多数決を疑う 社会的選択理論とは何か (岩波新書) [Kindle]

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著者 : 坂井豊貴
  • 岩波書店 (2015年4月21日発売)
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (158ページ)

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多数決を疑う 社会的選択理論とは何か (岩波新書)の感想・レビュー・書評

  • 2015年、選挙権年齢を18歳以上へ引き下げることが決定されました。候補者の一覧を手に入れ、所属政党やマニュフェスト、過去の経歴を確認し、この人はこの点が良い、この人はここがダメ、などと評価を付け投票に臨むことと思います。

    しかし、なぜ選挙では「当選させたい人物を一人選ぶ」ことしかできないのだろう?と疑問に思ったことはないでしょうか。

    本書の前半では、多数決、すなわち、当選させたい人物を一人選ぶ方法、以外で実際に当選者が選ばれた例が紹介され、それぞれの長所と短所が述べられています。他の選択の方法と比較して、多数決の強みや弱みを客観的に眺める体験は、推薦者には新鮮でした。また、決して、著者の政治的信条を押し付ける類の本ではない点も好感を持てます。
    選挙=多数決、という固定観念を脱したい人にぜひおすすめしたい一冊です。

  • イギリスのEU離脱を決めた国民投票の後に知人が勧めていたので気になっていた。米大統領戦がトランプの勝利に終わったのをきっかけにいよいよ選挙というものがよくわからなくなり読んでみる。

    筆者は多数決への疑いから始めて、さまざまな集約ルールやメカニズムについて考察し、それらをどこで、どのように使っていけばよいかを問う。
    さらに筆者は憲法改正の国民投票の充足要件の妥当性や、そもそも行政の裁量で投票という形で国民が意思表示をする機会を与えられない点についても問題を指摘する。
    多数決方式の選挙の問題点をまなび、ボルダルールはじめとする代替手段についてそれを実際に国政選挙に使っている国があることを初めて知った。「多数決よりも公平な選挙方法がありえる」なんてこと考えたこともなかった。
    筆者は特に言及しないが、沖縄の基地問題は「多数決による意思決定」を用いてはいけないと思った。

  • 多数決が不完全なものであると同時に、改善案が数多あり各々特徴があることが論じられている。社会的選択理論という学問は、社会科学の中では一風変わった様相だが、その考察及び示唆は極めて社会科学の価値を示すものである。
    内容はそこそこ難しいが、筆者の独特な、しかしテンポある文体が読み手を飽きさせず、社会的選択理論の魅力をとくと表現したものとなっており内容に比べて読みやすいと思う。
    選挙を前にしてこの本を一読してみて良かったと思う。

  • 集団での意思決定としては、多数決が当たり前だと思っていましたが、それを覆すような内容でした。多数決以外の決定方法について、また完璧なものは理論上でしか存在しないということも述べられています。現在の政治上での決定の問題点など、あまり気にかけていなかった部分があります。それ故か一部の人間の意志で進められてきている現状について、知っておく必要があると思いました。多数決も含めて、意思決定の手段は、あくまでツールであり、それをどのように使うのかが重要であるということだと思います。

  • 「自分のことを自分で決めさせろという希求は、自分のことは自分で決められるはずだとういう期待に基づいている。この期待はそれが自分に可能だという、希望の発露の一種である。
    こうした意思を「自分」でなく、「自分たち」に適用したとき、それは民主制を求める思考の基盤となる。」
    社会選択理論のごく基礎的なところを紹介。多数決の欠点から始まり、代替案としてのボルダルールやコンドルセ・ヤングの最尤法を検討。さらにルソーの一般意志やアローの不可能性定理、メカニズムデザインなど、民主制にかかる基礎的概念から民主制を実現する技術論までを考察する。
    民主主義に多少なりとも関心があるなら当然知っているよね、という最低限のものでとくに目新しさはない。しかし、最低限であるからこそ、その価値があるとも言える。本書を読んでから日本の政治・選挙を振り返れば、政治家も有権者もいかに最低限すら理解できていないかがよくわかる。せめて最低限くらいは理解すること、民主主義の恩恵を享受する者の責務だと思う。

  • 民主制のもとで選挙が果たす重要性を考えれば、多数決を安易に採用するのは、思考停止というより、もはや文化的奇習の一種である。

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