八雲立つ 2 (白泉社文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  •  すでに連載開始から 20 年以上経っていることに今さら気づき、ショックを受けるなど。切ない。

     いつの間にかなんとなく自分のなかで、樹なつみさんは『パッション・パレード』と『OZ』の人というイメージが強くなってしまっていたのだけど、そもそも『パッション・パレード』の始まりは「蛍たちは笑う」でしたよ、などということを、さらに今さらのように思い出した。『トランシルヴァニア・アップル』あたりからどはまりした方なのだけど、「蛍たちは笑う」で自分の性癖を暴かれたようなもの。閉ざされた地の因習まみれの旧家で起こるどろどろ劇とか、当時の自分の大好物でした。

     この話でも、あちこちに出てくる歳を重ねた女性たちの姿がいちいちツボで。家族間の泥くさい愛憎とか、血痕まみれの家屋とか、自分の大好物で溢れかえっていて、むしろ驚くぐらいなのだけど、そもそもこういうエピソード群をがつがつ書いてくださるから好きだったのだと思い出す。

     七地と闇己は、役割が入れ替わった霖と零なのだなぁと、今さらのように思うなど。霖・零コンビの好きなところは、それぞれの役割が固定してしまっていなくて、場面やエピソードごとにイニシャティブをとる側が入れ替わることなのだけれども、七地・闇己コンビにもそれと似たものを感じる。霖・零コンビに比べると、闇己が背負わされているものが大きすぎるようにも思ったんだけど、七地の白属性が霖とは比べものにならないぐらい強く見えて、やっぱり良いバランスだなぁと思う。

     あと、妙に大人びている部分はありながらも、基本的には高校生というラインから絶対に外れないのだなぁという印象も、妙に安心感があるというか、いい。

     それはそれとして、闇己が一段上から睥睨する感じの絵がとても好き。平伏すわ。

     そして、最後に脩さんに触れておく。めっちゃ好み。
    力的には主人公を含む中心人物にかなわないのだけれども、場の見守り役的な立ち位置で登場。めっちゃ好きです。

  • 闇己の面がまえに騙されるが、なんだかんだいって彼はまだ高校生で、どんな育ち方をしても宗主として責任を背負ってる身としてもまだまだ未熟なんだよな。「あなたはただ怖がってるだけだ!!どうして怖がるんだ!なぜおれ達を信用しない!!」七地も簡単に信用しろ。というが、そうそう簡単に信用してたら身がもたないと思いつつ。七地の単純さがうらやましくもある。「男と女の事って…黒白で割り切れるものじゃないだろ?」酸いも甘いもまだまだな七地がいうか。と突っ込みたくなるが、そうだよねー。

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