海に降る (幻冬舎文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 最後まで勢いよく読めた。
    クライマックスでは、文章ではらはらした緊張感や深海の暗闇の様子まで
    思い浮かべて面白かった。

  • なかなかのわくわく感でした。特に後半、深海への潜っていく様はたまらんです。読後は爽やか。地質学を学んだ身としては親近感の湧くネタでしたね。まあ、もともと興味のあるネタだから手が伸びたというところですが。カナヅチだけど海の生物とか深海とか大好きで。そういえば、小学校の夏休みの宿題で「しんかい2000」の模型を木で作ったなあ、なんて思いだし。
    理系の方なら、たぶん感じるところはあると思う。特に地学とか海洋学の方はね。地球の神秘に触れたいという知的好奇心・探究心をくすぐられると思う。まあ、恋愛話と過剰な演出とでも言いましょうか、そんな龍まで出さんでも、と思わなくはないけど。しかも、大きいものまでねえ。それでも、知的探究心、若い世代に引き継ぐこと、パイロットへの使命感等、琴線に触れるところがいっぱいあった読書でしたよ。マリンスノーって言葉も日本発だったんだ。SABOみたいなもんだね。宇宙飛行士より少ない深海潜水艇パイロットってのも、へぇーと思ったり。目次の深度○○mってのも面白い作りだなーと。
    ここしばらくSFとか維新節を読んでいたので、久しぶりの現代文。読みやすい読みやすい。サクサク読んでしまった。最後、地震に遭遇するシーンなんて、けっこうドキドキしましたよ。電子書籍って残りページの感覚がないから、もう終わりだな、と思ったところもう一山来たので、「おおっ」ってビックリしてしまったよ。
    いやー、JAMSTECに就職したいなあ。まあ、研究者とかも狭き門というか、そんな楽しいことばかりではないこともよくわかってはいますがね。夢の持てる本だと思う。若い人が読んだら、絶対JAMSTECへの就職考えるよ。
    回天を開発した人が緒明亮乍(おあきりょうさく)として知られていて、その人が潜水艦の礎を作ったなんて。あんな馬鹿げたものを作った人が「しんかい6500」につながるというのは、因果なものというかなんというか複雑な気持ち。まあ、回天開発時の状況,心境はわかりませんがね。嫌々開発したのかもしれないし。
    人間の目にはカメラにない特別な力がある、というのも納得。また耳もマイクにない力があるんだよな。ロボット化をいろいろみんな考えているけど、なかなか人間の代わりとはいかないものです。
    最後、夢を継ぐ人、かなえる人、託す人ってのが染み入る。じぶんもボチボチ歳なのでね。
    しかし、kindleでは解説がないだと・・・うーん。本と電子のこういう差別はやめてほしいなあ。

    映像化ということで期待してHP見たら、なんだえらい話変わっている???キャスティングも主人公天谷深雪の有村架純は表紙でインプリされちゃってたから良しとして、他がなあ。高峰浩二はまあ、にしても、神尾さんとか多岐指令とか皆川理事・・・なんかイメージと違う・・・。龍もどんな映像が???と思ったけど。どうなんかね?なさそう?

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著者プロフィール

東京都中野区生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。2009年、『マタタビ潔子の猫魂』(「ゴボウ潔子の猫魂」を改題)でメディアファクトリーが主催する第4回ダ・ヴィンチ文学賞大賞を受賞し、作家デビュー。13年、『駅物語』が大ヒットに。15年、『海に降る』が連続ドラマ化された。現代の働く女性、子育て中の女性たちの支持をうける。主な作品に『賢者の石、売ります』『超聴覚者 七川小春 真実への潜入』『真壁家の相続』『わたし、定時で帰ります。』など。

「2022年 『くらやみガールズトーク』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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