老人と海 [Kindle]

  • 佐和出版
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感想・レビュー・書評

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  • 素晴らしい。登場人物、2人。海の上、老人は一人。なにを思っていたのか。心にずっと残る感覚はなんだろう。誰もが老人なのかもしれない。
    こんなに読みやすいとは思わなかった。死ぬ前に読めて幸運だった。

  • 他の訳は読んでいません。
    特段描写が細かいというわけではないのだが不思議と鮮やかに光景を想像できる。
    老人がなんども同じことを考える(塩を持って来ればよかった、とかあいつを連れてくればよかった、とか)ことなど、心の動きにも妙にリアリティを感じる。

    本作は中編であり、作中での3日ほど(だったかな)の時間を、読者は1,2時間ほどで体験することになるわけだが、上記の不思議な鮮やかさも相まってか他人の見た夢を見せてもらったような感覚。
    一晩中釣り糸(ロープ)をつかんだまま、であったり獲物に船を曳かれて何十時間も移動を続けるであったりというのは、
    老人の不屈の闘志を表現している一方で、現実離れしているようでもあり、これまた夢のようなのだ。そして手に入れたものがどんどんこぼれ落ちていく感触も。

    作品は老人が夢を見ている場面で終わるが、個人的には この作品全体が老人の見た夢なのでは?と想像して楽しんだりした。

著者プロフィール

Ernest Hemingway
1899年、シカゴ近郊オークパークで生まれる。高校で執筆活動に勤しみ、学内新聞に多くの記事を書き、学内文芸誌には3本の短編小説が掲載された。卒業後に職を得た新聞社を退職し、傷病兵運搬車の運転手として赴いたイタリア戦線で被弾し、肉体だけでなく精神にも深い傷を負って、生の向こうに常に死を意識するようになる。新聞記者として文章鍛錬を受けたため、文体は基本的には単文で短く簡潔なのを特徴とする。希土戦争、スペインでの闘牛見物、アフリカでのサファリ体験、スペイン内戦、第二次世界大戦、彼が好んで出かけたところには絶えず激烈な死があった。長編小説、『日はまた昇る』、『武器よさらば』、『誰がために鐘は鳴る』といった傑作も、背後に不穏な死の気配が漂っている。彼の才能は、長編より短編小説でこそ発揮されたと評価する向きがある。とくにアフリカとスペイン内戦を舞台にした1930年代に発表した中・短編小説は、死を扱う短編作家として円熟の域にまで達しており、読み応えがある。1945年度のノーベル文学賞の受賞対象になった『老人と海』では死は遠ざけられ、人間の究極的な生き方そのものに焦点が当てられ、ヘミングウェイの作品群のなかでは異色の作品といえる。1961年7月2日、ケチャムの自宅で猟銃による非業の最期を遂げた。

「2023年 『挿し絵入り版 老人と海』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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