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- / ISBN・EAN: 4988013333482
感想・レビュー・書評
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どのような死に方でも、
ひとりひとりに生きた物語がある。
この世を去る時だからこそ、
見送られることに意味がある気がする。
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映画館で見逃していたのだが、
もったいなかったなぁ。
心から良い作品だと言える。 -
2015/11/4 とても良い作品でした。主役のセリフも少なく 淡々とストーリーは続くけど…とても 主役の優しさが伝わるし、共感できる感覚のまま観ていた。音楽も自然にストーリーに溶け込んでいた。ラストで思いがけない展開になって こちらまで 動揺して「22年間もこの仕事に捧げてきたのに…酷い…」なんて 思わず呟いていたら ラストのラストの展開に涙が止まらなかった。
あ〜そういうしも締めくくりなんだって感動しました。素晴らしい映画でした。自分のstill life 考えさせられました。 -
ロンドン市ケニントン地区の民生係、ジョン・メイ。
ひとりきりで亡くなった人を弔うのが彼の仕事。事務的に処理することもできるこの仕事を、ジョン・メイは誠意をもってこなしている。
しかし、人員整理で解雇の憂き目にあい、ジョン・メイの向かいの家に住んでいたビリー・ストークが最後の案件となる。
この仕事をしているにもかかわらず、目の前に住みながら言葉も交わしたことのないビリー。ジョン・メイはビリーの人生を紐解くために、これまで以上に熱意をもって仕事に取り組む。
そして、故人を知る人々を訪ね、イギリス中を旅し、出会うはずのなかった人々と関わっていくことで、ジョン・メイ自身も新たな人生を歩み始める……。
孤独死した人のおみおくりをする民生委員ジョンメイの寡黙に、孤独死した人と遺族の繋がりを結び、孤独死した人の人生を悼む仕事ぶりは、「悼む人」と比べると故人に対する思い入れを持たないながらも黙々と見過ごされた人の死を救い上げる仕事ぶりに、静かな感動を覚えました。孤独なジョン・メイの人生に光が差し掛かた矢先のラストは、辛い後味になるかと思われましたがじんわり温かい後味でした。 -
悲し過ぎる。
観終わった今は時間がないから、これ以上は気持ちをまとめられないけど、あとで必ず感想を残します。
死者のために、
愚直な姿、
なのに、
民生係の彼が、故人の世話を淡々と丹念に進めていく。この彼の故人に向き合おうとする想いは、彼の佇まいや言動で表現される。道路で信号待ちをする姿、家での食卓のテーブル、質素な部屋、そして接するすべての人たちと交わされる言葉。
でも、孤独死というのか、葬儀もおこなわれずに他界する人の多さを目にすると、心が沈む。
この光景は近い将来の日本の姿を映している様にも思える。
上司からこの民生係の退職を迫られた彼は、最後となる孤独死の男のお見送りをすることになるが、そこにはそれまで以上の並々ならぬ心血を注ぐことになる。微かな情報を基に元妻、娘、軍人事隊の親友、飲み友達、すべての人に葬儀への参加を呼びかけるそして、葬儀の当日、多くの参列者が集うことになるなか、彼自身は車に撥ねられて死んでしまう。独り身の彼の死を知る人は誰もいない。
彼が埋められ土が被せられる墓の、同じ墓地では彼が呼びかけてお見送りされる男の葬儀の様子が並行して映し出される。でも、彼のお墓には誰もいないし、気づかない。
彼のような生き方をが美しいと思う人もいるけど、『それと俺の人生は別だ』というだろう。彼の人生を美しいと思い、皆んなが彼のように他者へ心を寄せる姿を模範とした時代があったことも想像できる。
時代は変わる、社会を動かす人の価値観も変わる。でも生きる時代は選べない。 やっぱり『生まれた場所で咲くしかない』んだとあらためて考えさせられた。
でも、この両者の対比を目の前にすると、哀しみは止まらない。
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ロンドンに住むジョン・メイは民生係として孤独死した人の弔ってきた。
経費削減で解雇を言い渡されたジョンは、最後の仕事として向かいに住んでいたビリーの葬儀のため、家族友人を訪ね故人の人となりを調べていく。
ジョン・メイの人柄がわかるシーンが沢山あって終盤までには観ている人はすっかりジョンに感情移入してしまう。
それだけに最後の展開は驚きます。
でも孤独ではないって事だよね。 -
字幕: 大西公子
想像していたよりも良作。
映像の色や展開のテンポが作品にピッタリ。(物語の2/3ぐらいまでは、イギリス特有のシニカルなジョークが効いていて、テーマも方向性も違うけどちょっと『さよなら、人類』を思い出させた。)
会話が殆どないのに(ないからこそ?)、主人公のやるせない思いがひしひしと伝わってくる。
エディ・マーサンは初見だと思うし、地味なんだけど、いい役者だなあ。(と思ったらLondon Boulevardで観ていた模様。むむむ。) -
原題:STILL LIFE
原題の示す通り、ほんとに静かな映画。
淡々と進む中にも事件あり、恋愛あり、でやっと1人の生活から2人になれるかも…というところで終わる人生。
誰にも知られずに死んでしまった…かと思いきや、、、。
エンディングに泣ける。
クビになって自暴自棄になって首を吊るのか?!とか、自分をクビにした若い上司の車のタイヤにオシッコを引っ掛けるとか、少しお茶目なシーンはある。
とても丁寧に丁寧に作られているのがわかる。普段生真面目に信号が青になっても右見て左見てから横断歩道を渡る性格。なのに、ほんの少し浮かれて油断してしまったために、、、。
この映画、好きだわ。 -
孤独死した人物の身内を探して、弔うことを仕事としている主人公の仕事に対する真摯な姿勢に感動します。不器用さが切なくなります。結末はハッピーエンドなのかもしれません。感じ方は人それぞれだと思いますが。個人的に関心があるのは、主人公が、どんな両親のもと、どのように成長してきたのかを知りたいと感じました。よい映画です。
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イギリスで孤独死の人の葬儀を行う民生係の男。合理化によってリストラが決まった彼は最後の葬儀に取りかかる。
天涯孤独な男を主人公とすることによって、孤独死する人が他人事でないことが痛いほど映画から伝わってくる。この主人公の表情はほんといい。
男が訪ねる人々にとって孤独死した老人は大切な人であったかもしれないが過去の人。それが切ない。でもそういう風に人を訪ね歩くことによって孤独死した人の人生が見えてくる。そこに無名な人生などない。
ラストはそう来たか。よりいっそう切ない。でもほんといい映画でした。
さすがイギリス。ゆりかごから墓場まで。この精神はなくさないでもらいたい。