天皇の料理番 [DVD]

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出演 : 佐藤 健  黒木 華 
  • アミューズ (2015年11月27日発売)
  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4527427659254

天皇の料理番 [DVD]の感想・レビュー・書評

  • 何をやっても長続きしない田舎のやっかい者の少年が
    友や師匠や愛する人に支えられ
    いつしか料理の道を歩み、
    明治から昭和の激動の時代を生き抜き、
    ついには「天皇の料理番」にまで上り詰めていく史実に基づく人間ドラマ。


    ふ~っ、録画したものを一気に観ました。
    いやぁ~、面白かった!
    なんと濃密な全12話か。

    堺正章主演の名ドラマ「天皇の料理番(1980)」はおぼろげな記憶しかないけど、
    本作は「JIN -仁-」「白夜行」「とんび」などを手掛けた森下佳子さんの脚本がよく練れてるなぁ~と思いました。

    明治後期から昭和にかけての当時の街並みを完全再現したセットがスゴいし、
    パリでのロケを敢行し、撮影だけで半年をかけたという
    このドラマに賭ける役者陣の本気度とスタッフの熱量がヒシヒシと伝わってくる繊細で丁寧な作り。
    (やわらかな福井弁にもほっこりします)

    最終回が近づくに連れて
    毎回さだまさしの主題歌が流れる頃になると
    涙が抑えきれず大変でした(汗)( >_<)


    初めて食べたカツレツに猛烈に感動し、料理の道へと歩んでゆく秋山篤蔵(とくぞう)を
    長い髪をバッサリ切り丸坊主にし、 
    クルクルとめまぐるしく動く表情で
    16歳から84歳までを演じきった佐藤健が本当に上手かった。

    一切の妥協を許さず、圧倒的なアクションは何よりも雄弁に語るのだということを体現してみせた
    映画「るろうに剣心」の役者魂にもドギモを抜かれたけど、
    このドラマでも不器用だけど一途な癇癪持ちの男を
    躍動感溢れる演技で好演していたし、
    (とにかくよく走る走る!)
    料理人になりきった見事な包丁捌きも見せてくれます。
    (じゃがいもをペティナイフだけで「シャトーの形に剥く」 シーンの鮮やかなこと。相当練習してないとコレはムリです)


    そして篤蔵と見合いをし、
    大日本帝国一のコックになると
    東京へ旅立っていった彼の将来を思い一度は別れるものの
    一途に彼を想い、生涯篤蔵を支え続けていく高浜俊子を演ずるのは、
    若手演技派女優筆頭株の黒木 華。

    新婚初夜に必死でタラコ唇を練習する姿やジュテームの意味を篤蔵に尋ねるシーンは可愛かったし、
    何かと篤蔵を庇う俊子がホンマいい子なんですよ(T_T)
    降りしきる雪の中、篤蔵の将来を思い、初めて俊子から別れを切り出すシーンや
    亡くなる間際に篤蔵に鈴を預けるシーンには涙、涙でした。

    ベルリン国際映画祭最優秀女優賞を穫った「小さいおうち」でも思ったけど、
    まだ25歳と若いのに
    黒木さんは着物姿で子供を背負った姿がよく似合うんですね(笑)
    明治の時代が似合う女優と言っても過言じゃないくらい(笑)
    一本芯を持ちつつも古式ゆかしく、
    つつましく節度を持った古風な女性が本当にピッタリでした。

    そして東京の大学に進学し弁護士になる夢を持つものの
    志し半ばで病に倒れる篤蔵の兄、秋山周太郎を
    みるみるやつれていく驚愕のデニーロ・アプローチで演じたのは、
    常に役に同化するストイックで真摯な若
    手俳優、鈴木亮平。

    篤蔵の行く末を誰よりも気にかけ、
    国のために身を捧げようとしていた周太朗の無念を考えると本当に悔しいし、涙が溢れてくる…。
    (10月に映画公開される人気漫画の実写化「俺物語!!」でも30キロ体重を増量し、今度は郷田猛男になりきってます!)

    他には、篤蔵に料理は「まごころ」だと教える一流西洋料理店・華族会館料理長の宇佐美鎌市には
    大人の色気ムンムンのベテラン俳優、小林薫。
    僕はこの宇佐美さんというキャラが大好きで
    彼が絡むシーンはどれも好きだし、
    寡黙な料理人だからこその
    切実で重い言葉が胸を刺すんですよ(T_T)


    来る日も来る日も洗い物や雑用ばかりの日々に嫌気がさした篤蔵は、
    早く一人前になりたくて宇佐美さんのレシピ帖を盗みます。
    そして紆余曲折があって盗んだレシピをこっそり返しに行くんですが、
    そのときに篤蔵に言った宇佐美さんの
    言葉がすごく印象的。

    「料理はまごころだ。
    技術は追いつかないこともある。
    食材は望み通りにいかないこともある。
    けど、まごころだけはてめえ次第で
    いつでも最高のものを出すことができる。
    爪を短くすること。鍋を丁寧に洗うこと。皿を磨くこと。包丁を整えること。
    そういうことは確実にできる。
    それすらできん奴はまともな料理を作れるとは俺には思えない。
    教えないのは覚えないからだ。
    親切に貰ったものより、てめえで必死になって盗んだもののほうが
    人は大事にする。
    だから教えない。」

    篤蔵が料理に一番大事なものは
    技術や要領ではなく「まごころ」だと初めて理解した、
    本当にいいシーンでした。

    他にも、 華族会館をクビになり、
    町の小さな洋食屋「バンザイ軒」で住み込みで働きながら腕を上げ、篤蔵がパリへ修行に行くことが決まった日。
    訪ねてきた宇佐美さんに
    普通のカレーを作って初めて誉められ、
    宇佐美さんが自分の包丁を篤蔵に預け、日本人の「まごころ」を見せつけて来いと言ったシーンも
    かなりグッときました。
    (てか、涙腺崩壊でした!)

    セリフに説得力があるから
    小林薫が絡むと絶対泣けるんよなぁ~(T_T)
    ホンマずるいわ~(笑)


    篤蔵の父を演じた杉本哲太、母親役の美保純、口うるさく何かと細かい俊子の父を完璧に演じた名脇役の日野陽仁、
    周太朗や篤蔵の良き理解者である日本大学法律科の桐塚教授には武田鉄矢。
    篤蔵にカツレツをふるまい料理人を目指すキッカケを作った軍隊のコック・田辺には伊藤英明。
    篤蔵を支え続ける親友で、絵描きを目指す松井新太郎には桐谷健太、嫉妬心から友達である篤蔵を裏切る山上辰吉を上手く演じた柄本 佑、
    バンザイ軒の主人を飄々と演じた佐藤蛾次郎(懐かしい!)、色気が襦袢(じゅばん)を着たような(笑)バンザイ軒の色っぽい女将を演じた高岡早紀など、
    本当にキャストがみな上手かったし、役に対する愛を感じたし、
    その思いがドラマに深みを与えてくれていました。


    記憶に残る名シーンが数限りなくあるドラマだったけど、
    個人的には篤蔵が天皇の料理番になるまでの
    華族会館やバンザイ軒での下積み時代のパートが一番面白く思えたし、記憶に残っています。

    人種差別に苦しみながらも、
    篤蔵の見事な包丁さばきと
    宇佐美さん譲りの「まごころ」がパリで認められるシーンは
    日本人に生まれて良かったと
    自分のことのように誇らしかったなぁ~。

    パリでの5年の修行のあと、26歳にして厨司長として
    天皇の料理を任される篤蔵。
    厨房では音を出さないよう気をつかなければならないし、
    「切る」は忌み言葉なので
    果物は切らずにそのまま出さなければならなかったり、
    しきたりの多さに戸惑う日々。

    そんな中、御即位の礼の大饗に
    二千人分のザリガニ料理を作るため、
    宇佐美さん以下華族会館時代の
    昔の仲間を集めるシーンも良かった。

    当時、関東大震災での被災者への炊き出しを宮内省が率先して行っていたことや、
    戦時中天皇陛下も庶民と同じ配給された質素な食材しか食べていなかったことには驚いたし、
    日本人の天皇に対する考え方を
    日本人が当たり前に食べている味噌に例えた宇佐美さんのシーンも印象的でした。


    鯖江連隊のデミグラカツレツ、
    ライスカレー、カニコロッケ、エスカルゴ、
    俊子に初めて作ったチキンカツ、
    篤蔵初のオリジナル料理「バンザイ軒のフランスカレエ」、
    お年寄りが食べやすいように篤蔵が考案した「挽き肉ステーキ」、
    ザリガニのポタージュ(臭みはないのかな?)と
    インパクト抜群の「富士山のアイスクリーム」、
    ごま油で揚げた屋台の天ぷら、
    俊子の最後の晩餐となった篤蔵お手製の「蕎麦がき」、
    GHQをもてなした鴨の瓦焼きなど、
    目にも嬉しい料理の数々にも注目です。


    料理人の社会的地位が低かった時代に
    (父親が料理人というだけでイジメられたり)、
    己の腕一本で26歳にして天皇の料理番を勤め上げるまでに成長し、
    職業としての料理人の地位を輝かせた男の話は
    いわばパイオニアの話。
    なんの職種にせよ、周囲の荒波に負けず自分を信じて、
    道なき道を切り開いていった人の話は
    強く胸を打ちます。

    先入観で見逃してしまうには
    あまりに惜しい良質なドラマです。
    料理好き、食べることが好きな人、
    古き良き明治時代に興味がある人、
    雌伏のときを経て
    主人公がのし上がっていくストーリーに目がない人、
    流行を追った軽いだけのドラマにうんざりしてる人なら
    楽しめると思いますよ。


    ★コレを見れば絶対に本編が観たくなる(笑)
    『ストーリー of 天皇の料理番』↓
    https://www.youtube.com/watch?v=xZUT7VNYj3I&feature=youtube_gdata_player

  • 明治の御一新も遠くなった福井県で、次々に夢中になるモノを見つけては3ヶ月で飽きてしまう篤蔵は近所でも評判のろくでなしで”ろく蔵”と呼ばれていた。
    寺からも追い出されて帰ってきた彼を父はいっそ結婚でもさせればまともになるだろうと、鯖江の昆布屋に婿養子に出す。

    妻の俊子はかなり地味な女だったが、しっかりもので健気な様子に夢中になり、仕事にも精を出す。しかし、連隊の厨房に昆布を届けた時シェフに食べさせてもらったビフカツのうまさに徳蔵は西洋料理の虜になる。
    やがてサボっているのがばれ、一人で東京へ料理人になるために出奔。東京の兄を頼り、やがて華族会館の調理場に務め始める。厳しい下働に辟易するも、日本一の料理人になるという兄との約束と料理長の宇佐美の”料理は真心”という言葉、俊子の妊娠も相まって、タブーである他店での掛け持ちをしながら、腕をメキメキと上げていく。

    やがて同僚の嫉妬から嘘がばれ、華族会館をクビになるが、肺結核にかかった兄の後押しもあり、フランスへの留学資金を父が出してくれることに。
    俊子は流産し、結婚1ヶ月で置き去りにした篤蔵と離婚することになる。

    フランス行きのため修行し、パリに着いた篤蔵はまた小僧から始めることに。先輩のフランス人シェフにバカにされたり差別もあるが、歌手志望の明るいフランソワーズと恋に落ち、華族会館時代の優しい画家志望の先輩・新太郎とも再会し居候され、やがてホテルリッツに勤めるまでになる。
    そこへ天皇の料理番としての仕事が舞い込み、結婚しようと誘ったフランソワーズに一度はOKをもらうも、直前で断られ、一人日本へ帰国し、宮内省大膳寮の厨司長に弱冠26歳にして就任する。

    まずは外国要人含め2,000人を招いた晩餐会での食事を成功させなければならない。
    困難を乗り越え、一等国としての西洋料理を出さねばならない、その使命を果たした手紙を読んで、夢を後押しし続けてくれた兄は静かに逝ってしまう。
    嘆く篤蔵に俊子は自分は長生きすると言って、二人は再婚することに。
    子供が3人生まれ、子供が小さい時は仕事を言えず、料理人の身分が低く、荒くれ者が多かったことからバカにされたり、関東大震災で炊き出しをしたり、最愛の妻俊子が病気で亡くなったり、戦争と空襲、戦後のGHQから天皇を裁判にかけることから救おうと必死に接待したり…ろく蔵と呼ばれ、なかなか好きなことが定まらず、短気ですぐにカッとなる男が天皇の料理番として激動の時代を生きた物語。

    日本の西洋料理の基礎を築いた実在の人物・秋山徳蔵をモデルにしたお話。人間臭く、お調子者で短気でチビで、でも料理に一生懸命に邁進する、とても面白いお話だった。製作陣がJINのスタッフだったこともあり、吉原のシーンや映像の撮り方なんかが、少し似ていたけど、その壮大さが物語に合っていて良かった。
    もう3回くらいはドラマ化されているらしいけど、知らなかったのでこんな人がいたことを知れて良かった。

  • 明治の半ば、福井県の少年 秋山篤蔵が出会った一枚のカツレツが人生を決定付ける。
    裸一貫で西洋料理の道に進み、パリの一流ホテルで修業し、そののち宮内省の主厨長、いわゆる天皇の料理番として、日本の料理界の頂点に立った男の苦闘と栄光の軌跡を描く(amazonより抜粋)

    泣きました。
    何回も泣きました。
    こんなに気持ち良く泣けたのは久しぶりのドラマ。
    名作だと思います。

  • 小説もこれより前のドラマ化も見たことがない状態で見た。

    兎に角丁寧に作られていることが感じられた。
    後で秋山氏のエッセイを読んだが、実際の経歴がふんだんに織り交ぜられ
    純真で真っ直ぐで真心を丁寧にするお人柄と
    それを自分のものにして「秋山篤蔵」とした佐藤健さんの凄さを
    改めて感じた。

    このドラマの為に包丁を持ち歩いて収録の合間も練習を欠かさなかった
    という佐藤健さん。
    吹き替えなしの包丁さばきはそれだけで見応えがあるレベル。
    この真摯な役への向き合い方が、秋山というキャラクターを
    嘘のないものへ昇華している。

    また、妻役の黒木華さんも素晴らしかった。
    おとなしく、自分のことを美人ではないと思っている俊子。
    篤蔵の為に身を引き、晴れて一緒になった後も篤蔵の仕事に対する姿勢を
    尊重し続けた、古き好き時代の女性を押し付けがましくなく
    柔らかに体現。
    実話である鈴のシーンなども本当に素晴らしかった。

    その他脇役の人たちが皆素晴らしい。
    特筆すべきは兄役の鈴木亮平さんか。
    優しく厳しく駄目な弟を見守ってくれているお兄さんは
    とても当たり役であると思ったし、
    死を目前にそれに合わせて最終的に20kgの減量という
    鬼気迫る役作りも圧倒される。

    脚本や演出もまた良かった。
    突然破門になって戻される描写から始まり
    駄目男だった篤蔵が料理に惚れ込むまでの過程を丁寧に描き
    本当に酷い男なのに憎めないキャラクターに仕上げた上で
    スピーディーな展開でパリ留学を描き
    一人の男の成長、そして陳腐でない恋模様、友情と
    飽きず納得のいく内容。
    封筒を裏返してもう一度使うような小さな描写なども
    丁寧で良かった。

    笑いあり涙あり、久し振りにこんなに見応えのある
    素晴らしいドラマを見たと思った。

  • 毎週号泣でした…。佐藤健くん黒木華ちゃん、いい役者だなぁ。仕事に打ち込む旦那さんを全力で支える妻になりたい。。

  • ドラマの世界に引き込まれた。

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