烏に単は似合わない (文春文庫) [Kindle]

  • 46人登録
  • 3.33評価
    • (0)
    • (8)
    • (4)
    • (3)
    • (0)
  • 6レビュー
著者 : 阿部智里
  • 文藝春秋 (2014年6月10日発売)
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (257ページ)

烏に単は似合わない (文春文庫)の感想・レビュー・書評

  •  ミスリードに一生懸命になりすぎて、いろいろととっ散らかってしまった印象。

     山神に仕えた三本足の烏(八咫烏)が人に変異する世界の物語。
     兄を押しのけ日嗣の皇子となった若宮の后を選ぶべく集められた東西南北・四家の姫君。
     権力闘争・愛憎入り混じってはいるが、姫君たちの成長物語&皇子様に選ばれるシンデレラストーリー。
     かと思いきや途中からミステリーもどきになっていった。
     衣装は奈良、舞台は平安時代のようなイメージだろうか。
     どうでもいいが、烏と鳥は似ているので、途中で読み分けるのを放棄した。

     主人公がいない。
     東家のあせび視点で物語が進むので、当初はこの子が主人公だと思って読み進めた。
     主人公としてはふわふわとしすぎていて感情移入もできず、おろおろしているうちに物語が進んでいく。ように思っていた。
     世界観の説明役だったのかもしれないが、あまりにももの知らずで后候補にならずとも貴族の娘としてどうなんだろう、嫁に出す気がなかったのだろうか、と思っていた。
     それが侍女の不審な死あたりからおどろおどろしくなり、最後は姫君たちの人物像もひっくりかえるのだが、謎解き探偵役がまさかの若宮。
     それまで存在がほんのりとしか出てこず、行事も全てすっぽかした若宮が突然乗り込んで4人の姫の事情を露わにし「全部わかっている!」と事件の真相を話し出す。
     ちょっと突然すぎてびっくりした。

     視点を変えたら全く違う物語、をやりたかったのかもしれないが、そもそも若宮全然出てこなかったから印象薄いし、そんなに事件が見えていたなら人死には防げただろうし、何よりも若宮がやらなければならなかったのは姫たちとの対話だろう。
     身代わりにした近習にしても、あんな状況で女の園に放り込んだらどうなるのか想像できなかったのだろうか。ちょっと周りの人間を軽く見ているような気がする。
     
     家臣の力を抑え宗家中心にしたいのはわかるが、即位もしていないこの時期に四家を敵にまわすようなことをして大丈夫なのだろうか。
     もっと穏便に姫君たちを脱落させていく方法はあったと思う。妃を誰にするかはとっくの昔に決めていたようだし。

     面白いことは面白いのだが、いろいろと物足りないなぁという印象。
     姫君たちのキャラが変わっていくのはいいとして、侍女たちがうるさいし総じて無礼。

     烏太夫(その場にふさわしくない者)が浜木綿とのことだが、彼女は両親に問題があったとはいえ血筋は確かだ。
     血統を重んじるというならばこの場に一番ふさわしくないのは白珠では。
     あせびも最後のニュアンス的に母が下男と通じた娘だというならやはりふさわしくはないだろう。
     そもそもあせびに懸想していた下男は以前にも勘違いさせられてあせびの姉を襲ったらしい。
     その時点で取り押さえられなかったのだろうか。だとしたらしたたかと言われている東家の当主が間抜けか、あせびに操られているのだろうか。
     あせびの母にしても、彼女と同じ質だというなら下男と子供を作らずさっさと今上帝の側室に収まればよかったのに。

     若宮は白珠を「何もしていないのに想い人が死んでから嘆くな」というようなことを言った。
     しかし白珠は家のために「入内する」ということを選んでいた。一巳に別れも告げた。最後の思い出も作った。何もしていないわけではない。駆け落ちを選ばなかっただけである。
     恋を自覚していなかった13歳位の娘にさっさと駆け落ちすればよかっただろうというのは、あまりにも彼女の事情も感情も無視した身勝手な物言いに思える。
     市井の暮らしを知るらしい若宮ならいざ知らず、庶民は家がなくとも愛があれば鳥の姿で温めあうから大丈夫、なんていうのは深窓の姫君には無謀すぎる。
     何でもお見通しの聡明な若宮ならば、姫たちの情報も登殿してくる前に入手が可能であ... 続きを読む

  • kindleの日替わりセールでポチッたもの。
    Amazonレビューで酷評が続いていたので「どれどれ。どれほどのもんなんやろう」という程度で読み始めてみました。

    で、読み終わって……なるほどね。納得。
    これは確かにあらすじと表紙で選んで読んだら「おいおい」って思えるかも。
    前半と後半で違う。雰囲気がもうまったく違う。
    美しく雅な世界観にうっとりと読み進めていたら、死者が出てきたあたりから一転ちょっと生臭くなりますね。
    で、若宮登場のあたりからの生臭さと言ったら。一気に現代小説になってしまうんだなぁ。なるほどなるほど。
    かと思ったらあせびのキャラ設定がもうめちゃくちゃ少女漫画ぽい。あるある。あるねー(笑)
    いわゆる少女漫画の王道キャラを作者が全力でdisっちゃう感じ。

    でも、これがデビュー作(なのかな)で作者さんがまだ若いという点で、視点の揺らぎや描写のおかしさに目をつぶると私個人的にはこのストーリー展開は「アリ」かと。
    若宮殿の怒涛の謎解きシーンはまぁまぁ面白かったし(ちょっと駆け足過ぎたけど)四家のキャラもいい感じにたっていたし。
    設定も凝っていてよくこれだけの世界観を考えられたなーと素直に思う。

    ただ、一つ思うのは、あせびを最後まで書いて欲しかったなぁ、と。
    謎解き後フェードアウトして、あとは若宮と姫たちがあせびのキャラについて想像して話すっていうのがなんだかちょっともやっとする。
    うこぎとか最後どうなったんだろう?

    次巻はkindleセールになっていたら買おうかな(定価ではちょっとなー)

  • 十二国記や勾玉三部作に近いものを探して、悩んだ上に2作目まで購入。
    結果、上記に並ぶほどの満足はできなかった。ただ、面白くないわけではないので、うん。

    主人公に感情移入などして、成長する姿を見たい人にはお勧めしません。

  • とんでもない修羅場の連続にヒイヒイ言いながらもどんどん読み進めてしまった。ファンタジー要素と少女漫画要素でひきこまれ、修羅場に叫び、どんでんがえしに青ざめ、オチにて爽快。あ〜タイトル、そうきたか〜とスッキリしました。おもしろい物語でした。

  • 松本清張賞最年少受賞作品。
    八咫烏(やたがらす)が支配する世界で、世継ぎの若宮の后選びのため、東西南北4つの国からそれぞれ春夏秋冬の魅力を持つ姫が宮中に集められる。后選びの後宮モノと思いつつ、途中から事件が起きて物語が二転三転していく流れ。
    キャラ崩壊していく人がいたり、伏線もわかりにくくて後出しじゃんけんが多かったり、付いていくのも難しい箇所もあった。ただ、この独特の世界観を描き出した著者はやはりすごいのだと思う。賛否両論わかれる作品だが、私は嫌いではないかな。

  • ファンタジーは苦手だと思いつつ読んでみたが、これは見事にダメだった。ファンの方々には申し訳ないとは思うけれど、自分としては、気持ちが悪い、としか表現できないのだ。古典の世界を忠実に描いているようだが、ではなぜ烏なのかよくわからない。烏なら烏の空想世界を描いて欲しい。人間の古典宮廷世界を烏が営むというのは、ボクにとっては気持ちが悪いとしか感じられなかった。なぜ烏なのか、今後の展開でわかってくるのかもしれないが、ボクは本作で終わりにしたい。ファンの方々にはこんな書き方で申し訳ないと思うが、多分に感じ方の問題なので許してほしい。

全6件中 1 - 6件を表示

外部サイトの商品情報・レビュー

烏に単は似合わない (文春文庫)を本棚に「いま読んでる」で登録しているひと

烏に単は似合わない (文春文庫)を本棚に「読み終わった」で登録しているひと

烏に単は似合わない (文春文庫)を本棚に「積読」で登録しているひと

烏に単は似合わない (文春文庫)はこんな電子書籍です

烏に単は似合わない (文春文庫)の単行本

烏に単は似合わない (文春文庫)の文庫

ツイートする