恐怖分子 デジタルリマスター版 [DVD]

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監督 : エドワード・ヤン 
出演 : コラ・ミャオ  リー・リーチュン  チン・スーチェ  クー・パオミン  ワン・アン 
  • Happinet(SB)(D) (2015年11月3日発売)
  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4907953061835

恐怖分子 デジタルリマスター版 [DVD]の感想・レビュー・書評

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  • 80年代の台湾映画。
    カメラマンを目指す若者が、警察のガサ入れにあった賭場から混血の少女が逃げ出す瞬間を撮影し、名も知らぬその少女が忘れられなくなる。
    一方、ある医師は課長への昇進を期待し、その妻は小説家として行き詰まりを感じていた。

    無関係だった人々を一本に繋いだ線が、脇役だった人物を貫き、人生の歯車が逆回転を始める。
    どうしようもないやるせなさが残る佳作。

    風景や風俗が日本の80年代そのままで、当時から台湾には日本の文化が流入していたんだなと驚いた。
    街の風景の中に並ぶ映画の看板に「新・里見八犬伝」もあって、これって深作欣二監督だったのかと新発見。

  • 映像の撮り方がとっても良かった。
    電気をつけるシーン、暗室のシーン、病院から去るシーン、ちょっとフランス映画っぽい感じもしたけれど、アジア的な猥雑さを残しつつ、それを軽やかにまとめていると思った。

    小説の中の世界と現実の世界がどう交わるのか、なかなか判然としなかったけれど、最後に意味のある形で交わってその点でも斬新だった。

    小説の中を小説として終わらせる、もしくはそれを現実と交わらせることをしないことは簡単だけど、それをせず、妻の見る理想的な姿の夫、そしてそれを現実には達せられないという形でまとめているのが斬新だった。

  • 個人的に少し静か過ぎて盛り上がるのに時間がかかったけど、盛り上がってからは作品に惹きこまれた。コラ・ミャオとリー・リーチュンの夫婦ふたりのエピソードが面白かった。特にリー・リーチュンの演技は複雑な感情を感じさせる。映画のラストも印象的。

  • 暗い室内の窓から見える風景、揺れる白いカーテン、分割して壁に貼られた大きな写真が風に揺れる瞬間、金持ちの青年が持つたくさんのカメラ、白いブラウスを着てサングラスをつけて街頭に立つハーフの娘、聞こえてくるアメリカのポップス、モーテルで女が男を刺すシーンの画面外からの唐突な運動、オフィスで男が女に詰め寄るシーン。演出をコテコテにせず、かといってスカスカでもない。細部に宿る映画的豊かさが今作にある。

    いくつものエピソードが平行して語られていくうちに、一つの意図にたぐりよせられていく。ホウシャオシェンの古典的な画面作りと鮮烈な抒情とは異なる現代性をそなえている。写真家の少年や女流小説家、出版社の若社長、病院のさえないインターン。日本のテレビドラマあたりで不倫モノにそのまま出てきそうな風俗的な人物にあふれていながら、登場ぶりや退場ぶりが映画的で、偶然と必然が巧みに同居している。

    事件を捜査する中年の刑事が何とも良い。ヤクザそっくりの役者で、銃声に思わず腰をかがめるほかの警官たちの臆病をよそに、発砲される方向にさえ無頓着なまま指揮をとる有様など、いまの日本映画はいまだこうしたアジア系の顔を活用してない。しかし、この刑事がどうやら独身のしがない下宿生活をしていることが後半で明らかになり、その下宿で、妻を寝取られたインターン氏と酒を飲み合う光景など、妙に心にしみいる。風俗の念入りな描写と現代生活の不条理の滑稽さをたくみに味付けしている。絵で見せると同時に物語りでも見せるという映画本来の上質な通俗性がある。

    【ストーリー】
    台北。夜明けの街で、銃声に続きパトカーのサイレンの音が響く。アマチュア・カメラマンのシャオチャン(リウ・ミン)は、恋人のシャオウェン(ホアン・チアチン)を置いて外に飛び出す。不良たちのアジトの古アパートが、警察の手入れを受けたのだ。クー警部(クー・パオミン)率いる警察隊に包囲されたビルの裏から、混血の不良少女、シューアン(ワン・アン)が飛び降りる。足を痛めながらも現場から逃げる彼女の姿を、シャオチャンはカメラに収める。同じ頃、スランプに苦しむ小説家のイーフェン(コラ・ミャオ)は、医師の夫リーチュン(リー・リーチョン)を送り出す。仕事だけが生きがいのリーチュンは、病院で課長のポストを狙って画策中。イーフェンは昔の勤め先を訪ね、元恋人のシェン(チン・シーチェ)と旧交を温め合う。一方、シューアンは収容された先の病院から母親に連れ出され、家に閉じ込められている。苛立つ彼女はいたずら電話を始めた。電話帳で見つけた適当な相手に、脅し文句を並べ立てるシューアン。彼女を撮影したシャオチャンは、これがもとでシャオウェンと喧嘩して、空き部屋になっていた例の古アパートに引っ越す。イーフェンはシェンとよりを戻し、一夜を共にするが、スランプは続く。その矢先、偶然にもシューアンのいたずら電話にイーフェンは出てしまう。リーチュンに話があると脅迫をほのめかす謎の女に不安を抱いたイーフェンは、シェンを呼び出し、相手が指定した場所へ。そこはあの古アパートで、出てきたシャオチャンを見て、イーフェンは立ち去り、そのまま家に帰らなかった。行方不明の妻を心配したリーチュンは、友人だったクー警部に相談する。イーフェンは数日で戻ったが、別居話を切り出す。良き夫と自負していたリーチュンは困惑し悲しむが、彼女を止められない。一方、シューアンは家から抜け出て、ナンパした男とホテルへ。ところが相手の財布を盗んだ現場を見つかって、はずみで男を刺して逃げる。逃げ場と踏んだアジトを訪れた彼女は、シャオチャンに会う。風邪をひいていたシューアンをシャオチャンは看病し、彼女からいたずら電話の一件を聞く。一夜を共にした後、シューアンは不良仲間と立ち去った。シャオチャンは裕福な実家に戻り、兵役通知を受取り、シャオウェンとよりを戻す。しばらくして、イーフェンの苦心の新作が文学賞を受賞、彼女は一躍時の人に。内容は、ある怪電話をきっかけに破綻するすれ違い夫婦のドラマだった。テレビで彼女を見たシャオチャンは、リーチュンに連絡を取り、彼に“真相”を話す。リーチュンはイーフェンに会い、“真相”を話し、彼女を連れ戻そうとするが拒否される。課長もポストも手に入らず、絶望するリーチュン。リーチュンはクーを訪ね、二人で酒をくみ交わす。「課長になった」と嬉しそうに語るリーチュン。夜明け。クーは高いびき、起き上がったリーチュンの目に涙が伝う_リーチュンの主任が路上で射殺される。目を覚したクーは拳銃とリーチュンが消えたのに気づく。リーチュンはイーフェンとシェンのもとへ赴き、シェンを撃ち、イーフェンに威嚇の一弾を浴びせる。そして、シューアンを見つけ、ホテルの一室で対峙する。身構える二人。その時駆けつけたクーがドアを蹴破る_銃声が響く。クーが目を覚ます。彼は浴室で、頭を拳銃で撃ち抜いて自殺したリーチュンを見つける。同じ頃、目覚めたイーフェンは吐き気に襲われる。
    台湾の首都・台北を舞台に、偶然に交錯し合う3組の男女の姿を通して、図らずも他人を傷つけながら生きる、都会人の殺伐たる生きざまを描いた一編。犯罪、いたずら電話、夫婦の不和、不倫といった都会ならではの事象を、鋭敏なタッチで切り取る、緻密な映像と繊細な音響処理が見どころ。監督は本作で“台湾ニューウェーヴ”の頂点に立った、「エドワード・ヤンの恋愛時代」(94)のエドワード・ヤンの監督第4作。製作はリン・ドンフェイ。脚本はヤンと、台湾を代表する若手小説家で、“台湾ニューウェーヴ”の諸作に参加したシャオ・イエ、当時は映画批評家で、のちに監督に転身した「宝島/トレジャー・アイランド」のチェン・クォフー(演出顧問も兼任)の共同。音楽はウォン・シャオリャンで、主題歌を台湾の人気歌手で、当時ヤンの夫人でもあったツァイ・チンが歌っている。出演はヒロインの「望郷/ボートピープル」「夜明けのスローボート」などのコラ・ミャオに加え、「暗戀桃花源」のリー・リーチュン、チン・シーチェ、クー・パオミンら台湾の実力派俳優らが脇を固める。86年台湾金馬奨グランプリはじめ、各国の映画祭で絶賛された。日本ではスタジオ200ほかでの特別上映、および95年のレーザーディスク発売(その後廃盤)のみだったが、今回が劇場初公開。

  • 4.0

  • 何より、本作のストーリーが好き。結末を複数見せているが、作為的ではなく、必然性が感じられて、良かった。のみならず、映像の企みも面白かった。不良少女が、かつて出入りしていたいかがわしい部屋の鍵を開けると、中が真っ暗な暗室になっていて、電灯をつけたとたん、壁にモザイク状に貼られた自分の巨大な写真が視界に入り気を失うシーンなど、もう死ぬまで忘れないだろう。またその写真が、彼女の去ったあと、風にめくれあがる映像にも心うたれた。

  • TERRORIZERS
    1986年 台湾+香港
    監督:エドワード・ヤン
    出演:コラ・ミャオ/リー・リーチュン
    http://kyofubunshi.com/

    アマチュアカメラマンの青年とその彼女、偶然彼が撮影した不良少女、その少女が当てずっぽうのいたずら電話で脅した女性作家、彼女の夫と、浮気相手。一見無関係な人々の運命が、きまぐれに交差して破綻してゆく。

    クーリンチェ~より前の、エドワードヤンの初期作品。日本で公開された時点ですでに10年前の映画だったけれど、それでも視点や映像に古さは感じず、センスを感じた。

    (1996/10/16)文芸座2

  • 堪え性のない私にはこの淡々とした雰囲気と長さは苦痛でした。映画に入り込めずに終始もどかしく、部外者のまま冷めた目で観てしまいラストにカタルシスもないまま。
    アートに見る目が必要なように、この映画も人を選ぶような気がします。退廃的な感じはいいんですけど。

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