文芸 2015年 11 月号 [雑誌]

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  • 河出書房新社 (2015年10月7日発売)
  • Amazon.co.jp ・雑誌
  • / ISBN・EAN: 4910078211153

文芸 2015年 11 月号 [雑誌]の感想・レビュー・書評

  • 第52回文藝賞発表

    【受賞作】
    山下紘加「ドール」(200枚)
    少年は、自分の、自分だけの、特別な人形を手に入れたいと思った――時代を超えて蠢く少年の「闇」と「性」への衝動を描く、驚異の新人登場!

    畠山丑雄「地の底の記憶」(320枚)
    ラピス・ラズリの輝きに導かれ、「物語」は繙かれる――電波塔に見守られる架空の町を舞台に、百年を超える時間を描く壮大なデビュー作!

    【選評】
    藤沢周「坑道を掘る者、照らす者」
    保坂和志「不謹慎さ真面目さ」
    星野智幸「小説を書く必然性」
    山田詠美「小説か否か」

    受賞の言葉
    選考経過
    選評
    第53回文藝賞応募規定

    【受賞記念対談】
    星野智幸×山下紘加 「『視線』から踏み込んだ世界」
    藤沢周×畠山丑雄 「大きな物語に潜む記憶、そして救い」

            * * *

    【長篇一挙掲載】
    窪美澄「アカガミ」(370枚)
    [2020年を境に急激に増加した若者の「性」と「生」離れに対して国が提唱し設立したシステム]
    私は今日、ログに勧められ、この制度に志願した……新しい家族をつくり、そして狂わないために。著者新境地にして、生への警鐘を描く傑作。

    【短篇一挙掲載】
    木下古栗「GLOBARISE」(236枚)
    天然温泉 やすらぎの里→理系の女→フランス人→反戦の日→苦情→示し→専門性→若い力→道→観光→絆→globarise➡︎木下古栗!

    【特別掲載】
    森泉岳士・漫画+村上春樹・原作「螢」
    あの名作短篇を16ページで感動のコミック化!

    【創作】
    山崎ナオコーラ「開かれた食器棚」
    姜信子「なもあみだんぶーさんせうだゆう」

    【エッセイ】
    田原牧 「ポジショントーク」
    塚本晋也 「『野火』で見えたこと」

    【連載小説】
    古川日出男「掌篇シリーズ 糸糸(いといと) ホッキョクグマを南極へ帰す/盗聴・幽霊篇/シュガー前夜」
    松田青子「掌篇シリーズ 9 スリル/バルテュスの「街路」への感慨/この場を借りて/パンク少女がいい子になる方法/いい子が悪女になる方法/神は馬鹿だ/猫カフェ殺人事件/We Can't Do It!/Toshibaメロウ20形 18ワット」
    山内マリコ「短篇シリーズ 選んだ孤独はよい孤独 ぼくらの国立競技場」
    恩田陸「灰の劇場」第8回
    町田康「ギケイキ」第11回
    宮内勝典「永遠の道は曲りくねる」第4回
    ジェイムズ・ジョイス/柳瀬尚紀=訳「ユリシーズ」第9章・第10章

    【マンガ】
    小林エリカ「ウルフ 鏡」

    【連載】
    横尾忠則×保坂和志×磯﨑憲一郎「アトリエ会議」2015年9月3日
    高橋源一郎「一億三千万人のための「論語」教室」第4回
    今日マチ子「ぱらいそさがし」第4回

    【書評】
    辻原登『Yの木』 絲山秋子
    桐野夏生『抱く女』 武田砂鉄
    保坂和志『遠い触覚』 種田陽平
    青山七恵『繭』 安藤桃子
    星野智幸『呪文』 瀧井朝世
    高橋弘希『朝顔の日』 寺尾紗穂
    滝口悠生『ジミ・ヘンドリクス・エクスペリエンス』 豊﨑由美
    羽田圭介『スクラップ・アンド・ビルド』 栗原康
    いしいしんじ『港、モンテビデオ』 石井千湖 

  • 文藝賞受賞作『地の底の記憶』畠山丑雄、23歳にしてこの圧倒的な筆力!架空の土地の偽史、囚われ人達の一大サーガはマルケスの『百年の孤独』を彷彿させられ、虚実が入り混じり何重にも入れ子にになった物語は辻原登を思わせる。
    洞窟と塔、陰陽のメタファー、ラピスラズリ、鉱物ラジオにピグマリオニズム、それに電波!と魅力的なモチーフ。久々に、物語を読む快楽に身を委ねた。
    単行本になったら買うよ!
    さて、もう一つの受賞作『ドール』はまさにピグマリオニズムそのものがテーマ。慣れた世界観なのか安定感があり、読ませる力がある。

    ただ、欲を言えばどちらの受賞作も狂気の描き方がステロタイプなのが残念。
    人形愛にしても現実女性と人形の混同、執着と喪失、破滅…等が定積なので、そこを新人の力技で崩して欲しかったなぁ。

    他、村上春樹の『蛍』を森泉岳土で漫画化。いい感じ。春樹ファンも納得の仕上がりでは。受賞作の『地の底の記憶』の中、入れ子になった物語のひとつがまるでこの話(つまり『ノルウェイの森』)なのも偶然とはいえなんとも嬉しい。

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