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感想・レビュー・書評
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熊楠のいわゆる南方曼荼羅についての著者の解説を読んで、私なりに以下のように理解した。
「物不思議」とは物理学など自然科学によって理解できる領域、「心不思議」とは心理学など人文科学によって理解できる領域、「事不思議」とは社会科学によって理解できる領域、である。通常の近代科学ではここまでである。南方曼荼羅図のヌ線より下部の曲線と直線が複雑に交差する部分である。
しかしそれ以外に、「理不思議」と名づける推論、予知、第六巻など近代合理主義では認められない方法によってのみ知ることのできる領域が存在する。これは、南方曼荼羅図のヌ線とル線の間の領域である。
さらに、その外部に、人間の知恵では理解不可能な「大不思議」と名づける領域が存在する。これは全宇宙の大部分である。これはル線の上部の領域である。
このように理解すると、ヌ線とル線は、円形状に描くことが適切であろう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
南方熊楠の生涯を辿った一冊。アメリカ、イギリス、そして和歌山、と彼が過ごした時代ごとに思想的な変遷が分かりやすくまとまっている。柳田國男が「日本人の可能性の極限」と称賛した南方の生き様、精神世界、人々の交流が膨大な資料を渉猟しながら明らかにされる。
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