さよなら歌舞伎町 スペシャル・エディション [DVD]

監督 : 廣木隆一 
出演 : ‎ 染谷将太  前田敦子  イ・ウンウロイ  樋井明日香  我妻三輪子 
  • Happinet
3.30
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感想 : 51
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4907953066304

感想・レビュー・書評

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  • 荒井晴彦が脚本に関わってるというので観た。
    歌舞伎町のホテルで働く、あるいは客としてやってくる、闇を抱えた人たちの群像劇。いちおうの主演はそのホテルの店長を演じる染谷翔太と、ミュージシャン志望で彼と同棲している前田敦子。

    ちょっと長すぎると思ったものの面白いところもあった。
    連続する殺伐とした状況の底でかすかに光っているユーモアと人間性が魅力の映画。

    なかでも店長の染谷翔太と、恋人である指名手配犯を匿っている従業員の南果歩が最高だった。

    染谷翔太は恋人の前田敦子に一流ホテルで働いていると嘘をついていて、日々くすぶっている。その投げやりな感じの演技が板についている。

    南果歩はつねに内に殺気をひそませている演技に凄みがあった。いまにも人を殺さんばかりの勢いで掃除をするシーンもすばらしかったけど、深夜の歌舞伎町を全速力で走るシーンにはそれだけでカタルシスがあった。

  • 歌舞伎町のとあるラブホテルの、
    とある一日だけを切りとった話。

    その日にホテルにかかわった人々の愛と人生。

    いやー面白かった、個人的にこういう映画大好き。

    わりとみんなハッピーに終われてよかった、

    主人公はハッピーでは無いかもだけど

    デビューのために寝るようなミュージシャンとは
    個人的には、別れて正解だと思う
    綺麗事かもしれないけども、
    デビューをゴールにするような奴より
    (しかも、実力でデビューじゃなく寝てデビュー、それもメンバーさしおいてひとりだけ…)
    仲間と自分の音楽を続けていく奴のほうがいい

    最後の神社のシーンで、小せーなとかいってたけど、器小さいとか大きいとかの問題じゃない
    そういう身体の張り方はどうなのか?
    考え方が私とは(おそらく主人公とも)異なるよ…

    そう思うと、家出少女を庇った彼は良い身体の張り方したね

    犯罪者組は、情状酌量の余地あるし、15年愛し合って逃げ続けてきたんだから、逮捕されなくてホッとした…
    不倫の刑事が逮捕できなかったのは、遊びは純愛には勝てないってことを意味してたのかも

    デリヘルの韓国人女性良い子すぎた

    みんな強く生きてた、そして歌舞伎町から去っていった

    いいエンディングだった!!

  • 2014年 日本 135分
    監督:廣木隆一
    出演:染谷将太/前田敦子/南果歩/松重豊/イ・ウヌ/ロイ/忍成修吾/我妻三輪子/田口トモロヲ/大森南朋/村上淳

    徹(染谷将太)は一流ホテルマンになりたくて上京したものの、実際にはラブホテルの店長。同棲中でミュージシャン志望の恋人・沙耶(前田敦子)には一流ホテルで働いていると嘘をついている。ラブホテルには様々なワケアリカップルが来訪し…。

    歌舞伎町のラブホテルのある1日を舞台にした、グランド・ホテル形式の群像劇。

    まずはラブホテルで清掃のパートをしている里美(南果歩)と、一緒に暮らしている康夫(松重豊)。実は康夫は過去にある犯罪を犯している逃亡犯で、里美はあと1日で時効をむかえるまで彼を必死に隠している。

    日本に出稼ぎにきている韓国人カップル、ヘナ(イ・ウヌ)とチョンス(ロイ)。ヘナはチョンスにはキャバクラで働いていると嘘をついて、実はデリヘルで働いており、徹のラブホテルの常連。ブティックを開く夢のためお金を貯めており、もうすぐ帰国の予定。

    ナンパした家出少女を風俗に落とす仕事をしている正也(忍成修吾)は、引っかけた家出女子高生・雛子(我妻三輪子)をラブホテルに連れ込むが、雛子のあまりに孤独で不幸な生い立ちを聞くうちに深く同情、彼女を守ろうと決意する。

    さらに、AVの撮影でやってきた女優がなんと徹の妹・美優(樋井明日香)だったり、徹の恋人の沙耶が、デビューをちらつかされてプロデューサーの竹中(大森南朋)と枕営業でやってきたりと波乱万丈。

    そして不倫中の警察官のカップル理香子(河井青葉)と竜平(宮崎吐夢)が、偶然見かけた清掃員の里美を、逃走中の容疑者だと見抜いたことから、騒動が起こり…。

    人間の生々しい欲望が交差するラブホテルという場所で、さまざまな人間模様が繰り広げられるのたけど、重すぎず、軽すぎず、気軽に見れて最後はなにげにハッピーなのがとても良かった。

    最低男かと思いきや、家出少女を体を張って守る正也は良い奴だし、デリヘル嬢という仕事はアレだけど、ヘナは荒んだ客にも同情する癒し系。デリヘルの店の名前が「ジューシィフルーツ」で店長(田口トモロヲ)がヘナにつけた源氏名がイリアというので少しクスっとする。この店長もなぜかちょっと良い人。

    里美と康夫は犯罪者なのだけど、DV夫から里美を助けるために康夫がしたことで、15年間ずっと連れ添いながら逃げ続けた二人を、つい応援したくなってしまう。(なので逆に、功名心に駆られる不倫刑事にはちょっとムカついた)

    徹は、自分はこんなラブホテルで終るような男じゃないと何度も口にし、一流ホテルへの夢を語るが、自分から何もしようとしていないモラトリアム男。そんな彼がこのハチャメチャな1日の中で何かを吹っ切って旅立ち、それぞれのカップルに落としどころがあるのでスッキリ。

    ヘナとチョンスのくだり(ヘナのデリヘル仕事に気づいたチョンスが客を装ってヘナを呼ぶ)はちょっと長かったけど、美しいシーンでした。メイクが違うから全然気づかなかったけど、ヘナ役のイ・ウヌってキム・ギドクの『メビウス』で息子のナニをチョン切っちゃったお母さん役の女優さんか!

    あっちゃんの役がミュージシャン志望のわりに歌もギターももひとつなのはご愛嬌。私はあっちゃん好きなのでとても可愛かった。徹と美優が仙台出身、実は震災でいろいろあって…というくだりだけちょっと重かったかな。奨学金返すためにAV女優になった美優のエピソードは、同じく廣木監督の後の作品『彼女の人生は間違いじゃない』(https://booklog.jp/users/yamaitsu/archives/1/B076HNBW4X)に繋がっていくのだなと思った。

  • 歌舞伎町のとあるラブホテルに関わる人々の群像劇。
    始まる恋もあれば、終わる恋もある。鈴木さんの長い恋も。デリヘルへの短い恋も。ホームレスの女とスカウトマンの行きずりの恋も。刑事同士の不貞な恋も。
    ラブホテルという、性欲をぶつけ合う場での様々な恋愛模様が描かれている。
    恋愛とは性欲を美化した表現に過ぎない、と誰かが言っていた。私はこれに賛成だ。そもそも論として人は欲があるからこそ行動するのであり、その行動からまた色々な欲が派生し、新たな行動を生む。つまり欲とは原動力なのだ。理性のタガが外れない程度に欲深く生きたいと思った。
    「他人に迷惑かけるなって親に教わらなかったか?」

  • 染谷翔太が放つ独特の空気感、虚無感と、韓国人女優さんの心が伝わる演技でひっぱっていた。こんなはずじゃない、でも生きていくために。歌舞伎町はそんな街なんだろうな。
    (@テアトル新宿)

  • 様々な人間模様が・・・。

  • 後ろめたいお仕事だけど誰かを救ってる
    お仕事として真摯にお客さんと向き合ってる彼女が
    好きな人に穢れを落としてほしいと思う女心に思わず涙した
    ラブシーンで泣けたのは初めて

  • ラブホを舞台としたサブカル映画だと思い気軽に見たらやられました。色々な事情を抱えた大人たちの様々な形の恋愛模様を描いていて、たった1日の出来事を追っているだけなのですが濃かった。そして面白かった。
    何気にキャスティングが豪華!染谷くん、あっちゃん、松重豊や南果歩といったベテラン勢まで。
    期待を上回った一本でした。

  • 全てのヤバイことは一日に起きる。

  • 不器用で
    愛おしい人々へ

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著者プロフィール

1954年福島県生まれ。映画監督。「ヴァイブレータ」「軽蔑」など、文芸作品の映像化に定評がある。 他の映画に「余命1ヶ月の花嫁」「さよなら歌舞伎町」、脚本もつとめた「RIVER」「海辺の町で」など。

「2017年 『彼女の人生は間違いじゃない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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