「学力」の経済学 [Kindle]

  • 138人登録
  • 4.11評価
    • (19)
    • (34)
    • (10)
    • (1)
    • (0)
  • 23レビュー
著者 : 中室牧子
  • ディスカヴァー・トゥエンティワン (2015年6月18日発売)
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (139ページ)

「学力」の経済学の感想・レビュー・書評

  • 成績の芳しくない学生が、試験前に祖母が亡くなる可能性が数値で示されるという冒頭のつかみから、一気に読者の関心をもっていく構成であった。 「インプットとアウトプットのどちらに報酬を与えるべきか?」から、「日本の教育制度をどう改善したらよいのか?」という視点まで、著者の明確な立場がデータとともに論理展開されており、非常に読み進めやすい本。 子どもがいる方も、子どもがいない方にも、一度ぐらいは読んでおいて欲しい内容である。

  • 教育、特に学力の向上について、統計的な示唆を教えてくれる。

    主な示唆はすでにテレビなどで紹介されていたので、2016年末のいま読むと新鮮さはうすかった。

    学力の向上だけが幸せな人生に必要というわけではないはずなので、あくまでも大切な一要素についての書籍と思わないといけない。

  • 正しいエビデンスに基づいて,教育について述べた本.個人的には,幼児教育の重要性や重要な非認知能力が非常に参考になった.後半の,エビデンスに基づかない日本の教育政策や,教育に関する研究環境の貧弱さに対する筆者の叫びには,何とか応えられないものだろうか?

  • 「ー」

    データに基づいた分析。
    素晴らしい本だった。

    教育に関して誰でもなんらかの意見を持っている。
    インプットに褒美を与えるのがよい。
    褒美は勉強への内的動機を減少させない。
    学力の低さは伝播するが、逆はない。
    幼児教育への投資が最も効果的である。
    教員によって人生は決まる。

  • 年を取って、ブルデューのいうハビトゥスがとても気になっています。文化資本の再分配は可能なのか、効果的な教育への投資のあり方はどういうものか、そういうことに興味がある方にデータを提供する本でした。ささっと読めるのでオススメ。

  • エビデンスの大切さを改めて教えてくれる一冊。
    教育って、特にエビデンスを取ることと、そもそもその必要性を実感するのが難しい領域なのかもしれない。インプットとアウトプットの因果関係を明らかにするのが、要素としても時間軸にしても難しいし、誰もが一度は当事者になっているだけにその人なりの考えをそれなりに持っていることも多い。

    アメリカの政策がどうこうではないけど、小さく試してみて検証して、うまくいけば広げる、いかなかったらやめる、というやり方は、日本でも平等主義を徹底することより優先して進められたら良いんじゃなかろうか。

    データを取ること、それを検証すること、そしてその進め方や考え方についても分かりやすく書かれているので、それ自体もすごく勉強になった。

  • 塾講師のバイトに没頭した経済学科出身者としては、「教育経済学」なる分野が当時もう少し発展してくれてたら、人生変わったかもなあ、としみじみ。あれから社会人経験を20年以上積んだ身には結構当たり前のことしか書いてないように映るも、「エビデンス」なき教育論は企業内人材育成論同様「一億総評論家」の言いたい放題、であることもまた、腑に落ちる。国際的視点(とウィット)を持った日本人が日本を題材にした点だけでも、貴重な良書。

  • 自分が思っていた教育に関する固定観念を、データを用いた分析により、覆した一冊!!
    教育に関する問いを統計学と結びつけることによって、明確な答えを示してくれます。
    特に下記のご褒美の与え方は、自分が思っていた考えと間逆でびっくりした。

    ・子供に与えるご褒美は「テストの点数」などのアウトプットでなく、「本を読む」「宿題をする」などのインプットに対して与えるべき
    →アウトプットにこだわると、小手先のテクニックを身につけるだけで、学力を改善する本質的な方法にたどりつかない。

    上記のほかにも、以下の3点は非常にためになった。

    ・人間は遠い将来のことなら冷静に考えて賢い選択ができても、近い将来のことだとすぐに得られる満足を大切にしてしまう。
    ・教育投資の収益率が高くなるのは、子供が小学校に入学する前の就学前教育
    ・非認知能力(「意欲」「協調性」「粘り強さ」「忍耐力」「計画性」等)への投資は子供の成功にとって非常に重要である。

  • とても明快な教育経済学の入門書。
     初心者にもわかりやすく、丁寧な著作で良い。Kindle

  •  教育に関しては,家庭教育のみならず学校教育に関しても「一億総評論家」といえる状況が続いています。そうなるのは,無理もありません。家庭教育も学校教育も,大人のだれもが自分の歩んできた道なので,それに対して,一家言あるのは当たり前だからです。
     しかし,それらのここの主張や主義は,たとえ教育者であったとしても「個人的な経験に基づいているため、科学的な根拠がなく、それゆえに<なぜその主張が正しいのか>という説明が十分になされていない」ことが多いのです。だから,そんな個人的な経験を変に拡大して「ひとつの事例にすぎないものを、あたかも全体を表しているかのようにとらえてしまう」ことで,誤謬を生みだしかねません。
     著者の主張は,「教育を科学的に考える」です。
     少人数学級で学力は上がるのか?
     勉強に対するご褒美は,悪いのか?
    などに対する科学的な証明?は,教育界の常識を否定する事実もあったりして,おもしろいです。
     ただ,読んでいて,少し違和感を持ったのも確かです。
     まず,各種の調査の多くが米国産であることです。
     教育は文化でもあります。日米の文化の違いは,大変大きい。教育現場を見ただけでも,その自由度は全く違います。米国で得た「科学的」な研究結果が,そのまま日本でもあてはまる保障はない。そのことについては,著者も言及していますが…
     もう一つは,その法則(のようなものが)あてはまる限界を考えていないことです。
     少人数学級の成果が上がらないという研究を紹介するのに「25人を20人に減らしてみたけど学力に対して有意な差は出なかった」といいますが,それが,そのまま「40人から20人に減らしたときにもあてはまるとは限りません。
     ただ,わたしは,現場の感覚から「人数を減らしても余り変わらないだろうな」とは思っています。結論としては,科学的な研究をした著者と同じです。が,私のこの結論は,「科学的根拠のないたわごと」なんでしょうかね。

  • 教育に関しては1億総評論家社会
    すごく説得があるフレーズだった。
    確かにエビデンスもなく、手探りで得た自分の経験を通じて良し悪しを語ってる人は多いなと。

  • 新春4冊目☆
    レナさんからオススメ頂いた本♪
    良い本のご紹介、感謝です!

    データという事実に基づく考察が、
    現在の教育の問題を浮き彫りにしている。

    後半になればなるほど、
    筆者様の気持ちが伝わる本でした。

    良いように変化しますように。

  • 自制心
    やりぬく力

    しつけ(うそをついてはいけない、他に人に親切にする、ルールを守る、勉強をする)

  • ・ご褒美はテストの結果などのアウトプットではなく、読書、勉強、などインプットにされるべき
    ・能力ではなく努力をほめる
    ・お手軽なものに効果はない

  • 誰しもが一家言投じることができる「教育」というテーマを、主観を排した統計データから論じる一冊。主に米国で実験された結果をもとにしており、また論自体も共感できるため、非常に説得力がある。
    主観的な体験談のぶつかりあいとなり、平行線をたどりやすい教育論、教育政策を考える上での、大きな道標となり得る良書。

  • 「教育にエビデンスを」
    本当に。
    子供達の学校を考えるとき、いくら学校の理念や教育方針を聞いても実際はどうだか分からない。良さそうに聞こえてもそれが子供にとって良いかも分からない。結局手探り状態。
    教員の質を図る付加価値が公開されているのであれば、一つの指針として使える。

    エビデンスが必要なのは教育だけじゃ無いよなぁ。色んな政策がエビデンス無しで決まってる気がする。

  • 子育ての知恵から国家政策論まで。「教育にエビデンスを」教育政策にエビデンスを!

  • 日本においてはあまり実施されておらず米国において進んでいる教育に関する実験及びその分析結果にもとづきどのように教育を行うとよいか、すなわち教育経済学について述べている作品。
    子供を育てるときに大事なことは、
    ・能力を褒めるのではなく努力を褒める
    ・テストの結果がよかったこと(アウトプット)に報酬を与えるのでなく、勉強したこと(インプット)に報酬を与える。
    である。
    また、子供の学力を向上させるためには教員の質を高めることが重要であるが、教員への研修を行うことはあまり効果的ではないようだ。日本では教育免許制度が敷かれているが、その制度をなくして、参入障壁を下げてあげるのがよいのではと筆者は主張する。

  • 目からウロコ。
    これだけのエビデンスを基に語られると大変説得力があり、納得した。早速活用したい。

  • 語り口は軽妙で読みやすい。
    試験のときには学生の祖母が急死する確率が上がるだとか、大学で学生に美人と言われることがあるが、それは成績の芳しくない学生と成績について話しているときに限られるだとか、くすっとさせられる。
    中身は、以下の2つの主張でそれは納得させられる。1)日本は教育についてエビデンス・ベースで議論されることがないが、それはおかしい。2)日本は米国に比べて研究者へのデータの開示に消極的で、その利用が制限されており、もっと教育経済学の果実が得られるよう環境を整えるべきである。
    ただ、自分の子供に本書の知見をすぐ適用できるかというと、外国のデータに基づくものが多く、本書でもたびたび出てくる「外部妥当性の問題」があるため、よくわからないのは残念なところ。もっとも、著者のいうエビデンス・ベースという話は、米国はともかく、アフリカの研究結果については、Morten Jervenの『Poor Numbers』を読むと、そもそもどこまで信用に足りるのか、怪しく思えるが。

  • Amazonのレビューで「親は真に受けすぎないように。教育関係者はよく読め」というのがあって、まさにその通り、と思った次第。
    教育経済学、そして海外のデータに基づいた子育て・子どもの教育について「こうするといい」ということが並べられていて、確かに子どもを持つ親として参考になるのですが、この通りにできないからといって思い悩むのでは本末転倒。親としては数ある子育て本の一つとして参考にする、くらいの気持ちで接するのがよいスタンスかなと思います。
    と言いつつ、どうやって褒めればよいのか、ご褒美はどうあげればいいのか、勉強させるにはどうしたらいいのか、など(実践できるかはさておき)参考になることが多かったのも事実。
    というかね、「特に母親が娘に勉強しなさいというのは逆効果」とかね、自分の身に覚えがありすぎですよ。
    自分の身を振り返りつつ、日本の教育関係者の皆様に置かれましては、データに基づいた政策ってのを早めにちゃんと取り入れていただけますよう、お願いします。

  • 教育経済学の入門書として最適。教育に関わる問題を経済学の手法を使って、エビデンスに基づいて分析。僕も似たような本をイノベーションやアントレプレナーシップ分野で書いてみたい、と思うような本でした。

  • 本書は教育経済学の啓蒙書であると同時に、最新の実証研究結果も纏められている本である。著者の説明は分かりやすく、今日の教育経済学の重要性が理解できるものとなっている。
    教育政策や家庭教育がこのような科学的根拠に基づいて決定されることは重要である。確かに、データはあるがまだ明らかにされていないことや、データ化されておらず明らかにされていないこともあるため、科学的根拠が全てだと言い切ってしまうのは時期尚早である。しかしながら、既にある科学的根拠を利用することは、それを利用しないことよりも有用であることは明らかである。
    個人的な関心事は、今後教育に関するデータのアベイラビリティが増していったと仮定して、本書で用いられているような定量的な科学的根拠はより重要視される一方で、データが開示されない、ないしはデータがない分野において、定性分析がどれだけ説得力を持つのか、ということである。教育における定性分析は、これからが本当の試金石であると言える。
    また、著者は科学的根拠とひとくくりに言っても信頼度がモノによることを的確に指摘している。私自身も、科学的根拠ということばを乱用しているケースを見たことがあり、この指摘は特に重要だと考える。

    総じて、言うまでもなく本書は良書であると言える。

全23件中 1 - 23件を表示

外部サイトの商品情報・レビュー

「学力」の経済学を本棚に「読み終わった」で登録しているひと

「学力」の経済学はこんな電子書籍です

「学力」の経済学の単行本(ソフトカバー)

ツイートする