- Amazon.co.jp ・電子書籍 (556ページ)
感想・レビュー・書評
-
この本はピケティよりも後なのかしら、特に調べてないけど。
ピケティが流行るまでもなく、なんとなく資本主義の限界を日本人は感じていると思う。
一時はGDPが世界2位になり、東京の地価でアメリカ全土を買えると言われた国にあって、みんなあまり幸せそうではない。
さらに、人々が資本主義に限界を感じる様になった一因として、インターネットの発展がある様に思う。
なぜなら、インターネットの発展によって、誰もが情報を発信できる様になり、その結果それまでメディアにあまり取り上げられなかった、資本主義によって虐げられた人達の生の声がインターネットと言うメディアに溢れる様になった。そして、当事者でない人も虐げられた人の声を聞く機会が増えたからだ。
まぁ、そんな面倒なこと考えなくても、バブル崩壊とか、リーマンショックとか体験してると、「あれ?なんか変やな。資本主義で社会が発展して幸せになるはずが、不幸になっている人が結構いてるな。」とか思うのではないだろうか。
そして、そんな時代に資本主義の限界をテーマに生まれたのが、この人類資金と言う小説だ。
資本主義が限界だと言う話とよくセットになってテクノロジーの発展によって、資本主義だけでは実現できなかった善意や人柄なんかの見える化、数値化ができるのではないかという話を見かける。
ただ、その話は基本的に先進国でしいたけられている層(所謂負け組)に恩恵があるというもので、世界規模で置いていかれている、発展できなかった国家に住んでいる人のことは考えられていない。ように見える。話の筋が違うだけかもしれないが。
ただ、この小説ではその負け組国家に資本を呼び込む方法が示されている。と言う点で私としては目新しいアイディアだった。
勿論、そのまま実現するのは色々問題があるだろうが、資本主義に取り残された半分の世界に未だ見ぬ才能が眠っていることは間違いなく、人類はそういった才能を無駄なく拾い上げられないと先がない。
私個人としては、肝になるのは情報インフラと教育だと考えている、この話の中では暢人がどっちもガッツリ抑えてたね。
でこっからは、小説の感想なんだけど。
美由紀は結局「みんな」で待ってんのかいと、まぁ、お話的に自然な流れだけどさ、ちょっとひねっても、ちょっとねじれても良かったと思う。
にしても、最終巻流石に熱いシーンが多かった。
3回は泣いたね(心の中で)、ヤクザの座敷のシーンや、1巻に出てきてそのままだった仲間たちがでてきたところ、暢彦の活躍シーンとか、真舟のゲームが終了するところどのシーンも印象に残る良いシーンでした。
そして、所々に出てきては笑かしてくれる酒田のおっさんがいい感じだった。ホント最後まで非常に楽しめる小説でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
人類資金最終巻
読み応えのある内容
何が世界を変えていくか考えさせられる -
終わったー。長くまった、まあ、個人的にはよかった、エピローグでM資金のMは。。。。。いい。