火山入門 日本誕生から破局噴火まで (NHK出版新書) [Kindle]

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著者 : 島村英紀
  • NHK出版 (2015年5月9日発売)
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (145ページ)

火山入門 日本誕生から破局噴火まで (NHK出版新書)の感想・レビュー・書評

  •  タイトル通りの入門書。火山について一般的な知識は持っているつもりだったが、その認識が間違っていることを痛感させられた。

     例えば昔習った「活火山・休火山・死火山」という分類も現在は廃止されているという(知らなかった)。これは死火山だと考えられていた御嶽山が1979年に突然噴火したことから改められたそうだが、逆に噴火しそうな前兆を示しながら結局噴火しなかった例もある。そもそも前兆と言いながら具体的に何がどうなったら噴火するのかもわかっておらず、まだまだデータ収集を重ねている段階なのだという。

     本書で著者が何度も指摘しているのは、現在の火山学がまだとても低いレベルにあり、特殊な例を除いて「噴火予知」は不可能だという点だ。

     もちろん、火山学者が無能なわけではない。地中深くの状態を把握するのは技術的なハードルが高いし、噴火を観測するのは命の危険を伴う。短くても何十年、長ければ何万年というサイクルで起こる現象で、実験室で再現することもできない。これらの悪条件を考えれば、よくやっていると思う。

     しかし著者は、主に行政の火山対策についてはかなり批判的のようだ。観測体制はまだ不十分だし、近年導入された「噴火警戒レベル」も客観的・学問的な基準がなく経験と勘に頼っているという。2014年の御嶽山噴火の後でその最低レベル1の表現を「平常」から「活火山であることに注意」に変更したのは役人の責任逃れのためではないかと指摘する。予知できないものなのに、あたかも予知できるような名前の組織があることも問題だという。この辺りは、人の命に関わる分野の研究者として真摯な姿勢を感じた。

     さて、大地震の後はほぼ例外なく近隣の火山が噴火しているという。東日本大震災から四年あまりで御嶽山が噴火し、箱根も不穏な様子だ。もし富士山が噴火すれば想像を絶する被害が生じるだろう。しかし、人間にそれを防ぐことはできない。世界有数の火山国である日本に暮らすなら、ある程度の覚悟は常に持っている必要があるのだろう。

  • 2014年の御嶽山噴火以来、火山への関心が高まっている中、タイムリーなテーマの本。
    本書では、火山の噴火の仕方による分類、日本の主な火山の解説、火山の効用と被害など、一般向けに火山全般について語られている。
    重要なのは、火山がいつ、どのように噴火するかという噴火予知については、現段階ではほとんど無理ということ。火山一つ一つ、また、同じ火山でも過去の噴火ごとに噴火の規模やタイプが異なっていて、予知のために必要なデータも経験も十分でなく、気象や地震よりも更に予想は困難であるという。
    著者は、生物界全体や人類の存亡に関わるような巨大噴火への警鐘を鳴らすが、このような噴火については、普通の火山噴火以上に不確かで、地質学的には興味深いが、今後については何も分からないに等しく、その点が(仕方がないことではあるが)満たされなかった。

  • 過去にどこの山がどのように噴火したか,ということが延々と語られるばかりで,アカデミックな話はほとんどない。しかも,結局噴火の予知は不可能だと結論づけている。まぁそりゃそうだろうが。それなのに,どこそこの山は近いうちに必ず噴火するはず,とかいう矛盾した主張を繰り返し,無用に読み手の不安を煽る。日本中にこれだけ火山があるというのに,そこら中危険,危険では,どうしろというのか。M9以上の大地震の後には,必ず周辺で噴火が起きていると論じた後で,唯一の例外だった東北地方太平洋沖地震についても,3年も経った後の御嶽山噴火を結びつけて,例外がなくなったとしているところで,呆れ果てた。全く科学的・論理的でない本。

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