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感想・レビュー・書評
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佐藤正午さんの作品は若いころ何冊か読んだことあったけど、ずいぶん久しぶりに読んでみた。「杉江さんと藤田さんのマルマル読書」で褒められていて興味もったので。
で、おもしろい。
こんな小説はじめてだなあー!!と思った。
話としては、突然姿を消した三人家族や偽札や裏稼業や、といったミステリーなんだけど、この人が語り手で主人公がこの人でーとか思って読んでいると、ふいに語り手が変わって脇役と思っていた人が主役になって、この人から見たストーリーはこうだけど、あの人から見たらこう、みたいにくるくる変わっていく感じで。しかも、そのできごとを小説家が小説にしていくところを見せるっていう要素も加わって、ものすごく複雑。「多面体」って言葉が浮かぶ。あらゆる方向からひとつのストーリーを見る、みたいな。
だからといって読みにくいことはなくて、読ませる、引きこまれる。ユーモアがあって会話がすごくおもしろくて、ほんとに笑う。
不倫して妊娠してって話が、文中でも書かれてるけどちょっとくどい感じで、なんか「古臭い」って思っちゃったんだけどもそれもそういう企みなんだろうな。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
時間があれば再読しよう
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続きが気になる
浮気よりも偽札の方が特に
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