ダンジョン飯 2巻 (HARTA COMIX) [Kindle]

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  • KADOKAWA
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  • 『待ってろドラゴン、ステーキにしてやる!』

    一千年前に滅びた黄金の国の王が
    ある日小さな村の地下墓地の底から現れた。
    かつて栄華を誇ったその国は狂乱の魔術師によって、
    地下深く今なお囚われ続けているという。
    「魔術師を倒した者には我が国のすべてを与えよう」
    そう言い残して男は塵となって消えた。
    その言葉に惹かれ、黄金城を手に入れるため、
    地下ダンジョンに入る勇気ある冒険者たち。
    そんな中、主人公のライオス一行は、 ダンジョン深層で伝説のレッドドラゴンに挑むも、
    空腹からチームプレイに乱れが生じ、ライオスをかばった妹のファリンがレッドドラゴンに丸呑みされてしまう。
    金銭に食料、そして何人かの仲間を失ったライオス一行は
    果たして妹のファリンが消化されるまでに
    無事彼女を救出できるのか?


    そう、冒険すればお腹が減る。
    ダンジョンをさまよう勇者たちとてそれは同じ。
    寂しい懐具合から
    迷宮内で魔物(モンスター)を倒し自給自足することにした主人公たちの
    腹ぺこダンジョンファンタジーのはじまりはじまり~(笑)

    九井諒子、初の長編ということで漫画も一時どこの書店でも手には入らないくらいバカ売れして話題になってますが、
    なんといっても発想がワザありですよね(笑)

    アドベンチャーとグルメを掛け合わせたのも面白いし、
    冒険をするために魔物を倒すのではなく、
    食べるために魔物を倒していくのがなんとも斬新なのです。
    (戦う前から「この魔物はどんな味がするんだろう」とか
    倒したらもれなく料理方法を考えたり、食べることありきでストーリーが進んでいきます笑)

    そして一度でもRPGのアドベンチャーゲームをしたことのある人であればニヤリとできるお決まり世界観や
    RPGのあるあるエピソードが満載なのも読者がハマる魅力なのかも。
    (一体一体、詳細に描かれた魔物たちの生態設定も、有り得ない物語に説得力やリアリティを生む効果をもたらしてます)


    実は前々から魔物を食してみたかった(笑)、
    ど天然な主人公の青年ライオス。
    金属の鎧に身を包んだ普通の人間。

    迷宮内でライオスを守るため
    真っ赤な鱗のドラゴンに食べられたライオスの妹のファリン。

    攻撃から蘇生、解呪など様々な魔法を使える
    妖精エルフ族の少女、マルシル。
    パーティーの中で最も常識的な性格で、木製の杖と編み込んだ金髪のロングヘアーがトレードマーク。

    扉や罠を解除する鍵師の青年チルチャック。
    背が低く幼い少年のような外見だが実は29歳で、性格は穏やか。

    迷宮内で10年以上魔物料理の研究をしている
    ドワーフ族の髭もじゃおじさんのセンシ。
    夢はレッドドラゴンを調理すること!(笑)

    みんなそれぞれ一癖も二癖もあるキャラなんだけど、
    中でもヒゲもじゃ顔でバイキングのような鎧を頭にかぶったセンシのキャラが面白い!
    魔法生物ゴーレムを勝手に畑代わりに使っていたり、 
    ダンジョン各所にあるトイレの糞尿を回収して肥料に使ってたり、食べるためにはやりたい放題(笑)
    魔法を嫌い、性格もKYだけど
    サバイバル能力に優れていて食べること以外は無頓着なので、
    世間知らずな学者という感じで
    なぜか憎めないのです。
    (チビでずんぐりむっくりな容姿も可愛い)

    そしてなるべくなら見た目にグロいものは食べたくないと願う
    エルフ族の少女、マルシルの
    「お腹は減っているけど魔物料理はイヤ~」という
    乙女心の葛藤が笑えます(笑)


    人間に吸い付き窒息死させるスライムを干したものと
    歩き茸と大サソリを入れた
    サソリ鍋の水炊き。

    ビタミンたっぷりの人喰い植物のタルト。

    胴はニワトリ、尾はヘビのバジリスクの腹に香草を詰め込んでじっくり焼いた
    ローストバジリスク。

    見た目にも美味な
    マンドレイク(根っこが人型の植物)とバジリスクのベーコンを使ったオムレツ。

    ダンジョン内の罠を利用して作った(笑)
    マンドレイクのかき揚げと大蝙(おおこうもり)の天ぷら。

    背中を耕した畑でとれたキャベツや人参、ジャガイモ、玉ねぎ、かぶなどの野菜をふんだんに使った
    ゴーレム畑の新鮮野菜ランチ。


    など、一応グルメ漫画だけに(笑)
    スライムにドラゴン、歩くキノコ、亜人や巨大植物、鎧のお化けなど、
    食べてみなければ食べれるかどうかさえ分からない(笑)
    気味の悪いグロテスクな魔物たちを
    ライオスたちがどう料理していくのかが最大の見どころです。
    (ちゃ~んとレシピも付いてます笑)


    他にも、センシがゴーレムという泥と土と石で人間を模した魔法生物を倒して
    背中を畑代わりに使ってるのは笑ったし、
    動く鎧とライオスの手に汗握る対決や
    ライオスが絵の中にワザと取り込まれて
    描かれた食べ物を食べてくる話はかなり面白かった。

    仲の悪かったセンシとマルシルが少しだけ心通わせた水棲馬のエピソードや
    地上を追われ地下で生活するしかなかったオークの家族との触れ合いのエピソードもいい話で
    異人種との共生など
    意外とこの漫画、いろんなことを考えさせてくれます。

    グルメ漫画の側面は勿論ですが、
    ギャグ漫画としてもファンタジーとしても良くできているのは、
    デビューから様々なジャンルのショートショートを手がけてきた天才・九井諒子だからこそ。


    只今2巻が出たところなので
    まだ間に合います!(笑)
    ちょっと変わった世界観の漫画が好きな人、
    ゲーム好き、ドラクエ好き、RPG好き、ゲテモノ料理好き(笑)、
    カルトドラマ『“勇者ヨシヒコ”シリーズ』にハマった人に
    特にオススメします(笑)

    • darkavengersさん
      たくさんの花丸とコメントありがとうございます。

      色々と買わなければならないDVDが発売されるので結局Blu-rayプレイヤーを買うの...
      たくさんの花丸とコメントありがとうございます。

      色々と買わなければならないDVDが発売されるので結局Blu-rayプレイヤーを買うのは暫くお預けとなりました。(泣)
      ワカコ酒アニメ版はいつになったら観れる事やら……

      ダンジョン飯、自分も読んでますが2巻では若干雰囲気が変わり今後の展開が気になります。
      この作品も近い内にアニメ化される気がします。

      孤独のグルメ、自分の所では今ようやく Season4やっている最中でSeason5をやるのはヘタをすればDVD-BOXが発売される頃という……
      まあ、今回もDVDが出るまでの我慢です(笑)

      これから寒くなってきますが体調には気をつけてください。
      と、言っている自分は9月下旬から風邪をひき最悪でした(笑)
      2015/10/18
  • 2巻に入っても基本は同じ。現れたモンスターを倒し、調理担当のメンバーが薀蓄を披露しながら調理する。しかし、モンスターを食材としているのに、どうしてこうも美味そうなんだろう? 
    今回は1巻よりはストーリーに深みもあり、なるほどと思わせる部分が多かった。最初の頃は白っぽかったコマも、かなり描き込まれていて好感が持てる。
    でもなあ……。全14巻、図書館に入るはずもなく、購入すると1万円を超えてしまう。なんとか安く続きを読む方法はないかな。

  • ブクログのおすすめ欄に出ていたのを見てKindleで1,2巻を大人買い。面白い!

    ダンジョンでの冒険?物なのだけれど、テイストが本棚食堂的(笑)。「ドラゴンに食われてしまった妹を、仲間とともに助けに行く」という目的は冒険物のようだけれど、この物語の真の目的は「ダンジョンで得られる食材を使ってのグルメ漫画」。主人公と、たまたま出会った食の師匠みたいな人の食ヲタク度合いがシュール(笑)。妹を助ける熱血主人公かと思いきや、食に関してのめり込むサイコパスな主人公。食以外のことには殆ど関心がない(笑)。たまに妹のことを思い出すけど、どうも妹のことは二の次のような気がしてならない(笑)。

    仲間として同行するエルフが唯一の一般感覚の持ち主で、読者の代弁として、いちいち驚いてくれて読みやすい。

    出来上がった料理について、レシピと栄養バランスがレシピ本みたいに書いてあるのがシュールで素敵(笑)。

  • ダンジョン飯2 2015

    2015年8月12日電子版ver1.0発行
    著者 九井諒子
    初出 第1話〜第7話 ハルタ11号〜17号
    おまけ 描き下ろし

    『ダンジョン飯』(ダンジョンめし)は、九井諒子による日本の漫画作品。年10回刊漫画誌『ハルタ』(KADOKAWA)にてvolume11からvolume107まで連載。著者初の長編連載作品

    概要
    登場人物が、古典的ファンタジー作品に登場する様々なモンスターを現実に存在する調理方法によってその場で料理しながらダンジョンを踏破していくという、アドベンチャーとグルメを混交させた作風の、グルメ・ファンタジー漫画。スライムやマンドラゴラ、バジリスクやゴーレムといった、ファンタジー作品では定番のモンスターの生態を改めて論理的に考察し、それに基づき「いかに調理すれば美味に食べられるか」を主眼に置いている。作中で作られた料理にはレシピが記載され、そのことによってファンタジーでありながらリアリティー、説得力を生じさせている。

    2016年の8月には3巻の発売を記念し、1巻収録の第1話に登場する「大サソリと歩き茸の水炊き」の食品サンプルが、同年9月には2巻第10話の「天然おいしい宝虫のおやつ」と13話の「ミミックの塩茹で」の食品サンプルが制作され、東京・大阪・徳島のイベント会場にて展示された。

    2019年9月5日、TRIGGER制作による8巻の発売を告知するアニメCM動画がYouTubeで公開された。この動画にはスタッフクレジットが入っていなかったが、ファンからの要望を受け、スタッフクレジット追加版も同年9月14日に公開された。
    2023年12月時点で累計発行部数は1000万部以上を記録している。
    2022年8月10日(12巻の発売日)、テレビアニメ化が発表された。詳細は後述。
    同じく2022年8月10日、カードゲーム『モンスターイーター 〜ダンジョン飯 ボードゲーム〜』の制作が発表され、2022年9月15日にアークライトから発売された。カードゲーム『モンスターメーカー』をダンジョン飯の世界観に合わせてリメイクしたもので、原作者である鈴木銀一郎より生前に許諾を受けたうえでカナイセイジがデザインを担当している。

    賞歴
    2015年度コミックナタリー大賞 第1位
    このマンガがすごい!2016(宝島社) オトコ編1位
    THE BEST MANGA 2016 このマンガを読め! 第1位
    全国書店員が選んだおすすめコミック2016年度 第1位
    Amazon ランキング大賞2016 Kindle本コミック 1位(※第3巻)

    あらすじ
    ある日、とある離島の墓地の壁から地下へと延びる巨大な空洞が出現した。そこから王を自称する朽ちかけた男が這い出て、一千年の昔に滅亡したはずの“黄金の国”の存在を明かし、王国は“狂乱の魔術師”によって地下に囚われ続けているため、元凶である魔術師を討伐した者には国の全てを与えると言い残し、塵芥となって消えた。その言葉に魅かれ、魔物が跋扈するダンジョンを踏破しようと多くの冒険者が乗り込む時代が幕を開けた。

    6人パーティを組む冒険者ライオス一行は、ダンジョン探索中に食料を失い、空腹のままレッドドラゴンに挑むことになる。その結果、パーティは実力を十分に発揮できず壊滅状態となるが、ライオスの妹ファリンがドラゴンに食われながら使った脱出魔法により、他のメンバーはかろうじて地上へと逃れた。ファリンの肉体がドラゴンに消化される前に救い出し、魔法によって蘇生させるため、すぐにでもファリン救出に向かいたいライオスだったが、シュローとナマリがパーティを離脱してしまう。パーティを解散し、単身でダンジョンに挑もうとするライオスを見かねたマルシルとチルチャックが協力を申し出、あらためて3人のパーティが結成された。残る問題は探索に必要な食糧だったが、ライオスは食料の現地調達、つまりダンジョンに巣食うモンスターを食材とすると言う、とんでもないアイディアを披露する。

    マルシルの激しい拒絶にも構わず、ライオスは手近な食材を集めて即席で料理を拵えようとするものの、適切な調理法を知らず難儀していると、その場に通りかかったセンシが手助けを申し出て見事な手際で調理を行い、その魔物料理の美味さにライオスたちは驚く。魔物食に一家言を持つセンシは一行の目的を聞き、レッドドラゴンが料理できる可能性に惹かれ、新たな仲間となった。 かくしてライオス一行は、モンスターを食べながら、ダンジョンを踏破していくことになる。

    様々な苦難を乗り越え、地下5階に辿りついた一行は、ファリンを取り戻すべく再度レッドドラゴンに挑戦、手酷い傷を負いながらも討伐に成功する。消化され骨だけになっていたファリンのため、マルシルは禁忌とされる古代魔術を執行し、レッドドラゴンの死体の血肉を元に、蘇生に成功する。

    再会を喜び合ったのも束の間、蘇生にレッドドラゴンの肉体を使った影響で、ファリンはレッドドラゴンの主である「狂乱の魔術師」シスルに支配されてしまう。態勢を立て直すべく地上へ戻ろうとしたライオス一行が、彼らとは別にファリンを救うべく故郷の者たちを呼び寄せたシュローの一行、シュローに救われたカブルー一行と合流したところへ、下半身がドラゴンのキメラと化したファリンが襲いかかり、シュローとカブルーの一行の大半が死亡するほどの被害を受ける。死者たちを蘇生したシュロー、カブルーは地上へ戻り、ライオス達が禁忌を犯したと報告することとなり、そのため地上へ戻れなくなったライオスたちはファリンを再び救うべく、狂乱の魔術師の討伐を固く決意し、ダンジョンの探索を続けることになる。

    シュローの元から逃亡したイヅツミと行動を共にすることとなったライオスたちは、迷宮を彷徨う亡霊に招かれ、黄金城を遠くに望む謎の空間にある村へやってくる。そこでは黄金の国の住民たちが、狂乱の魔術師の呪縛によって、老いることも死ぬこともないまま一千年の時を過ごしていた。住民たちや王の孫であるヤアドは、国の守り神である翼獅子の予言もあり、新たなる王となるべき人物としてライオスたちにこの国の行く末を託し、その後、夢の中で翼獅子と会話したライオスは、そのことを強く意識することとなる。 またセンシの発案で、狂乱の魔術師を倒しファリンのドラゴンの部分の肉を食べれば、ファリンを元の人間に戻せる可能性に思い至り、希望を見出す。

    一方カブルーは、島にやってきたカナリア隊と接触していた。彼らはダンジョンを危険視し、制圧することを目的とするエルフの一隊で、狂乱の魔術師を実力を発揮しきれない低階層におびき出し、彼が呼び出したファリンともども打ち倒そうとするが、様々な思惑からカブルーはそれを阻止し、カナリア隊のミスルン隊長と共に地下6階へ落下する。救出を待つ間にダンジョンの隠された真実を知ったカブルーは、ライオス一行がダンジョンを攻略する危険性に気づく。その後、地上から救援が到着するが、近くにライオス一行がいると気付いたカブルーはライオス一行を追うことを決め、カブルーの思惑を察したミスルンとカナリア隊も後を追う。

    ライオス一行は前人未踏のダンジョン最下層へ到達。立ちはだかるボーパルバニーやファリンキメラを倒し、遂にシスルの隠れ家に到着する。待ち構えていたシスルがドラゴンを召喚し一行は全滅しかけるものの、唯一生き残ったライオスは持ち前の知識を活かし、ドラゴンの攻撃をかいくぐってシスルを捕らえることに成功し、説得による和解を試みる。しかし正常な思考のできないシスルは厚意のつもりでライオスを拘束し、その隙を突いて悪魔の本性を現した翼獅子が、シスルの千年分の欲望を食べ尽くす。廃人と化する間際、シスルは最期の希望を託してマルシルを蘇生させ、マルシルの術によって全員が復活する。翼獅子の封印を解く直前、カブルーとミスルン率いるカナリア隊が隠れ家に到着。尋問のためマルシル以外は催眠術をかけられ、孤軍奮闘するマルシルとカナリア隊の悶着の末、マルシルが翼獅子の封印を解き迷宮の主となってしまう。

    迷宮の主となったマルシルが迷宮の形を作り替えたため、迷宮内にいた冒険者たちやカナリア隊、オークたちは大混乱に陥る。彼らは迷宮の主となった(と推測された)ライオスの扱いを巡って対立。シュローとナマリは真相を知るため、カナリア隊は迷宮を封じるためライオスの行方を追う。同じ頃、ライオスは迷宮の力に良くないものを感じるがマルシルの説得に失敗、マルシルの許から逃げ出す。マルシルは邪魔なカナリア隊と戦うべく、魔物を率いて地上を目指すが、迷宮の“上方”に開けた突破口から迷宮が世界を覆い始め、悪魔が世界を支配するのは時間の問題となっていた。逃げ出したライオスたちはカブルーやシュローたちと合流、マルシルが迷宮の主となったことを伝え翼獅子の正体が悪魔だと知らされると、再度マルシルを説得し悪魔を倒すため、マルシルと合流する。しかしマルシルは翼獅子によって抑制心を失い、悲願を果たすことしか考えられなくなっていた。ライオスたちはマルシルの気を逸らして時間を稼ぎつつ、彼女の悲願の無謀さと迷宮の力の歪さを説き、遂にマルシルの説得に成功する。しかし迷宮の主を辞める方法は、主となった者が死ぬか悪魔を倒すしか残されていなかった。

    翼獅子と対話する中でとある点に気付いたライオスは、悪魔を倒した暁には迷宮にいる全員に食事を振る舞うという約束をとりつけ、翼獅子との対決に向かう。そしてマルシルに替わって迷宮の主となったライオスだったが、彼が願う「悪魔がこの世からいなくなること」も「ファリンを人間として蘇生させること」も翼獅子には無視され、彼の根底にある「魔物になりたい」と言う誘惑に負けた結果、ライオスは自身の考えたオリジナルの魔物と化し、代償として肉体を翼獅子に乗っ取られる。ライオスの肉体を介して迷宮の主となった翼獅子は、自身の願いである「人間の欲望を永遠に味わうこと」を叶えるべく、迷宮から出て全ての人類を異界へ連れ去ろうとし、ミスルンやマルシルたちも止めることができない。しかし魔物と化したライオスが翼獅子の“食欲”を食べ尽くしたことで、悪魔は「人間の欲望を永遠に味わいたい」と言う欲望と「あらゆる願いを叶える」能力を失い、空気や水のような「意志なき魔力」に戻った。しかし翼獅子は最期の瞬間、ライオスに「一番の願いは決して叶わなくなる」と言う呪いを掛ける。 悪魔の消滅を見たマルシルたちは、ライオスやファリンの安否を気遣う間もなく、迷宮の崩壊が始まったため脱出を余儀なくされる。それまで魂を人形にやつして同行していたヤアドは、(瓦礫の直撃を受け損壊した)自身の体の代わりに祖父デルガルの体に入り、シスルも連れて彼らを出口まで導く。ヤアドは迷宮の外に出ることによる自身の消滅も覚悟していたが、翼獅子が外に出た際に迷宮と外界の境界が消失したため生き残り、また、異界に取り込まれた人々、さらにはライオスの無事も明らかになる。 ライオスは人々に食事の約束を再度示し、それが「妹を一緒に食べてほしい」という常軌を逸したものだったため一旦は猛烈な反発にあうも、妹を救いたいという意思が伝わり、多くの人々の協力を得た大宴会が始まる。 その席でライオスは人々に王として認められ、「悪食王」の二つ名を受ける。ライオスは父が村長であった経験を活かし、細々と小さな島の統治をするつもりであったが、実は黄金郷が沈んだ大陸だったことが明らかになる。一方、シスルはヤアドを見て、デルガルが無事に帰ったと思い込み、ヤアドの言葉を聞きながら安らかに眠りにつく。

    宴会は七日七晩続き、噂を聞きつけてやってきた人々や、悪魔の欲望を食べた結果、常に小腹が空いた状態となったライオスのため、ついに竜の消費が完了する。 ライオスは、翼獅子の最後の呪いのため、ファリンの蘇生の失敗を危惧するが、マルシルたちに励まされ、エルフたちの協力を得て蘇生に取り掛かる。

    ファリンはかつて自分の下半身だった竜を食べる夢を見る。するとファリンの前に翼獅子がおり、「うまいか?」「もっと食べたいか?」と訪ねる。ファリンが肯定すると、翼獅子は「そちらのほうが辛く残酷な道だと思う」と言いながらも道を示し、それに従ったファリンは目を覚ます。下半身に少し竜の特徴が残ったものの、ファリンの蘇生は成功した。

    その後、王となったライオスは苦労しながらも国を治め、魔術や魔物を利用した食料の生産法の研究に心血を注いだことが語られ、食にこだわる理由を尋ねた亜人の子らに、「食は生の特権だ」と答える場面で幕を閉じるのだった。


    以上のようにWikipediaで紹介される漫画作品。
    2巻目。
    ゴーレムの話から水に浮かぶ魔法のあたりまでが描かれている。
    ダンジョンの探検かつ飯の話ばかりでまさに本作らしい巻である。
    ドラクエなどにも登場するミミックも登場。
    カニ的な中身という設定は意外で面白い。
    チルチャックは年齢自体は29歳。
    ほんまか。
    (後に判明するが、娘が3人いる設定)
    ゴーレムのくだりは完全に畑仕事やな。
    1巻でもそうだったのだけど、センシの台詞が含蓄が在るなと。
    重い。
    どこか哲学的な、物事の見方、本質を捉えた指摘が多い。
    それもこのダンジョン飯の良いところだろう。
    第10話 おやつ の所でカブルー一行(リーダーのカブルー、魔法使いのリンシャ、ハーフフットのミックベル、コボルトのクロ、ドワーフのダイア、ノームのホルムのパーティ)
    が初登場する。
    この段階では名前すら明確になっておらず、しかも宝虫によってダンジョンの途中で全滅するだけのモブキャラ一行だと勝手に解釈していた。
    まさかこの後も何度も遭遇することになるとは・・・
    絵画の中をライオスが探検する中、狂乱の貴公子シスルと邂逅する(思いがけず出会う)
    いくつもの伏線がこの2巻でも描かれていたんだなと読み返すと感慨深い。


    印象に残った点

    同じものを植えると連作障害を起こすから

    辛くはなかったのか?
    好きでやっていることだ。
    何も辛くはないよ。

    何かを手軽に済ませると何かが鈍る

    便利と安易は違う
    お前のやり方では店で野菜を買うのと変わらん

    ダンジョンも畑も一緒だ
    ほったらかして恵みを享受することはできない

    何よりここで育ったものを食べ自分からもダンジョンに分け与える
    そのように暮らしていると、ようやくこの迷宮の中に入れたように思える
    それが嬉しい

    食べ物を粗末にすると罰が当たるんだから

    主食・主菜・副菜とバランス良く食べてこその食事

    今は俺達しかいないんだから自分達の力で何とかしなくては

    口にしていいことと悪いことがあるぞ

    仲間に隠し事すると損するって学んだでしょ?

    人は安易な道へ容易に堕ちる

    過ぎたことは仕方ない
    案外気に入るかもしれないよ

    生物というのは必要あってその形をしている

    魔物の本心は人には絶対気付けない

    なぜみんなほ乳類に甘いんだ
    人喰い植物の栽培には反対する癖に

    水上を歩くのはなかなか気持ちがいいものだ

    2024/03/21(木)


  • 今はやめてるけど、私は10年ぐらい全身を固形石鹸で洗う生活をしてました。
    ファンタジーで…いや、特になろう系の異世界転移やら転生やらで多い印象なんだけど、石鹸を手作りして(シャンプーはないから)髪まで洗うじゃん?
    でもその後に酢やレモン汁ですすぐ描写はないことが多いよね。
    髪、石鹸カスでべたべたにならない??
    シャンプー売場で石鹸シャンプー用のリンス見てみてください。クエン酸水溶液になんか加えたやつだと思うから。
    水質によるのかな?
    硬度が違うと洗い上がり結構違うみたいだし。
    まあ、個々の商品にもよるし、髪質との相性もあるかも。
    私は毎回すすがないとムリな石鹸と…2、3回おきで大丈夫な石鹸がありました。そのにさんにちの間に石鹸カス溜まってたのか…そう考えるとちょっとやだな。

  • まとめ買いイッキ読み中。
    というわけで…(何がというわけか?笑)
    全巻買ってしまいました。
    ちょうどなんかポイント還元だったし。
    29歳のチャルチャックを子供だというくらいにやっぱりマルシルは結構な年齢だったのか…
    さすが長命種。
    まあ全然マルシルの方が子供だけどな(笑)

  • 各キャラの性格がはっきりしてきた

  • クレイゴーレムの野菜畑。水棲馬の石鹸。

  • "「なんだよ……」
    「怖い思いしてかわいそうだったね」
    「やめろっつってんだろ!」
    「だって年齢教えてくれないんだもん
    仲間に隠し事すると 損するって学んだでしょ?
    今何歳なのか教えてよ」
    「こ……」
    「こ!?」
    「今年で29歳……」
    「なーんだ普通に子供じゃん」「そこまで幼かったのかお前」
    「お前らこそいくつなんだよッ!!これだから寿命の長い種族はっ」
    「チルチャック……さん」
    「やめろ!」"[p.155_157/195ページ]

    法の抜け穴ゴーレム(字面が好き)。残りの1%は何だろう。
    お手洗いも完備されたダンジョン……。
    ピリピリした空気の八つ当たり先がパンなの笑う。まさかの「アイスができた」発言でまた笑う。
    マルシルのパーティーは大手パーティー扱いなのかな。
    デルガルは黄金城の王様?
    センシは口元が見えてないぶん目でみせてるのが面白い。

  • 蜀崎ェュ縲ゅΑ繝溘ャ繧ッ縺ィ螳晁勠縺ョ鬟溽黄騾」骼悶→縺九h縺乗?昴>縺、縺上↑縺ゅ▲縺ヲ蟆代↑縺九i縺ャ陦晄茶繧貞女縺代k縺ェ繧芽ィ俶?縺ォ谿九▲縺ヲ縺?※繧ゅ>縺??縺壹↑縺ョ縺ォ窶ヲ縲ゅこ繝ォ繝斐?縺ョ遏ウ鮖ク縺ァ豢鈴ォェ縺励※繧?▲縺ィ鬲疲ウ輔′蜉ケ縺肴ーエ縺ォ豬ョ縺上h縺?↓縺ェ縺」縺溘そ繝ウ繧キ縺ォ謚ア縺阪▽縺上?繝ォ繧キ繝ォ縺ョ蝗ウ縺ァ縺ェ繧薙□縺九ヨ繝医Ο繧呈?昴>蜃コ縺励◆縲ゅ≠縺ィ縲√♀縺セ縺代?繝ウ繧ャ縺ョ驟帝??縺ィ豁サ髴願。薙?鬘樔シシ轤ケ繧ゅ♀繧ゅ@繧阪°縺」縺溘?

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著者プロフィール

pixivやコミティアで活動し、2011年、短編集『竜の学校は山の上 九井諒子作品集』でデビュー。13年『ひきだしにテラリウム』で、第17回「文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞」を受賞。14年より「ハルタ」にて連載開始した『ダンジョン飯』は、「2015年度コミックナタリー大賞」「このマンガがすごい!2016」オトコ編、「THE BEST MANGA 2016 このマンガを読め!」「全国書店員が選んだマンガランキング2016」と数々の賞で1位を獲得した。

九井諒子の作品

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