きのう何食べた?(1) (モーニングコミックス) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 「昨日何食べた?」
    何気ない一言から始まる本作品では、LGBTQと言って最近市民権を得てきているマイノリティを扱っている。

    同居している二人の男性パートナーが主人公。
    この作品の見所はやはり筧の作る料理だろう。どれも芸が細かいし、栄養のバランスもきっちりしている。味噌を使ったおかずを作るときは味噌汁ではなくスープにする。野菜は底値で旬のものを使う。クリスマスには、パートナーのリクエストに答え手の込んだ料理を作る。このように、もちろん背伸びすれば真似できなくないけれど、きめ細やかに淡々と楽しそうに毎日の料理を作っていく。
    良く、ゲイの方は、家庭力が高いというが、確かに僕の知り合いもケーキを手作りするし、美味しいお店を良く知っている。この辺は丁寧に作られていると思った。

    加えて、僕は同性愛者ではないけれど、良く耳にするあるあるが随所に盛り込まれている。
    例えば、筧がゲイだと伝えた時に、「ダメよお父さん そんな優しい事言ったらこの人お父さんのこと好きになっちゃう!!」と勘違いされてしまうシーン。ゲイの方曰く、見境なく誰でも好きになるわけじゃないのだ。だから筧はキレていた。
    筧が過去に女性と付き合っていたというシーンも、これは映画「ボヘミアンラプソディ」のフレディマーキューがそうであったし、三島由紀夫も女性と結婚して子供を作ったが美輪明宏に恋していたことからもわかるように、同性愛者の悩みの一つだ。
    他にもハッテン場(公園)とか新宿二丁目とか、ネタにされるワードもバッチリ使われいる。
    このように、丁寧に読むとマイノリティ理解になるツボを押さえている。

    「ヤンキーくんと白杖ガール」もツボを押さえた良作だが(これもいつかレビューを書きたい)、本作品も素直に読める良い作品だった。

  • DVDを見て、ストーリーや出てくる料理にひかれ、漫画の方も読んでみました。
    DVDと同じストーリー、というか、DVDが原作に忠実に描かれているのかもしれませんが。レシピが書かれているのもいいですね。

  • シロさんこと筧史郎とケンジの漫画。二人が付き合うようになったのは些細なことの連続でだったけれど、ゲイに対して辛くあたったり、親までもが子供を信じられなくなったりするという事実に胸が痛みました。ちゃんと現実も書いていて分かりやすいです。
    ご飯は美味しそう。二人の何気ない会話にもくすっと笑えます。ケンジみたいになんでも美味しく食べてくれる人には作りがいがあるだろうなぁと感じました。

  • 【美味しい漫画】
    お家で食べる食事を大切にしたくなります。
    自分で作った食事で身体が作られる安心感。誰かと食べる楽しさ。食材を買うことで培われる経済観念。なんか、健康と貯金は自炊で作れるって感じます。
    ビシッと食材を使い切るとか、お得なお買物で食べたかった献立が作れたとか、手際良く何品も作れたとか、料理でストレス解消されたなーって感じる部分の共感性も高い。作家さんの漫画は、ご本人がグルメなこともあり、どれも食べ物の表現が美味しそうだと思いますが、これは集大成だと思います。
    時々、漫画見ながらおかず作ってます。料理本としてもよいです。
    恋愛漫画ではないなー。パートナーと暮らしてるし、親も出てくるけど、家族ものでもない。
    人情とか友情は感じるけど、やっぱり、料理がメインです。

  • ドラマが話題だったので読んでみた。面白かった&お腹空く。
    ゲイカップルって聞くとなんとなく下世話な話を想像してしまうけど、何でなんだろう。自分が低俗な人間だからなのかな・・・男女カップルと聞いても別にそんなことないのに。
    ゲイカップルにも普通の日常があるという当たり前の大事なことを気付かせてくれる本だった。

  • ドラマやるし無料やってたので試し読み。
    ごはんすっごく美味しそう。おかず多くて結構手間もかかる系レシピなんだよな〜。わたしもシロさん(西島秀俊)が家にいたらまっすぐ家に帰るよ!!

  • 何回読み返せば気がすむんだ!な、何食べで。コミックは手放したけど、料理本としては手頃なので買い直した話はさておき。ゲイのカップルの日常ご飯を淡々と描いた漫画。これだけは映像にしてほしくないなーも、さておき。「仕事で案件をひとつキレイに落着させたくらいの充実感を一日に一回も味わえるなんて夕飯作りって偉大だよ」弁護士のシロさんの楽しみでもある料理。確かに料理が上手にできた時は同感。「知ってるからって、わかってくれるわけじゃありませんから」このころのシロさんはまだまだ頑な。それもまた新鮮だし、そんなもんだよ。

  • 購入済み 読了

    紙の本でほしいかも!

  • 長らく愛読する週刊モーニングで、連載開始時からリアルタイムで愛読中のシリーズ。一方の妻は、テレビドラマの放送を観てすっかりハマり、劇場版映画は夫婦で鑑賞。コミック単行本は妻が買い始め、おそらく最新刊まで読み続ける見込み。
    ...その流れで、妻が買い求めた単行本初巻をあらためて読んでみると、コレがやっぱり面白い。これはなんていうのだろう。テーマとしてはまさしく今風のLGBTQを扱っているとも云えるのだが、リアルでセクシャルな描写(例えば「濡れ場」とか)を殆ど出さず、その手の表現や展開が苦手な読者でも難なく楽しく読める。
    新人作家の連載物だと、連載初期と最新版とでは画力や画風が大きく異なり、続けて読むとやや違和感を感じることも少なくないが、本著者の本作ではそれが全く無い。
    ただ唯一の難を挙げると、ドラマ化されたテレビで観る方が、様々な料理の作り方やレシピがビジュアルにもとても分かり易く工夫されているのに比べ、原作のコミックでは、料理のレシピの描写がやや過度に解説的で細か過ぎる印象が否めない。
    テレビドラマもシーズン2を数え、続編(3)の放送もきっとありそう。
    それも楽しみに、連載やコミックも読み続けていきたい。

  • ゲイのカップル、シロさんとケンジの日常をシロさんが作る夕食の献立とレシピを主に紹介しているコミックです。

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著者プロフィール

東京都生まれ。代表作の『西洋骨董洋菓子店』は2002年、第26回(平成14年度)講談社漫画賞少女部門受賞。2006年、第5回(2005年度)センス・オブ・ジェンダー賞特別賞、第10回(平成18年度)文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞。ほかの作品に、『大奥』『フラワー・オブ・ライフ』『愛がなくても喰ってゆけます』『愛すべき娘たち』『こどもの体温』などがある。


「2022年 『きのう何食べた?(20)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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