インテル 世界で最も重要な会社の産業史 (文春e-book) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 長い。詳しい。内容はすごく良い。
    インテルの成功は単純な技術力の優位性だけではない。そもそも半導体業界が存在しなかった1960年代、インテルと同時期に参入した企業はたくさんいたし、インテルも何度も競争に負けたり(モトローラ)、レイオフもしている。技術も最初から持っていたものではなく、何十年に渡る大きな割合(20%以上)のR&Dがあったからである。
    インテルの成功をかんたんに大雑把にまとめると

    1. リスクテイク。不景気のときこそ攻める。R&Dを止めない。起業したきっかけのメモリ事業がうまく行かないとなると、それを切り捨ててマイクロプロセッサに集中していく。インテルは思ったよりガンガンリスクを取って発展していった。

    2. 狼性カルチャー。体育会系。飢えた狼のようにマーケティング、エンジニアリングを行う。一般消費者へのマーケティングを重視したのはすごい。(Intel Inside / インテル入ってる) をアピールすることにより、今までのB2Bのビジネスのマーケティングの常識を覆した。
    カルチャーは思ったよりブラックだった。不況のときには125%戦略とかいって、無償で従業員を25%多く働かせたり。偉大な会社にそういうのは必要不可欠なんだろうな。

    3. プライド。ムーアの法則を守るプライド。自分たちは世界でいちばん重要な会社だというプライド。

    ゴードン・ムーアについてもっと勉強したくなった。

著者プロフィール

テクノロジーをテーマに執筆する著名なライター。サンノゼ・マーキュリー紙をはじめ、ハイテク業界を30年以上取材している。ドットコムブームの最中には、世界最大級のビジネス系雑誌であるフォーブスASAP誌の編集者を務め、現在はウォール・ストリート・ジャーナル紙に寄稿している。著作には『バーチャル・コーポレーション』(徳間書店)などがある。

「2015年 『シンギュラリティ大学が教える飛躍する方法-ビジネスを指数関数的に急成長させる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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