BAD APPLE WARS - PS Vita

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  • アイディアファクトリー (2015年11月19日発売)
  • PlayStation Vita
  • Amazon.co.jp ・ゲーム
  • / ISBN・EAN: 4995857094066

BAD APPLE WARS - PS Vitaの感想・レビュー・書評

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  • 【主人公】
    主張がなく、やりたいことも、好きなものも無い、特に燃えるような情熱も持たない”カラッポ”の存在。
    高校の入学式当日に交通事故に合い学園へ飛ばされて来る。

    生前の「思い入れの深いもの」を持たない為、非戦闘員。基本的には戦えない(というか、戦わない)。
    そういう意味では守られ主人公。
    ただし、重要な局面以外では指示されれば逃げるし、必要ならモノ投げるし、何気にガッツがあり、それなりに別の面で役に立つので、乙女ゲームにありがちな「お荷物ちゃん」感は薄い。

    性格に関しては、敏くはないけど阿保でもないし鈍感でも天然でもない、適度な塩梅をしていて、
    とくに乙女ゲームにありがちな「優しさが一周回って愚かな人」ではなく、自分の身の丈に合った優しさを持っている点が好印象。
    変に出しゃばったり、万人に愛情を降らせたり、無謀なおせっかいを焼かないので見ていてイライラしません。

    【攻略対象】
    ●アルマ
    ⇒BAD APPLES(ワルイ子)たちの頭脳派リーダーであり、精神的支柱でもある。
    冷静沈着。常に周囲からリーダーであることを期待され、四六時中活動して回っている休めない人。
    …倒れないか心配になる。
    ●ヒガ
    ⇒BAD APPLESの副リーダーのような立ち位置(ただし明確にそういわれている訳ではない)で、アルマ親衛隊。
    強面ながら中身は義理堅く、いい奴。
    昭和時代の生れで周囲から「ジェネレーションギャップが…」とささやかれるのが面白い。
    ●シキシマ
    ⇒大正時代の生れで誰からも理解されない白黒の絵を描き続ける「カワッタ子」。
    何もかもを諦め、受け入れるような姿勢を取っており、のらりくらり躱しながら暮らしている。
    イイ子でもなければワルイ子でもなく、学園での出来事を見つめている。
    ●サトル
    ⇒主人公と一緒に学園へ入学する新入生。
    常に狂ったように勉強をしており、妨害・邪魔すると怒る。
    但し、素の性格は素直で可愛げがある。母親想いの良い子でもある。
    ●白髪の風紀委員
    ⇒風紀委員のリーダーのような役割で、特徴的な白い髪から「白髪」と呼ばれる。
    冷徹無慈悲で、校則を破る人間を断罪する。
    やたらとワルイ子を敵視しており、その姿は憎い人を見ているかのよう。底知れない不気味さを持っている。

    【システム】
    学園に入学後、「風紀委員」になるか「ワルイ子」になるかを選択。
    「風紀委員」ならサトルと白髪の風紀委員、「ワルイ子」ならアルマ・ヒガ・シキシマが攻略できるようになる。

    MAPでキャラクターがいる位置を選択するだけでルート分岐できるので攻略は簡単。
    あとは、スチル上で特定の場所をタッチするような形式になっている。
    それも、「押してはいけないところ」は青い稲妻が走る仕様になっているのでわかりやすい。

    どのキャラクターを攻略していても起こる事件やイベントは一緒で、
    入学⇒新入生歓迎会⇒テスト⇒文化祭⇒卒業式、の順で展開する。√分岐は文化祭の後。

    地の文がないスタイルなので非常に読みやすく、ハイペースで進められます。(その分尺はものすごく短く感じます)
    ”小説”ではないので、地の文がなくても、主人公の語りや背景、効果音などで充分に状況は伝わってきます。
    こういう「ゲームとしての演出ができている」点は、オトメイトさんの作品では稀なので評価したいですね~。

    【ストーリー】
    <<主軸>>
    交通事故で死んだ主人公は、気付くとNEVAEH(ネヴァー)学園にいた。
    ここでは、「イイ子」であり続ければ自分としてのアイデンティティーを失い、絶望から解き放たれて”卒業”し、
    「ワルイ子」であれば自身を保ったまま(絶望を抱えたまま)でいられる。
    学園を”退学”になり「生還」を目指すワルイ子たちと、ワルイ子たちをイイ子へと矯正すべく奮闘する風紀委員の間で主人公は過ごし、学園の理不尽や生への執着、カラッポだった自身を満たすものを見つけることになる。

    斜に構えた独特な世界観で、ファンキーさがあるというか、音も背景も色使いもとても独特。ちょっと中二病感があります。

    主軸に関してはシステムの欄でも書いた通り、どのキャラクターを攻略していても概ね展開は一緒。
    入学⇒新入生歓迎会⇒テスト⇒文化祭⇒卒業式、の順で展開し、そこへ至る過程には若干の差はあれど、起こる事件や結末も一緒。
    初回は物珍しさからどんどん進めてしまいますが、終盤になると割と展開に飽きるので(既読スキップは使えたり、使えなかったり、ですし)気になるキャラは最初の方に遊ぶのが良いかも。

    何も残らないけど安らかな「死」という甘い誘惑を蹴り、苦しみもがいて絶望に暮れ、それでもかすかな光を求めてまた立ち上がる「生」を選ぶことの意味を描いた、パワフルなメッセージ性もあります。
    人によるけど、メッセージがパワフルな分、心に響く、っていう人も少なからずいるんじゃないでしょうか。

    ブレない良い「ネタ」がある一方、完成度に難があるのが残念。
    結局最後まで学園に秘められた「規制」の謎やそれを外す条件、先生らが何者で、学園が設置された理由は何なのか、ということが作中で語られないのがちょっとモヤモヤする。
    展開が金太郎飴になりがちなので、こういった要素を回収する「真相ルート」を設けた方が良かったんじゃないの…と思わなくはない。

    <<恋愛要素>>
    主人公が相手に触れ、彼の過去やその時の気持ちを”覗き見る”ことで展開していくので、プレイヤー側の共感は得やすいかなぁ、と思います。この人を元気づけたい、こんなことを抱えていたの?という気持ちにさせてくれる、という意味合いでは恋愛への一歩は踏み出せているとも思う。
    ただ、そういった過去に触れることがただのカウンセリングになってしまっていて、「情」は育つんだけれども、心ときめく「恋」の感情につながらないというのが難点な気がする。

    また、「生まれた時代が違う」設定により、生まれ変わりや子孫設定などが多く、最終的に結ばれるのは果たしてあの学園で出会った「彼そのもの」なのかがよくわからない…という点が大きな欠陥かと思う。
    この辺りを深く考察してしまう人は多分引っかかるので、事前の検討が必須。

    【感想】
    設定は面白いと思うし好き。キャラクターもアクが強すぎなくて馴染みやすい。
    作り手側がプレイヤーに伝えたいメッセージもしっかりと受け取ることができる。
    そこまではとても良い出来だと思うんだけど、最後の詰めが甘い作品だと思いました。

    主軸で言うなら、「学園の謎」が終始取り上げられ、伏線のように語られているのに、それらが一向に回収されることなく終わってしまうところ。恋愛でいうなら、学園の中ではときめくような恋愛要素が薄く、現世では「それは学園で過ごしたのと同じ彼?」という疑問からモヤモヤしてしまうところ。

    これが意外と大きな要点で、良い点をアッという間に食いつぶしてしまうほどの欠点になってしまっているのが非常に残念。
    生きることのすばらしさや意味を、作り手側の解釈で伝えてくれて、感動できるポイントはあるのに、じゃあ誰かにお勧めしたい作品か?と言われると、「そうでもないよな…」と思ってしまうというか。

    好きなキャラクターはアルマですが、恋愛的に一番萌えるのはサトルかな…。
    救済となる理由があるにせよ、アルマは乙女ゲームとしての「地雷」に若干触れていると思うので遊ばれる方は要注意かもしれません。

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