ローマ法王に米を食べさせた男 過疎の村を救ったスーパー公務員は何をしたか? (講談社+α新書) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • いゃ〜、とても面白かった!

    「ローマ法王に米を食べさせた男」何なん?と思い、手に取って読み始めたら、まぁ面白い。

    タイトルの意味も読めばわかります。ビジネスパーソンならどんな業種の方にも役立つ思考が実例満載、心に響く言葉満載です♪

    こんな出会いがあるから、読書は面白い!

    オススメです♪

  • 著者は非常に尖っている。だから、(大人気ない)上司に睨まれ、疎まれたりしている。それでも、部署異動にめげず、不屈の精神で市長に全て事後報告の「「後出しじゃんけん法」という公務員ではありえないやり方」を認めさせ、「空き農地・空き農家情報バンク制度」、「棚田オーナー制度」、「烏帽子親農家制度」、神子原米のブランド化の成功、と次々農村集落の活性化を実現していく。まさにスーパー公務員だ。

    読んでいてうんざりしたのが、農家の人たちの新しいことに常に反対する保守的、閉鎖的で意固地なマインド。それを根気と率先垂範で崩していった著者はとにかく凄い! 「人を動かしていくためには、とにかくやってみせて、次にやってもらって、本人が納得しないと、絶対に動かないんですよ。」と言うのは簡単だが、罵声を浴びながら心が折れることなくやりきる精神力は半端ない。著者が市の職員であるとともに僧侶でもある、ということを知って納得した。

    著者のモットーは、「可能性の無視は、最大の悪策である」。そして、反対ばかりするマイナス思考のヤツ、自ら実践しようとしない評論家、保身に汲々として責任追及ばかりするヤツらへは、聞くふりしてスルーするという。世の中、それでは収まらないケースが圧倒的に多いと思うが、著者は、実績を積み重ねることで周りを黙らせてきたのだろう。実力や実績が伴って初めて有効な戦法だ。

    「私心のない生き方、利他の生き方なんでしょうね。人生は一回しかないんだから、独断、独走、大いにけっこう。外から見ると破天荒に映っても、変わり者と呼ばれてもかまわない。自分が信じたことを腹をくくってやりましょう。」と言い切る著者の生き方、(真似できるかどうかは別として)素晴らしいと思った。「ゴーイング(強引)マイウェイ」という言葉もなかなかいいな。

    著者が推奨している、肥料や農薬、除草剤をいっさい使わない自然栽培にも興味津々。自然栽培で作った果物や野菜は腐らずに枯れていくというが、本当だったら凄い。すりおろしたリンゴが一晩経っても変色しないかどうか、自分でも確かめてみたい。

    羽咋の氣多大社に残る古縁起書にUFOを目撃した記録が残っているというし、自然栽培の大家、木村秋則さんもUFOに乗ったという。UFOに纏わる話も気になる。

  • めちゃくちゃ面白かった!そしてやる気が出た!
    響く言葉満載で我が家の本棚に必要な本。

    初読書で一番響いた言葉は「うまく行かないのは今までのやり方が間違っていたから」。
    そうなんです、そうなんだけどなかなかそうは思えないんです。
    今までのやり方を上手くできない自分が悪いと思っちゃうんです。
    こうして言い切ってもらえて気持ちが軽くなりました。

  • 目的達成のために次から次へと出てくるアイディアと行動力に脱帽。

    そして一番学びたいのはコミュニケーション能力。

    農家の定収入をJAの怠慢と批判している一方で、JAと協力して自然栽培の農作物を作ろうとタッグを組んでいるところにその能力が発揮されている。

    批判の仕方が上手いのか、常に自分の気持ちに正直にまっすぐに突き進んでいることが相手に伝わっているのか・・・。
    相手の悪いところを批判しながらも、いざとなったら協働することもできるなら、本当にいい仕事の仕方ができるだろうと思う。

    この本からたくさんのことを学べた。
    問題は、著者が言うように、行動に移せるかどうかだ。

  • 「要するにストーリー性なんですね。神子原米を買ったお客様が、これはどうでこうでと人に話したり蘊蓄を傾けたくなる商品にしたかったんです。」

    石川県羽咋市の公務員が行った数々の地域活性政策。
    地方へ人を呼ぶとしても、お客様として迎えずに面接をする。でなければ、あちらは来てやったんだと傲慢になり、馴染めない。

    人を動かすには、まず自分がやってみせる。そうすれば、人は動く。人は何かをしない言い訳を考える天才である。働かない人ほどその能力は高い。

    神子原米。ローマ法皇に献上し、その知名度を一気にあげた。最初からうまくいったわけではない。アメリカ大統領にも手紙を出している。いろんな人に出している。物事は簡単に進まない。

    この本だけを読むと、変革は簡単に思われる。いろんな事象が全部うまくいっているように思われる。が、もちろん違う。大変な努力があったであろう。著者はまさにスーパー公務員である。公務員がこんなに頑張っているのは驚きだ。

    実際に、寺の駅に行ってみた。思ったより小さかった。しかし、そこで働いているおばあちゃんたちは楽しそうだった。神子原米が食べれらなかったのはとても残念だった。

    コスモアイル羽咋にも行った。中身に関して0からこれらを作ったのはすごいと思う。大きな規模ではないが、宇宙に関する品物が集めれている。月の石にも触れられる。

  • 地域振興としても読めるし、人を動かすにはどうすべきかというビジネス的視点からも読める良書。
    これから公務員を退職されて会社経営を行うとあるが、自然栽培を広めるこの取り組みに大いに期待する。

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著者プロフィール

1955年、石川県羽咋市生まれ。科学ジャーナリスト、日蓮宗妙法寺第四十一世住職、立正大学客員教授
テレビの企画構成作家として『11PM』『プレステージ』などを手がけた後、1984年に羽咋市役所臨時職員になり、NASAやロシア宇宙局から本物の帰還カプセル、ロケット等を買い付けて、宇宙科学博物館「コスモアイル羽咋」を造り、話題になる。1990年に正式に職員となり、2005年、農林水産課に勤務していた時に、過疎高齢化が問題となった同市神子原地区を、年間予算わずか60万円で立てなおすプロジェクトに着手。神子原米のブランド化とローマ法王への献上、Iターン若者の誘致、農家経営の直売所「神子の里」の開設による農家の高収入化などで4年後に“限界集落”からの脱却に成功させる。2011年より自然栽培米の実践にも着手。2016年4月から立正大学客員教授、新潟経営大学特別客員教授、妙成寺統括顧問や富山県氷見市で地方創生アドバイザーなどとしても活躍。著書に『ローマ法王に米を食べさせた男』(講談社+α新書)、『頭を下げない仕事術』(宝島社)。

「2016年 『日本農業再生論 「自然栽培」革命で日本は世界一になる!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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