ラグビー日本代表ヘッドコーチ エディー・ジョーンズとの対話 コーチングとは「信じること」 (文春e-book) [Kindle]

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著者 : 生島淳
  • 文藝春秋 (2015年8月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (142ページ)

ラグビー日本代表ヘッドコーチ エディー・ジョーンズとの対話 コーチングとは「信じること」 (文春e-book)の感想・レビュー・書評

  • ・選手一人ひとりにとって、何が必要なのか、それを見極めるのがコーチングにおける「アート」。選手個々の能力を引き出すためには、どのようなコミュニケーションをとるべきなのか。その見極めにこそ!「アート」が生まれる余地がある。コーチの仕事はいかにそれぞれの人間の能力を最大限に引き出すか、それにかかっている。日本人はアートとあう言葉を、芸術関係のものとしめ捉えてしまう固定観念が強すぎるのかもしれない。

    ・周りの人間に責任を持たせ、その結果、最大限のものを引き出すのが本物のリーダー。先頭に立ってプレーするだけではなく、他者を生かすのがリーダーの役目。

  • ラグビー日本代表チームの快進撃を生み出した、エディ・ジョーンズ氏に関する著書。

    すべての章が面白く、エディ・ジョーンズ氏の考えが本当によく伝わってくるが、とりわけ「TRY6 教育の価値を考える」の章は本当に面白い。高校・大学の部活動の問題点、教育の問題点、マスメディアの問題点などが、端的に表されている。しかも、ラグビーだけでなくすべての競技に当てはまる。

    「「スポーツ 、リクリエーションとは 、人間がクリエイティブになるために必要な活動のことなんです 。仕事などでストレスを感じていたとしても、スポ ーツをすることで 、再び人間はクリエイティブになれる 。しかし 、残念ながら 、戦後の日本ではスポ ーツが持つ 『リクリエ ーション 』の本質から目を背けてしまった 。学校や企業などの組織では 、戦争によって覆された社会の規律を改めて落とし込むために 、スポ ーツを道具として使ったのではないでしょうか ?具体的なコ ーチングの方法として 、戦前の軍隊的な風習が根強く残ってしまった 。上意下達の命令形で 、いまだに日本のスポ ーツ界は 、その呪縛から逃れられないように思えてなりません

    ・・・
    「これはラグビー界だけの問題ではありません 。日本のスポ ーツ界は精神性が重視され 、科学 、栄養学 、医学といった分野が遅れていると思います 。日本のラグビ ー界もトップリ ーグのクラブでさえ 、科学的な発想が不足しています 。そしてなんといっても 、コ ーチングがア ートであるという発想がまったく欠けています」

    「「 『普通でなければならない 』というプレッシャ ーが日本全体を覆っているから 「横並び 」になるんでしょうね 。

    ・・・きっと 、みんなと同じことをやらなければ潰されるというプレッシャ ーがあるんでしょうね」

    「(ジュニア世代の選手は)その年齢でいちばん大切なことは 、きちんとした 『パスとキャッチ 』なんです 。それも 、どうやってパスするかだけではなく 、いつ 、どのようなパスをしたらいいのか 、そうしたスキルを教えていかなければならない」(のにタックルやラックの練習ばかりしている)

    「(ワン・フォー・オール、オール・フォー・ワンという言葉について)「ラグビ ー界でこの言葉を使うのは日本人だけでしょう 。少なくともオ ーストラリアでは 、ラグビ ー関係の言葉としては存在しません 。問題はこの言葉をどういう意味で使っているのかということです 。 『ワン ・フォ ー ・オ ール 』という意味ばかり強調されて 、才能豊かな選手に合わせて周りが働く 『オ ール ・フォ ー ・ワン 』というフレ ーズがまったく無視されているように思えるのです。

    ・・・「その言葉とは裏腹に 、日本のメディアは個人にばかりフォ ーカスを当て過ぎです 。

    ・・・指導の現場は集団を強調しますが 、マスコミは若いス ーパ ースタ ーを求めます 。日本のラグビ ー界の過去のスタ ーを振り返ってみれば 、一目瞭然でしょう 。バックスで 、顔もきれいで 、華麗なプレ ーをする 。それが条件です」

    「日本の大学は満足な練習環境を整備しないのに 、学生に対して時間を費やすことを求めます 。帝京大学が連覇している理由は 、大学が環境をしっかりと整備していることにつきます」

    「ジュニアジャパンの戦いぶりを見ても 、カナダにさえ歯が立たない 。日本の選手たちは所属の大学で毎日練習しているのに 、ですよ 。カナダの選手たちは毎日 、練習したくてもできないんですよ 。どうしてこれだけの差が出てしまうのか 。大学で 『 4年分 』の成長をロスしているのだと思います 。なぜ世界のレベルとこれだけのギャップが生まれるのか 、関係者には考えて欲しいです」

    まだまだ興味深い話がたくさ... 続きを読む

  • ①スポーツに含まれるアートの要素
    スポーツに限定しなくとも、他者とのコミュニケーションの中にアートの要素があることを気づかせてくれる。

    引用↓
    >エディーさんは日本人に「スポーツとはあくまでリクリエーション(recreation)の一部」という発想を持って欲しいという。 「本来、リクリエーションとは、何かをもう一度創造するという意味の言葉です。日本では、『レクレーション』と発音されて娯楽的な意味合いを帯びているようですが、それとは全く違う種類のものです。スポーツは本来の意味でのリクリエーションの一部であり、人間の人生においてエネルギーや活力を与えてくれる活動です、それこそがリクリエーションの本質なのです

    人生に活力を与えてくれる活動をデザインすること。アートであれ、スポーツであれ、仕事であれ、すべての活動に「遊び」「リクリエーション」の要素が必要。


    ②数字の力をコーチング・マネジメントに活かす
    また、アートをベースに、数字をエビデンスにすることで常識の外に出て成果を出すマネジメントができることが書かれています。

    引用↓
    >「まず、ハッキリさせておきたいのは、数学はサイエンスであり、あくまでもコーチングというアートをバックアップするものだということです。だから私は数字に支配されないように気をつけています。ただ、数字で客観的な事実を提示されると、自分の目で試合を見て感じたことの裏付けにはなる。コーチングに有効な数字を使っていくことで、選手のモチベーションの向上にも役立てられます

    そこで導き出されているのが、数字をもとにした戦略成功要因のパターン
    ・パスが11回に対してキックが1回
    ・ポゼッション率54%以上をキープ
    ・W杯で戦う準備は30〜40のテストマッチが必要(指導者として成功するのにもパターンがある )
    ・ポジションごとのピーク年齢


    スポーツは暗黙知の要素が非常に強い。
    感覚的に成功パターンをもっているが、その成功パターンをより発展させたり、チームに共有することは感覚要素のままでは難しい。
    徹底的にデータ解析をし、成功パターンを数値化することで勝つための戦略を明確なものにしていく。

    参考:スポーツ・イノベーション特別編第2回
    時代は「データアナリスト」から「ビジュアルコーチ」へ
    https://newspicks.com/news/1196521/body/?ref=search

    >それでも、ビッグデータの膨大な実績値から相関を見てフィードバックすると、「いや、そんなつもりはないけど」、もしくは「確かにそうかも」と、何らかの気づきが出てきます。

    ③創造性・クリエイティビティをスポーツで育てる

    引用↓
    >一般的に、日本ではスポーツを表現する場合に「創造性」や「クリエイティビティ」といった言葉が使われることはほとんどない。欧米ではよく使われる表現なのだが、そもそも日本にはスポーツに創造性を求めるという発想自体が希薄なのかもしれない

    サッカーのオシム監督、岡田監督、野球だと野村監督(ノムさん)など、プロスポーツの監督が書いた本は下手なビジネス本より学びが多い!

    参考:こんなミーティングが楽しい監督はいない。湘南・曺監督の言葉力
    https://newspicks.com/news/1170017/body/?ref=search

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