ナショナル・ギャラリー 英国の至宝【DVD】

監督 : フレデリック・ワイズマン 
出演 : ウェイン・マクレガー  エドワード・ワトソン  リアン・ベンジャミン 
制作 : フレデリック・ワイズマン  フレデリック・ワイズマン  ピエール=オリヴィエ・バルデ 
  • アルバトロス
3.21
  • (2)
  • (3)
  • (6)
  • (2)
  • (1)
本棚登録 : 52
感想 : 7
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4532318409795

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 英国のナショナル・ギャラリー(国立美術館)を扱ったドキュメンタリー。
    とはいいながら、収蔵作品の概要や系統、ギャラリー成立の歴史といったものは語られない。
    市民や関係者を前にその作品解説をする職員の姿や、企画展の検討や予算削減に頭を悩ます職員の会議風景、来場者たちの表情などが、切り替わり続ける画面の中で前面に映されていく。(収蔵作品の映像が全く映らないというわけではないけれど、ほとんどオマケ的扱い。)

    しかも、職員の肩書や氏名、進行している企画展の概要などの説明が、一切ない。わからない奴に用はないと暗に言われている気もしますが、ここまで徹底されるとかえって潔さを感じます。

    ナショナル・ギャラリーを紹介する映画というよりは、ナショナル・ギャラリーの「知の伝道」のスタイルを誇示した作品という印象を受けました。

    生き生きと語る解説員たちの表情や躊躇せず述べる独自理論(とても専門的でアカデミック)はなかなかに興味深いものでした。
    けれど、ある程度の知識がある人、もしくはある程度の階層にいる人向けという感じでした。
    日本の美術館で学芸員さんがしてくれる、簡単なポイントをまとめたビギナー向けの解説が懐かしくなるくらいに、極めてターゲットを絞っている印象。  

    結局、冒頭で出てきたギャラリーのどうやら偉い人(名前や肩書紹介字幕が一切ないので断定できない)が発した次の言葉がこのギャラリーの方向性なんでしょうね。

    「何が嫌かというと下に合わせ低俗な大衆嗜好に我々が迎合してしまうことだ」

    日本では到底口に出来そうもない傲慢なお言葉。ある意味英国らしい気もしますが。

    繰り返しになりますが、生き生きと解説するスタッフの姿は印象的ですが、それもギャラリーの熱烈なファンや専門家向けという感じで、ナショナル・ギャラリーの作品群や概要を知るきっかけにしたい人には向かない作品ですね。

  • ふところの深いドキュメンタリーだ。多くのドキュメンタリー映画には1つや2つ、なにか言いたいことがありそうで、それが時に邪魔だったりする。
    ところが本作は、ただ英国の美術館をめぐる人々の営み、例えば、絵を見る観客と絵との静かな対話、スタッフたちの会議、レクチャー、デッサン風景、修復家の作業風景、目の見えない人のための美術鑑賞などをただ淡々と撮り続ける。あとに考えの種をいくつも落としていくけれど、まるで、あとはご自由にといったふぜい。

    また、本作でカメラによってアップで切り取られる絵画がなんとも良いんだな。たぶんこれは意図的に編集で遊んでいるのだろうけれど、肖像画とそれを眺める生身の人間のショットが混ざり合って区別がつかなくなる瞬間が何度もあって、その、時間の秩序を揺さぶられるような感覚に驚かされ、こちらで勝手に目頭が熱くなってしまった。

  • 「ナショナル・ギャラリー 英国の至宝」見始め。ん?これはBBC?ではないのかな?3時間のドキュメンタリー映画なのか。ここの勉強会行ってみたいなぁ。英語分からんけど。

    ただ絵を楽しむと言うよりも一歩進んだ絵の楽しみ方を提唱する。「この絵は市長宅の暖炉の上にあった。当時の暖炉は人が入れる高さ。そして窓がこちらにあった。採光と高さを初めから計算してこの絵は描かれている」学芸員のレベルが日本とダンチだなぁ。

    修復は修復者の解釈が必ず含まれてしまうので、ワニスの上から修復する。次に絵を洗浄する時には、その何ヶ月とかけた修復作業はワニスと共に失われる。だが、それが正解で「元の状態に戻せること」が最も大切なのだ。

  • おすすめ資料 第376回(2017.4.21)
     
    ロンドン・トラファルガー広場にある英国の国立美術館、ナショナル・ギャラリー。

    その内部を撮影したドキュメンタリーです。

    美術館の表や裏で行われる様々の仕事が映し出されていますが、どのパートでもスタッフの芸術作品に対する愛の強さが印象に残ります。

    また、高度な技術を駆使して行われる絵画修復の様子なども見ものです。

    いつかは訪れてみたいと思わずにいられません。

    【神戸市外国語大学 図書館Facebookページへ】
    https://www.facebook.com/lib.kobe.cufs/posts/1270157129700656

  • 美術館の裏の仕事がよくわかります。
    あんなに考えて展示の仕方を決めてるんだなぁ。
    そして客たちに絵画の説明をしてる職員たちの楽しそうなこと。本当に好きでこの仕事をしてるんだなとわかります。
    修復に関する部分もいろいろと衝撃でした。

  • ロンドンにある美術館ナショナル・ギャラリーを3ヶ月にわたって撮影したドキュメンタリー。
    学芸員による解説、絵画の修復作業や、美術品の展示や会議の様子などナショナル・ギャラリーの魅力に迫っていく。

    一般人では一枚の絵からこんなに様々な情報引き出せないので、こんなギャラリートークを聞きながら回れたら楽しそうだなぁ♪
    美術品の仕事もこんな事をしているんだとわかります!
    あと、絵画を人が見ているのではなく、絵画に人が見られているのだという感覚になりました。

全7件中 1 - 7件を表示
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×