第一文学部東洋哲学科卒。
放送作家・海外取材記者を経て、1990年バンド「叫ぶ詩人の会」を結成。ラジオ深夜放送のパーソナリティとしても活躍。担当したニッポン放送系列『正義のラジオ・ジャンベルジャン』が放送文化基金賞を受賞。同バンド解散後、2000年からニューヨークに3年間滞在し、日米混成バンドでライブを繰り広げる。帰国後は明川哲也の第二筆名も交え、本格的に執筆を開始。著書多数。小説『あん』は河瀬直美監督により映画化され、2015年カンヌ国際映画祭のオープニングフィルムとなる。また小説そのものもフランス、イギリス、ドイツ、イタリアなど22言語に翻訳されている。2017年、小説『あん』がフランスの「DOMITYS文学賞」と「読者による文庫本大賞(Le Prix des Lecteurs du Livre du Poche)の二冠を得る。2019年、『線量計と奥の細道』が「日本エッセイスト・クラブ賞」を受賞。翻訳絵本に『みんなに やさしく』、『きみが いないと』(いずれもイマジネイション・プラス刊)がある。

「2023年 『こえていける』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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