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- / ISBN・EAN: 4532612615687
感想・レビュー・書評
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これは、ハラハラ、ドキドキ、ソワソワする作品。特に、一家が惨殺され、セラが帰ってきた際、床に割れたガラスが転がっているのだが、一度目はそれを絶妙にかわし、しかし逃走する二度目は思い切り踏んで足を切ってしまう。しかも、それらをとらえるキャメラは、ローアングルで床と足しか写さない。うまい。怖い。
うまく見せない、という点では、セラが惨殺に気づかずに、一晩を過ごすときは、転がる遺体の全容をキャメラがとらえようとせず、手や足など一部分にとどめ、セラが気づいた後に遺体の状況を出している。こうした、不可視/可視の区別も、やはりフライシャー、巧みである。
それと、気づいたのだが、全盲なので当たり前だが、POVカットが一つもない。見えないので、当たり前だが。
【ストーリー】
その日、セラ(M・ファロー)はバークシャーにある叔父の家に帰ってきた。彼女は盲目だったが、邸内は何不自由なく歩くことができた。翌朝セラは、競争馬の厩舎を管理している恋人のスティーブ(N・エシュリー)に会いにいった。
彼は元気になって戻ってきたセラとの再会を喜び、すぐ乗馬に誘った。彼女はすぐになれ、盲目になる以前のように一人で走らせることができた。夕方になって家に戻ってきたが、人の気配が全然しなかった。だが、朝でかけるとき、叔父一家が外出して遅くなると聞いていたので何も心配しなかった。
一人でコーヒーをいれ、眠ってしまった。夜中に眼をさましたセラは同室にいるはずのいとこのサンディ(D・グレイスン)を呼んでみたが答えなかった。彼女は皆眠っているのだと思い、再びベッドに入った。翌朝早く、スティーブが馬を連れてやってきた。二人は草原まで馬をとばしぞんぶんに乗馬を楽しんで、家に帰ってきた。しかし、家は誰もいないかのように静かだった。
彼女は入浴するために、バスにお湯を入れようとして手を入れた途端、悲鳴をあげた。手にふれたのは叔父の死体だった。サンディはベッドで殺されており叔母も殺されていた。恐怖心がセラを襲い、彼女は気を失った。数時間後、気を取り戻したセラは、今度は庭師のパーカーの死体にぶつかった。その傍にはブレスレットが落ちていた。そのとき、誰かが窓をこじあけて入ってきた。男はブレスレットを探しているようだった。セラは隙をみて外にかけだし、馬に乗って厩舎を眼ざして走った。だが、木にぶつかり放りだされてしまった。
盲目の彼女にとって方向は全くわからなかった。木にぶつかり、根元に足をとられながら傷だらけになってやっとジプシーのキャンプにたどりついた。しかし彼らは、セラが持っているブレスレットを見ると彼女を廃鉱の中にとじこめた。一方、馬だけが戻ってきたのを不思議に思ったスティーブは、車でセラを探して廻った。
やっとのことでセラを発見したスティーブは、ジプシーのことを聞くと仲間を呼び銃を持ってキャンプに向った。唯一の証拠品であるブレスレットにはJACKOと彫られていた。犯人はジプシー仲間のジャッコ(P・ニコラス)だった。
スティーブはすぐさま厩舎に引き返した。セラの面倒を見るようにジャッコを残してきたのだ。セラはジャッコに押さえつけられバスの中につけられて意識はもうろうだった。ジャッコは逮捕され、セラを恐怖のどん底につき落した恐ろしい事件も解決した。
人里離れた郊外にまきおこる一家惨殺事件の鍵を握る盲目の少女が追われるミステリー編。製作はマーティン・ランソホフ、レスリー・リンダー、監督はリチャード・フライシャー、脚本はブライアン・クレメンス、撮影はジェリー・フィッシャー・音楽はエルマー・バーンステイン、編集はセルマ・コネルが各々担当。出演はミア・ファロー、ドロシー・アリソン、ロビン・ベイリー、ダイアン・グレイスン、ブライアン・ロウリンスンなど。