デービッド・アトキンソン 新・観光立国論―イギリス人アナリストが提言する21世紀の「所得倍増計画」 デービッド・アトキンソン 「新日本論」シリーズ [Kindle]

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  • イギリス人の元凄腕アナリストであり、日本に長年(25年)住んでいる著者が、
    日本の今後(超高齢社会)を見据えたとき、
    日本が観光立国になることが今後もGDPを押し上げていくことになると考え、
    現時点の姿(問題点)や解決策をズバッと指南する良書。
    観光のことは考えたこともなかったので、大変勉強になった。他のことにも通じる事も多いと思う。


    ===

    ・先進国である程度の基礎ができると、GDPはその国の技術力やポテンシャルより、人口が大きく影響する。
    ・日本は、移民という、社会環境を大きく変化させる政策をとれないので、外国人観光客を増やし、「観光立国」を目指すのは合理的な考え。
    ・観光立国の4つの条件:「気候」「自然」「文化」「食事」。日本はこれら全てを備えている世界でも稀な国。
    ・外国人を一括りにせず、国籍、性別、収入などでセグメンテーションし、ターゲットを明確にして計画・実行。
     特に、日本にはヨーロッパ諸国、ロシア、オーストラリアという先進国から遊びにくる人々が非常に少ない。これらの国からくる人は多くのお金を落とす傾向がある。
    ・外国人観光客から対価を得る。(今は無料が多い。ガイドなどは有料化を考える)
     →その対価は、その文化財の維持のために使われる。→文化財維持が、外国人観光客を呼ぶ。
    の好循環につなげる。

  • 日本は観光大国となれる高いポテンシャルを持ちながら、それを全く生かせていないために観光客を有効に誘致できていない。
    そして、日本人が良かれと思って外国人へ提供する「おもてなし」のサービスは単なる価値観の押し付けにすぎず、自信のなさからか日本を過度に持ち上げようと自画自賛して観光客側の立場に立って考えることができていない。
    また、文化財の案内が不十分であることや、そもそも観光客が観光に求めるものをはき違えていることなど、耳の痛い話ばかり。

    イギリス人でありながら、日本に20年以上住み、日本語を理解する著者の意見は貴重で、これを真摯に受け止めて改善できないのであれば、日本は「観光」といういわば経済戦略の最後の切り札をも失うことになってしまう。
    自分に直接関係のある話かどうかは分からないけれど、いずれは海外で友人を作って日本の観光地を案内するということをしてみたいと考えていた自分にとっても、ためになる話が多かった。

  • 新・所得倍増論、新・生産性立国論と読んだのでシリーズでw
    日本を観光立国にするための考え方だけど、その他のビジネスの考え方にも通じるものがありました。

    マーケティングの実践編として読んでも面白い。

  • 怒るどころか、日本への愛を感じる内容であった。もったいない!

  • 斜に構えず、素直に読んでいます。
    結構的を得たないように共感するところ多い。

  • 人口減少、それに伴うGDPの低下が予想される日本においては、短期移民(すなわち、海外からの観光客)が必要である。また、観光客の数をKPIとするのではなく、使ったお金をKPIとすべきである。日本が観光大国となるには、海外向けの説明資料を増やす、有料ガイドを育てる、様々なプランを作るなどが必要で、おもてなしや治安の良さとかは副次的な要素である。また、海外からの観光客とひとくくりにするのではなく、特に観光においてお金を使ってくれるオーストラリア、アメリカ、イギリスなど細分化してターゲッティングするべきである。かなりの良書でした。

著者プロフィール

デービッド・アトキンソン
小西美術工藝社社長
1965年イギリス生まれ。日本在住33年。オックスフォード大学「日本学」専攻。裏千家茶名「宗真」拝受。
1992年ゴールドマン・サックス入社。金融調査室長として日本の不良債権の実態を暴くレポートを発表し、注目を集める。2006年に共同出資者となるが、マネーゲームを達観するに至り2007年に退社。2009年創立300年余りの国宝・重要文化財の補修を手掛ける小西美術工藝社に入社、2011年同社会長兼社長に就任。2017年から日本政府観光局特別顧問、2020年から政府の「成長戦略会議」委員などを歴任。
『日本人の勝算』『デービッド・アトキンソン 新・観光立国論』(山本七平賞、不動産協会賞受賞)『新・生産性立国論』(いずれも東洋経済新報社)など著書多数。2016年に『財界』「経営者賞」、2017年に「日英協会賞」受賞。

「2023年 『給料の上げ方 日本人みんなで豊かになる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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