霊応ゲーム (ハヤカワ文庫NV) [Kindle]

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制作 : 広瀬 順弘 
  • 早川書房 (2015年5月15日発売)
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (417ページ)

霊応ゲーム (ハヤカワ文庫NV)の感想・レビュー・書評

  • まず、なにより、電子書籍はお勧めしません。
    私はkindle for iphoneもしくはipadで読むのですが、今までは短編小説もしくは漫画、雑誌のみの購入でこのたびどこの本屋でも買えず、発売日から目をつけていた自分より早くたまたまゲットした友人に勧められるという本読みには屈辱的な焦りから時間節約で(数秒で入手できますから)買っちゃったわけですが、確かに忙しい自分には空いた時間に少しずつ読めるという利点はありがたいのですが、小説を俯瞰できないのがこれほどストレスになるとは思わなかった。
    一つの画面に対する文字数と頭の中で場面を構成するのに必要な情報量が折り合わないとなかなか入り込めないのです。
    さらに気になった部分を読み返すのも容易ではない。
    これが一番困った。
    というのは、この作品は登場人物たちの閉塞感や愛憎ドラマが主題なので、物語終了後も読み返したくなるのだ。
    なのに目的の箇所が出てこなくていらいらいら。
    さらに、少し安い分だけ解説がついておらず、ツイッターなどでその解説も結構評価が高いので、もう普通にamazonプライムで送ってもらえばよかったと。

    レビューの本筋から離れましたが、この作品の作者が男というのは正直びっくりしました。
    容赦ないいじめやゲイへの迫害シーンは確かに男ならではなんですが、少年同士の濃密な関係の危うさは異性である女性が夢みがちに書きそうなタイプ。
    いやもちろん私も乙女の心も持っているので大好物ですが。

    なんとなくですが、ケストナーの『飛ぶ教室』ヘッセ『デミアン』恩田陸『ネバーランド』『麦の海に沈む果実』『蛇行する川のほとり』、漫画なら『風と木の詩』『トーマの心臓』なんかを読んでいる人ならはまるだろうなぁと。風と木の詩とトーマは実は未読ですが、なんとなく雰囲気で。
    こんなことを日記とか呟きしてたら、文庫版解説これ全部あがっていたそうな。デスヨネー

    そういう血が出そうな痛さに満ちた少年期を乗り越えたものが大人になってモノローグを吐くわけですが、乗り越えていない、乗り越えていないよこの人!
    一番健全に育てられてまっとうな価値観で生きてきたはずの彼が負債を背負わされるってなんて呪い?
    そう、主人公二人が病んでるみたいなあおり文句ですが、大人も子供も全部病んでいます。
    双子だって、あの育てられ方は異常だよ。同じときに生まれたのに、片方に兄として弟を守れ、みたいな育て方する親ふつう無いから!
    リチャードも最後パパ悪くないっぽいこと言っている人いますが、普通にひどいから、ダメ親だから。
    つまり、全員が全員あやういところでぎりぎりのバランスを保って生きてきただけで、何かがあれば瓦解したことは必至。
    それをおしたのがたまたまこっくりさんなわけで。
    ジョナサンとリチャードは偶然親しくなってしまったとはいえ、守ってあげる弱い人を求めていたリチャードと守ってくれる人を求めていたジョナサン、しかも父親トラウマもちという共通点がある二人は遅かれ早かれ親しくなってしまっただろう。

    どうしたって破滅は避けられなかった。

    けれど、その直前の二人の幸福感を思うと、狂気や喪失をそれぞれが乗り越えられていたら、もう少し軟着陸はできたのではないかと切なくはなる。

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