これからの「カッコよさ」の話をしよう [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 「身体を鍛えて清潔でさえいればTシャツにチノパンで十分かっこいい、太った人は何を着てもカッコ悪い」
    という知識人の発言に衝撃を受けたところから始まった議論です。
    でもその発言自体、五体満足主義的な差別意識まで入っていないと思うし、ちょっと考えすぎな気がする。

    ”社会が求めているものをつくることが正しい、というような正しさはそれ以外の言説を排除しかねず、社会が排他的で保守的になっている場合、それらの欲求に応えることは、その社会傾向が加速することに加担してしまう。”

    そういった流れに対抗するものとしての多様な「カッコよさ」、ということには納得できた。カッコよさは永続しないし、誰もが納得するカッコよさも存在しないから、様々な価値観をもったヒトやモノが、そうあり続けられる。

  • 年末くらいの誰かのブログで紹介されていたので、気になって読んでみた。
    Kindle版で読んだのだが、行間の狭さが気になって、内容に集中できなかった点は減点だった。

    しかし、おじさん3人が様々な事象に対して批評する件はなかなか興味深かった。
    特にAppleのデザインに関する品評で、初回がもっとも美しいプロダクトデザインという話と現代のノームコアの流行に関する話は印象に残っている。

    かっこよさってのはやはり興味ベクトルの話だから、画一的じゃないんだろうな。一方でその時代時代に合わせた賞賛される価値観を持った何かはあるはずで、そこにフィーチャーが当たると、それがその時代の良さになるんだろうというのも感じられた。

    【内容】
    1.デザインと思想
    「カッコよさ」が語られなくなった時代に
    ──画一化する価値観のオルタナティブを問う

    2.ファッション
    ライフデザイン・プラットフォームの可能性
    ──「無印良品」と「ユニクロ」の哲学を読み解く

    3.住宅と建築
    理想の邸宅を求めて
    ──30年の変遷から考える住環境の過去と現在

    4.インテリア
    テーマパーク化する室内空間
    ──「内装」はモノとヒトとのあいだをいかに設計してきたか

    5.ホビーとグッズ
    デザインとしての立体玩具
    ──おもちゃが表象する欲望と戦後日本社会

    6.プラットフォームと文化
    情報技術とプロダクトが変える世界
    ──「モノ」を中心とした新しいカルチャーの未来

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著者プロフィール

1978年生まれ。評論家。批評誌「PLANETS」「モノノメ」編集長。主著に『ゼロ年代の想像力』『母性のディストピア』(早川書房刊)、『リトル・ピープルの時代』『遅いインターネット』『水曜日は働かない』『砂漠と異人たち』。

「2023年 『2020年代のまちづくり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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