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- Amazon.co.jp ・映画
- / ISBN・EAN: 4932545987903
感想・レビュー・書評
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飛行機の中で鑑賞。
オドレイ・トトゥ演じるテレーズが、家柄の良いおうちに嫁ぐ話ですが、嫁いで楽しく過ごしておしまい、とはいきません。だって、フランス映画だから。
人間の幸せは、平均的なもので測られるものでなく、はたまた他人の定規で決められるようなものではないということを痛感させられます。
結婚することが幸せ、お金があることが幸せ、子供を授かることが幸せ、家庭を持つことが幸せ、そんなのはただ膨大な情報を平均値であらわしたものであって、それが個々人に当てはまるわけがないのだと、まるであざ笑うように、幸せなものをつかんだはずのテレーズはどんどん不幸になっていきます。
閉塞感と周囲の無理解が、画面から匂い立つようで、観ながらも息苦しくなっていく中、テレーズがくだした決断は、ある意味、当たり前というか予測可能だったのだろうなと思います。
幸せの定義、自由の定義。それはそもそも多様なものであって、型にはめようとすること自体がおかしいのかもしれません。
決して幸せな映画ではないけれど、テレーズにとっては、あれは幸せな結末だったのではないかなと、薄暗くも爽やかな気持ちになりました。
この複雑怪奇な気持ちで鑑賞を終えさせるのが、フランス映画の真骨頂ですね。詳細をみるコメント0件をすべて表示