- Amazon.co.jp ・電子書籍 (220ページ)
感想・レビュー・書評
-
コーポレートガバナンスの背景や概要をつかむのに良い良書でした。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
(感想を書いたけど消えてしまった)コーポレートガバナンスについてこれ以上の本は無いと思う。Kindle版は安価だが単行本が高いのが難点。
-
https://amzn.to/2Q5Gvu0
ある会合で、嘱託で働いているという方が「コーポレートガバナンス・コード」のことをボロクソに言っていました。あんなものがあるから企業が縛られて自由な活動が出来ず、業績が停滞しているのだ、というわけです。
「コンプライアンス」が騒がれたときに同じような感覚を持ちましたから、気分としてはわからなくはないのですが、コーポレートガバナンス・コードは以前、一通り目を通していたので、「そんなもんかなあ」と疑問に思いました。ほっとくの手だったのですが、その嘱託が中小企業診断士資格者だったので、少し突っ込みを入れてみたくなって、手始めにこの本を手に取りました。
本書を読みながらコードの該当部分に目を通しました。細かいことが規定されていてこれを「守らなくてはいけない」と捉えると難儀に思うのはわかります。自由な企業活動が阻害されると思う人も出てくるでしょう。
しかし、書かれているのは僕からするとガバナンスに関する常識的なことです。今までのやり方を変えなくてはいけない、たとえば従来は株主の権利なんてろくに考えても来なかったものを突きつけられたり、社外取締役を入れろと要求されたり、抵抗するのはように想像がつきました。
しかし、時代は変わっているわけで、上場してマーケットから資金を調達しようと思うならこの程度のことは当たり前だと僕は思います。そもそもこのコードは「従え、従えならいなら説明せよ」としているのですが、説明が出来ないからしぶしぶ従い、陰でぶつくさ文句を言っているようにしか見えないですね、多くの日本企業が。
そんなに嫌なら、上場を廃止すれば義務から解放されるのに、その勇気もないのなら、逆にこのコードを活かす方向を考えた方がいいと思います。
この本を読めば、字面にとらわれるのではなく、要求の本質を捕まえて、自社の活動に活かすきっかけがつかめる可能性があります。
なお、中小企業は上場していないので関係ないと言えば関係ないですが、参考にできるところはした方がいいと思いました。株主に関しては経営トップが株主のことが多いのであまり意味がありませんが、たとえば「第2章 株主以外のステークホルダーとの適切な協働」や「第4章 取締役会等の責務」は大いに参考にして自社のガバナンスを考えるきっかけにすべきだろうと思いました。
https://www.jpx.co.jp/equities/listing/cg/tvdivq0000008jdy-att/nlsgeu000000xdn5.pdf -
コーポレートガバナンスそのものというより、その背景をわかりやすく説明。
-
コーポレートガバナンスの入門として、かなり分かりやすい1冊。コーポレート部門で働いている人や会社法を勉強したことある人にとってはあまり新しい情報はないかもしれないが、知識の確認にもなる。日本の企業において株主の地位がどう変わってきたか、機関設計について、経営者と投資家目線の違いがよく分かります。
-
グループ経営入門の著者ということで買ってみた。やっぱり分かりやすい。
-
とりあえず1時間程度で流し読み。詳細確認したい部分は、再読予定。
2015年8月第一版の書で3年前までの話と思いきや、日本の企業経営の歴史、銀行によるメーンバンク制、アベノミクスとの関係、グループ経営、海外グループ会社経営等、大づかみするのに最適。
個人的には、お勉強として、経済学部で学んだ労働経済史やMBAでのコーポレートファイナンスや管理会計で学んできたことと、勤務先やいまの仕事で直面させられているグループ経営とかグローバル人材・経営人材をどう調達するのかといった実務の課題が、ぐわーっと音を立ててつながっていくような感覚になった。良いタイミングで出会えた模様。
長いこと、ファイナンスの授業中で何度も教わった「会社は株主のため」というアメリカ的株主至上主義には批判的で、株主含むステークホルダーが大切、と信じてきていたけど、株主の短期視点や、(悪徳)経営者の短期的に数値で実績を上げて会社をだめにして去っていく、ような事例が日本では殊更強調されているせいに見えてきた。(どんな仕組みを整えても、悪用したり仕組みの隙間を突く輩はいるので、より良い運用を求めていかざるを得ないのだろう)
多角化経営する企業は、基本株主に嫌われる(←株主は自ら分散投資が可能だから)、日本には株式会社が多すぎ(←銀行が企業を上場させるのをゴールにしてきた歴史)て、社外取締役となる人材プールがまだまだ、といった指摘は、言われてみれば当たり前だけど、いままであまりこういう発想を持てていなかった。