これならわかる コーポレートガバナンスの教科書 [Kindle]

著者 :
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感想・レビュー・書評

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  • コーポレートガバナンスの背景や概要をつかむのに良い良書でした。

  • (感想を書いたけど消えてしまった)コーポレートガバナンスについてこれ以上の本は無いと思う。Kindle版は安価だが単行本が高いのが難点。

  • 業務でコーポレートガバナンスに取り組む必要があり、SNSでの評判がよかったので最初に手に取ったのが本書。
    ガバナンスを専門に研究されているアカデミアの方が初心者向けに書いた本なので、流石に分かりやすくまとまっている。

    特に「なぜ最近になってガバナンスを厳しくする必要がでてきたのか」を丁寧に説明するのは、担当者が社内で説明するのに良いと感じた。

    入門書なので本書だけでは実務に落とし込むことは出来ないが、最初に手に取る一冊としては良いと思う。

  • コーポレート・ガバナンスを学ぶのは初めてなのですが、わかりやすく勉強になりました。上場企業とは、株式企業とは、ということを考えさせられました。

    本書のポイント
    ・銀行借入中心の財務・株式の持ち合い=日本型ガバナンス→日本パッシング→アベノミクスでコーポレート・ガバナンスへの注力
    ・スチュワードシップ・コードにおける7つの原則
    ①受託者責任の果たし方の方針公表
    ②利益相反の管理に関する方針公表
    ③投資先企業の経営モニタリング
    ④受託者活動強化のタイミングと方法のガイドラインの設定
    ⑤他の投資家との協働
    ⑥議決権行使の方針と行使結果の公表
    ⑦受託者行動と議決権行使活動の定期的報告
    ・コーポレートガバナンス・コードにおける5つの原則
    ①株主の権利・平等性の確保
    ②株主以外のステークホルダーとの適切な協働
    ③適切な情報開示と透明性の確保
    ④取締役会等の責務
    ⑤株主との対話
    ・コーポレート・ガバナンスを考える上で最も重要なのは、「有事の際に愚かな経営者を退場させることができるか」
    ・コーポレート・ガバナンスの原点は南海泡沫事件
    ・経営者を規律づける2つの仕掛け
    ①資本市場での株式売買を通じて経営者を規律づける方法
    ②企業の機関設計を通じて経営者を規律づける方法
    ・従業員サーベイも利害関係者としての従業員ときちんとコミュニケーションができているかを測る、ひとつのガバナンスツール
    ・内部統制は経営者のためのもの

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    ある会合で、嘱託で働いているという方が「コーポレートガバナンス・コード」のことをボロクソに言っていました。あんなものがあるから企業が縛られて自由な活動が出来ず、業績が停滞しているのだ、というわけです。
    「コンプライアンス」が騒がれたときに同じような感覚を持ちましたから、気分としてはわからなくはないのですが、コーポレートガバナンス・コードは以前、一通り目を通していたので、「そんなもんかなあ」と疑問に思いました。ほっとくの手だったのですが、その嘱託が中小企業診断士資格者だったので、少し突っ込みを入れてみたくなって、手始めにこの本を手に取りました。
    本書を読みながらコードの該当部分に目を通しました。細かいことが規定されていてこれを「守らなくてはいけない」と捉えると難儀に思うのはわかります。自由な企業活動が阻害されると思う人も出てくるでしょう。
    しかし、書かれているのは僕からするとガバナンスに関する常識的なことです。今までのやり方を変えなくてはいけない、たとえば従来は株主の権利なんてろくに考えても来なかったものを突きつけられたり、社外取締役を入れろと要求されたり、抵抗するのはように想像がつきました。
    しかし、時代は変わっているわけで、上場してマーケットから資金を調達しようと思うならこの程度のことは当たり前だと僕は思います。そもそもこのコードは「従え、従えならいなら説明せよ」としているのですが、説明が出来ないからしぶしぶ従い、陰でぶつくさ文句を言っているようにしか見えないですね、多くの日本企業が。
    そんなに嫌なら、上場を廃止すれば義務から解放されるのに、その勇気もないのなら、逆にこのコードを活かす方向を考えた方がいいと思います。
    この本を読めば、字面にとらわれるのではなく、要求の本質を捕まえて、自社の活動に活かすきっかけがつかめる可能性があります。
    なお、中小企業は上場していないので関係ないと言えば関係ないですが、参考にできるところはした方がいいと思いました。株主に関しては経営トップが株主のことが多いのであまり意味がありませんが、たとえば「第2章 株主以外のステークホルダーとの適切な協働」や「第4章 取締役会等の責務」は大いに参考にして自社のガバナンスを考えるきっかけにすべきだろうと思いました。
    https://www.jpx.co.jp/equities/listing/cg/tvdivq0000008jdy-att/nlsgeu000000xdn5.pdf

  • コーポレートガバナンスそのものというより、その背景をわかりやすく説明。

  • コーポレートガバナンスの入門として、かなり分かりやすい1冊。コーポレート部門で働いている人や会社法を勉強したことある人にとってはあまり新しい情報はないかもしれないが、知識の確認にもなる。日本の企業において株主の地位がどう変わってきたか、機関設計について、経営者と投資家目線の違いがよく分かります。

  • グループ経営入門の著者ということで買ってみた。やっぱり分かりやすい。

  • とりあえず1時間程度で流し読み。詳細確認したい部分は、再読予定。

    2015年8月第一版の書で3年前までの話と思いきや、日本の企業経営の歴史、銀行によるメーンバンク制、アベノミクスとの関係、グループ経営、海外グループ会社経営等、大づかみするのに最適。

    個人的には、お勉強として、経済学部で学んだ労働経済史やMBAでのコーポレートファイナンスや管理会計で学んできたことと、勤務先やいまの仕事で直面させられているグループ経営とかグローバル人材・経営人材をどう調達するのかといった実務の課題が、ぐわーっと音を立ててつながっていくような感覚になった。良いタイミングで出会えた模様。

    長いこと、ファイナンスの授業中で何度も教わった「会社は株主のため」というアメリカ的株主至上主義には批判的で、株主含むステークホルダーが大切、と信じてきていたけど、株主の短期視点や、(悪徳)経営者の短期的に数値で実績を上げて会社をだめにして去っていく、ような事例が日本では殊更強調されているせいに見えてきた。(どんな仕組みを整えても、悪用したり仕組みの隙間を突く輩はいるので、より良い運用を求めていかざるを得ないのだろう)

    多角化経営する企業は、基本株主に嫌われる(←株主は自ら分散投資が可能だから)、日本には株式会社が多すぎ(←銀行が企業を上場させるのをゴールにしてきた歴史)て、社外取締役となる人材プールがまだまだ、といった指摘は、言われてみれば当たり前だけど、いままであまりこういう発想を持てていなかった。

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著者プロフィール

東京都立大学大学院 経営学研究科教授、東京都立大学 経済経営学部教授
株式会社日本長期信用銀行にて国際審査、海外営業などを担当後、ムーディーズジャパン株式会社格付けアナリストを経て、株式会社コーポレイトディレクション及びブーズ・アンド・カンパニー(旧ブーズ・アレン・アンド・ハミルトン)株式会社にてパートナーを務める。諮問委員会委員、公認会計士試験委員、公的機関の経営委員、上場企業数社の社外取締役などを務めている。
著書『グループ経営入門 第3版』(税務経理協会)、『これならわかるコーポレートガバナンスの教科書』(日経BP社)、『コーポレートファイナンス実務の教科書』(日本実業出版社)、『ESG経営を強くするコーポレートガバナンスの実践』(日経BP社)、『経営改革の教室』(中央経済社)など。
東京外国語大学外国語学部卒、仏国立ポンゼ・ショセ国際経営大学院経営学修士、筑波大学大学院企業科学専攻博士課程修了。博士(経営学)

「2021年 『図解入門ビジネス 最新 コーポレートファイナンスの基本と実践がよ~くわかる本[第2版]』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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