<面白さ>の研究 世界観エンタメはなぜブームを生むのか (角川新書) [Kindle]
- KADOKAWA (2015年8月10日発売)
- Amazon.co.jp ・電子書籍 (244ページ)
感想・レビュー・書評
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近年ヒットするエンタメ作品には、観客をその世界観に誘う何かを持っている。新たな世界観への没入感、つまりその世界に住まう居住感。それこそが快感であり、ヒットの源。共感を呼ぶような描写によって人はその世界に向かう事ができるけど、一方で新たな刺激も求めているというジレンマもある。
何となく全体像は納得できたけど、個々までしっかり分かったとは言い難い。恥ずかしながら読んだことの無い作品が多く挙げられていたため、「なるほど〜」ってならなかった。文章もなんか難しい。出色、具象、などなどあまり使わない単語もよく使われている。私の教養不足は間違いなくあるにしても、調べる回数が多かった。
読まれる目線で書いて欲しいな〜、と思う本でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
読者の共感し体感として存在出来る世界観体験。難しい。
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文化人類学者であり漫画家でもある著者が「世界観エンタメ」が面白い理由を分析した本。
本書のいう「世界観エンタメ」とは、人間(キャラ)よりも作品世界を優先して描いている作品のことを指します。本書では『スター・ウォーズ』や『ワンピース』、『半沢直樹』などの作品を事例に、世界観エンタメを分析しています。
世界観エンタメ作品がヒットするには、「人間的現実(人間が具体的な環境を感覚で捉え、解釈できるもの)」を描き出せることがポイントになります。人間的現実が描けることで作家と読者・視聴者の間でコミュニケーションが成立して、作品の面白さが伝わるようになります。 -
文化人類学者にして漫画家である著者が、その特殊な立ち位置から「エンタメ」を分析されています。有名な作品の中で、「世界観」を着眼点にその作品と世間のつながり方、そしてその歴史的な分析をされていて、エンタメに対しての見方に新しいものを得ることができました。成功しているエンタメと、文化人類学者との知見の類似点を、実際の作品や人物の具体的な分析により提示され、その流れの中で、今のエンタメも進化してきたということがわかり(本人たちにその意識があるなしに関わらず)面白いと思わされました。ここで挙げられている作品を、そう言った観点で見て読んでみたいと思いました。