しんがり 山一證券最後の12人 (講談社+α文庫) [Kindle]

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著者 : 清武英利
  • 講談社 (2015年8月20日発売)
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (243ページ)

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しんがり 山一證券最後の12人 (講談社+α文庫)の感想・レビュー・書評

  • 働くことの尊さについて再認識
    損得だけではないものに突き動かされるかのように戦うしんがり達
    同じく働くものとして共感

  • 凄い人達がいたものだ。

  • 登場人物が多すぎる&金融のことがわからなさすぎて理解が追いつかない。ノンフィクションだから仕方がないです。

    これを原作としてわかりやすく整理した(?)ドラマ版は気になる。

  • 無能な幹部と苦しむ社員の姿がリアリティあり。
    当時を知らないけど、旧態依然とした会社ならあり得る。

  • 金融業界が大きく動いた1990年代、現在では考えられないような飛ばしなどの不正があった時代。
    話には聞いていてもイメージできていなかったことをよく理解できた一冊。
    時を置いてまた読み返したい。

    実名で当時のことを語っていること、その実在の方々・山一の方々の、社内調査への強い思い、執念を感じ、働くこととは、会社とは、ということも考えさせられた。

    どんな仕事にも一生懸命、真っ直ぐに取り組むことで、報われるんだ、頑張らないといけない。

  • 企業の倒産前後の様子を人の会話を軸に描いた経済小説。まさに20年前に実際におきた内容だからこそ、とてもイメージがつきやすく、興味をもって読み進めたと実感している。悪者探しではなく、事実の究明と公表のために取り組み続けた姿に、愛社精神というものを感じ、日本人が抱く日本の企業に帰属する価値観に触れた実感している。

  • 山一證券の自主廃業の真実。TVドラマが良かったので、読んでみることに。金融の素人には少し難しいが、何とか完読。サラリーマンって大変ですね。

  • 会社や経営者を信じて人生のすべてを賭けたサラリーマンの悲哀。こんな目に遭っても会社に愛情を持っている事に違和感を感じる。これは20年近く前の話だが、最近でも東芝や不正ではないがシャープなど会社に翻弄されるサラリーマンの話は枚挙に暇がない。これからは何のスキルも持たずに漠然と就活をして、取り敢えず採用された会社に入るというのは極めてリスクが高い。昔はこういう就職が安定していると言われたが、今は逆なのだろう。

  • 1997年11月、四大証券の一角だった山一証券が自主廃業の発表をし、2600億円の簿外債務が明らかになる。まだ高校生だった私にとっても、野澤社長の涙の会見は非常に心に残っている。友人のお父様が山一証券勤めだったため、当時のことはよく覚えている。
    本書は、その簿外債務の流れを特定するために、転職せずに最後まで山一証券に残って職務を果たした12名の実話。
    負の遺産がかさんでいき誰も止められなくなっていく経緯など、実話ゆえとてもリアル。コンプライアンスの概念と、一人一人の善悪の判断が重要であると改めて感じた。

  • 証券界に籍を置いたことのある者として、いつか読もうと思っていた一冊。

    著者が、あの「清武の乱」の清武氏であることに途中できづき、氏がジャーナリストであることは、読了して初めて知りました。

    著者の作であることが、興味を削いだことは否めません。
    そのせいなのか、12人の関係を理解しながら読むことをしなかった。

    しばらくしたら、再読したいです。

  •  1997年11月、創業100年従業員7500人を超える大手の山一證券が自主廃業を発表した。涙で顔をぐちゃぐちゃにしながら「社員は悪くありませんから!悪いのはわれわれですから!お願いします。社員が再就職できるようお願いします!」と頭を下げる野澤社長の姿が印象的だった。終身雇用、年功序列があたりまえで会社に入ってしまえば老後まで安心という時代が終わった瞬間だ。野澤社長だってババをつかまされてしまった被害者だとは言え、会社の暴走に気が付かず、止めることができなかった罪は大きい。
     バブルって不思議な時代だった。土地の値段も株もどんどん上がる。お給料だって貯金だって増えていく。だから元本保証なんて無謀な約束して売りに売りまくって成績を上げていく証券会社や銀行は、保証できなくなった時に苦肉の策で「飛ばし」、つまり決算前だけ第三者に一時的に転売し損失を隠すというアウトローなことを平気で行っていたのだ。山一だけではない。そういう時代だったのだ。
     とはいえ、突然自分の会社がなくなってしまった一般社員には、いったい何が起こったのかまったくわからない。
    「しんがり」は、会社崩壊後、内部調査を依頼された業務管理本部担当常務の嘉本氏を中心に、膨大な報告書を作り上げたチームのドキュメンタリーだ。他の社員がどんどん再就職先を見つけて去っていく中で、お給料の保証もない会社に居残って作業を続けた人々を動かすものはなんだったのか。愛社精神か、正義感か。とにかく彼らの手によって会社の不正が明るみに出たのだ。
     廃業から20年近く経ついまでも、山一證券OBによる「山友会」が毎年廃業月の11月に行われている。会社はもうないわけだから新しいメンバーが増えるはずもないが、いまだ1300人ほどの会員が所属しているらしい。そこで働く人は皆、誇りを持っていたんだなということがよくわかる。

  • 1997年、山一證券は自主廃業を決定し、2600億円の簿外債務を隠していたことを発表する。その発表会見は野澤社長が号泣したことで有名だ。世間は人前で無様な姿をさらす人間がトップだった会社に愛想を尽かしたが、真相はそんな単純なものではなかった。「号泣社長」も被害者のひとりであり、前の経営者たちから貧乏くじを押し付けられたのだった。

    しかし、もっと過酷で自己犠牲を強いられた社員たちがいた。山一證券がなぜ不正に走り、廃業となった理由と責任を追う調査チームのメンバーだ。彼らは再就職を顧みず、満足な給与も与えられない中、かつての上司を追求し、勤めていた会社の暗部を暴きだす。著者は調査チームを敗戦軍の最後尾を受け持つ意味で「しんがり」と名づけ、彼らの活躍と苦労、そして山一證券亡き後の人生を追う。

    この話が池井戸潤原作なら、一発大逆転があるだろうが、「しんがり」の奮闘むなしく、山一證券は消滅し、彼らのその後も転職を繰り返す人生だった。その意味では、もともと沈む船から逃げそびれた不器用な人間たちだったかもしれない。しかし、「しんがり」だったことの誇りと友情は彼らの生涯の財産だ。山一に居たことも「しんがり」に居たことも、全く後悔していないと断言する彼らには人生の満足度は人それぞれだということを教えてもらった。

    目の前にある大きな壁を逃げずに、よじ登って観た景色は最高の景色なんだろう。

  • とにかく、読み始めてからずっと目頭が熱い。

    前半は山一が自主廃業に追いやられるまでの過程、主に総会屋供与事件がメインで、後半は廃業してからの簿外債務の原因調査の報告書ができあがるまでのストーリーと2本仕立て。

    読み終わってから感想を述べようとしたけれど、うまい言葉が見つからない。
    そして、登場人物のそれぞれが口にする言葉すべてに、胸が締め付けられる。

    会社とは?組織とは?自分とは?
    そして、自分は組織の中でどう生きていきたいのか?また、組織と関係なくどう生きていくのか?自分の生き方やあり方まで考えさせられた。

    前半は特につらかった。前に山一ではないけれど、特捜の聴取を受けたという人の話を聞いたことがある。
    あれは本当につらいらしい。そして、自分もいつ逮捕されるかもしれないという恐怖は、想像に難くない。

    ある山一の役員が「今日はあなたは家に帰れないかもしれません。」と社員に下着の入った袋を渡される場面がある。
    はじめは憮然とした態度だった役員も、その時になってようやく事態を飲み込んで、「ありがとう。」と頭を下げる。
    その場面が、とても印象的だった。

  • 1997年11月23日、名古屋の自宅で山一證券野澤社長の「記者会見」を見た。号泣だった。その日は、ヤクルトスワローズ名古屋ファンクラブの日本一祝賀会だったが、そんなことも忘れてしまった。

    今さら、紹介するまでもない。本書は山一證券の「自主廃業」記者会見後に苦しみながらも、簿外債務である2600億円の社内調査委員会を引き受けた嘉本常務とそのメンバーの数ヶ月を中心に描いた企業ノンフィクションの大傑作。

    本書を読むと、山一證券の自主廃業が「突然死」であったことが理解できる。会社がいとも簡単に消滅してしまうのかということに衝撃を受けた。さらに、2600億円の簿外債務については、直前まで知らず27日の日経朝刊のスクープで知った社員が、経営陣も含めて殆どだった。海外子会社を利用した巧妙な隠しだが、社内調査委員会のメンバーは、職探しへの焦りの中で懸命に調査を進めてゆく。
    著者が「しんがり」と呼ぶ調査委員会メンバーの動機は様々。常務の嘉本のように貧乏クジを押し付けられた人、使命感あるいは会社への恨みから調査に加わった人。個人的には、嘉本の次の一言が印象的。
    「人が変死したら司法解剖するだろう 。山一の廃業も変死のようなものだよ 。だから解剖して 、株主やら社員やらお客さんに説明する責任があるんやな 」。
    なるほど、山一證券は突然の変死であった。今後、第二の変死が起きぬよう司法解剖する必要がある。

    本書が描くのは、会社消滅という重いテーマ。しかし、山一證券の殆どの社員は職にありつけた。
    「だから 、彼らの採用は当たり前のことだ 。会社が潰れても見ている人はどこかにいてくれるんじゃ 。心配ないよ 。何とかなるもんさ 」。
    そう、たとえ危機に面しても我々は「何とかなる」ことを信じなければならない。

    寝不足必至の良質のノンフィクション。文句無しの★5つ。

  • 当時 山一の社長の会見はTVで見て記憶している。
    その裏にこんな話が有ったとは知らなかった。

  • WOWOWのドラマ放送と合わせて読み始め、少し遅れて読み終えました。同時代を過ごしていたがら、詳細を知らなかった山一の顛末。引き込まれて読みました。が、ドラマを楽しむなら、見終わってから原作を読むべきだったかも知れませんね。

  • 新聞、テレビで大きく報じられていた「山一証券破綻」 当時中学生だった私は、不景気だから潰れたんだろうという程度の認識しか持てなかったが、大きな企業が潰れたという衝撃はずっと記憶の中にあった。
    この本を読んで、時代背景や不正の事実を知ることができ、大変有意義であったと感じている。
    また、不正というものはこのようなメカニズムでなされるものだと改めて認識できた。

  • 山一證券が破綻し、自主廃業になったのは1997年だったそうです。記者会見の最後に、「社員は悪くありませんから」と言って号泣した社長の姿は、確かに強烈な印象で、今でも鮮明に覚えています。

    この本は、その破綻した山一に最後まで残り、会社が破綻した真相の究明と、精算業務を行った12人を描いたノンフィクションでした。なので全て実名。あの号泣社長は野澤正平と言いましたね。そんな20世紀末、バブル崩壊の時期の話が今頃文庫化されたのには、間違いなく東芝の不正会計問題で、コンプライアンスというものに注目が集まっているからでしょう。しかも直近ではVWによる排ガス規制捏造事件なんかも発覚し、まさにピッタリなタイミングでありました。

    最後まで残った12人というのは、主人公の嘉本隆正始め、殆どが社内で「場末」と呼ばれた左遷職場である業務監査部のメンバー。その名の通り、本来なら社内監査を取り仕切り、社内の業務内容において不正が働いていないか監査する部署。しかしながら、当時の監査部門というのは全く機能しておらず、配属される社員もその殆どが、どこからか飛ばされてきているメンバー。

    そんな彼らなので、あの社長が、山一には2000億以上の簿外債務があるため自主廃業する。と号泣会見するまで、社内の実態は全く把握していなかった。もっとも、殆どの社員があの会見で、自分たちの会社が潰れたことを知ったらしく、場末な職場であれば、尚更全く知らなくて当然だったのかもしれません。本当はその前から多くの不正が発覚していて、経営トップが次々事情聴取されていたのですが、まさか潰れるとは思ってもみなかった、最後は国が助けてくれる、といった甘々な会社であったということのようです。

    しかしながら、いきなり廃業となった社員たちは流石に怒り心頭し、事の真相を説明せよと経営者に迫ります。が、実は号泣社長は、つい数ヶ月前に「いろいろあるけど、よろしく頼むよ」と前任者から引き継ぎなしで社長になったばかり。社長になってから2000億の負債があることを聞かされ、対策に奔走している途中で、いきなり大蔵省から自主廃業せよ、との通達死刑宣告を受けてしまう。そしてそのまま記者会見した後は腑抜けて茫然自失で、社員たちに迫られても、そこでも又号泣する始末。

    その時、会社側の末席にいた業務監査部門の責任者でもった嘉本常務が立ち上がり、従業員に向かって、社内調査を徹底的に行い、簿外債務が発生した経緯とその責任者を明確にすると断言。ここから場末の12人による社内調査と、会社精算のための「しんがり」としての戦いが始まる。

    「場末」の職場とは言え、そこは人の山一とも言われた会社。嘉本の毅然とした態度に共鳴し、監査業務の本来の使命を最後は全うしようという12人は、短い期間の中で、破綻した原因、巨額の簿外債務がどうして生まれたのかを追求する。

    しかしその過程は相当な困難を伴う。なにせ自分の会社内部の不正を暴き出すのであるから、中々社内の協力は得られない。しかもその結果、会社が再生するわけでもなし。同僚たちが次々と違う会社に転職していく。財産の殆どを山一の株で持っていた者や、子供の教育や自宅のローンのため、ジリジリと貯金が減っていくのを、グッと歯をくいしばって見る者もいた。

    結局、簿外債務は山一の実力者と言われた前会長である行平次雄時代に、利回りを保証した株や債券の販売を行い、損失が出るとそれを海外のペーパー会社に移して損失を隠し、それがバブル崩壊と共に雪だるま式に膨れ上がった結果であった。しかもその簿外隠しは大蔵省も黙認、というか、他の証券会社もやっていると、むしろ唆していたとのことが解明される。その報告書は、そこまで社内調査で公表するのかと話題になり、高い評価を得ることとなった。

    報告書をまとめ上げ、尚且つ2兆円余りに登る顧客所有の株や債券を所有者に引き渡した「しんがり」達は、その後新しい職場に転職したり、その経験を生かして独立したりしているとのこと。

    バブルの絶頂も、その後の崩壊も見てきている自分ではあります。あの頃ジュリアナ東京で踊ったことはないけれど、勤めている会社が倒産したといった経験もありません。しかしながらそんな自分も実は甘々で、日々「あ~、会社行きたくねー」と朝嘆いてから出勤しているのが、なんと幸せなことか。「こんな仕事意味ね~」と騒ぐ事の、なんと贅沢なことか。これから少しだけ愚痴を減らして仕事しようと思います。

  • 面白い。
    扱う金額が大きくなると人間感覚が麻痺して来るものなのか。日常的なカラ請求から業務上の違法行為まで。そりゃ会社も潰れる。
    リアルタイムで詳しく知らない世代がこの出来事、事件を知るためにも非常によい一冊だと思う。

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