Mommy/マミー [DVD]

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監督 : グザヴィエ・ドラン 
出演 : アンヌ・ドルヴァル  スザンヌ・クレマン  アントワン=オリヴィエ・ピロン 
  • ポニーキャニオン (2015年12月2日発売)
  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988013407084

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Mommy/マミー [DVD]の感想・レビュー・書評

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  • 障害を持つ息子と、その母親の姿を通じて、何よりも愛おしく大切なのに、のしかかる肉体的・精神的な疲弊や葛藤、経済的負担のために、共にはいられない関係を、映像や音楽などの総合的な演出を駆使して描いた、グザヴィエ・ドラン監督作品の一つです。

    重度のADHD(多動性障害)のために施設に入所していた15歳のスティーヴは、施設の食堂に放火して重症人を出したことから、強制的に施設を退所させられ、母親のダイアンに引き取られます。

    しかし、夫と死別したシングルマザーのダイアンの生活は苦しく、働くためにも、四六時中スティーヴの面倒を見ているわけにはいかない。また、青年期に差し掛かって体力も腕力もある息子の、障害によるものとはいえ、衝動的で時に暴力的ですらある行動を、女手一人では抑えこむことすら簡単ではない。

    それでも、休職しているとはいえ、教師である、隣人の中年女性・カイラの協力を得ながら、何とか息子を社会に適応させようと奮闘するダイアン。

    三人は、束の間の幸せな時間を過ごしますが、スティーヴがかつて起こした放火事件は、二人の生活に重くのしかかってきて…。

    ドラン監督の普遍的なテーマである、「愛しているが故に、傷つけあい、疲弊し、側にいられない人々の姿」を、「母子」という、どう足掻いても永久に変わらず逃れられない関係性の中で描いた本作。

    それまでのドランらしい、奇抜さや虚実入り混じる浮世離れしたシーンはほとんどありませんが、閉塞感を感じさせる1:1比率の小さな正方形の画面の中に、豊富な色彩と登場人物たちの激しい感情の応酬を配置した演出は、他者では決して踏み込めず、ある種隔離された「母子」の脆い世界を象徴しているかのようで、惹きつけられます。

    狭い正方形の画面が時折拡張するのが、「外の」世界からもたらされる母ダイアンの心の揺らぎや、おそらくは願っても叶わない明るい未来を幻視した時であるのが、これまた、胸にひどく重苦しく突き刺さります。

    ダイアンの下した決断も、物語の結末も、非常につらいものです。

    しかし、たとえ、ダイアンのような障害児の親でなくても、例えば、老人介護を抱えている家庭などにも共通するような、家族として愛情があるがゆえに却って割り切れない感情や苦しみ、今後に対する不安、介護者と被介護者双方の疲弊や衝突、経済的負担などといった、現実的な内容が、全編通じてこれでもかと盛り込まれていて、とてもリアルに胸に迫ってきます。

    家族の愛情や繋がりに終わらず、それでも一緒にいられない要因という現実を包み隠さず描いているという意味では、もしかしたら、(フィクションですが)究極的なドキュメンタリーといえるかもしれない作品です。

    「そういうお話」として覚悟して観られる方と、ドランの作品ごとに変化するこだわりの演出を観たいという方には、オススメな作品です。
    それ以外の方にはとてもつらいと思います。

  • "人生はきっと楽しい
    浮いても沈んでも自分の人生
    止まってほしい時
    早く過ぎてほしい時
    いろいろあるけれど
    一瞬でも素晴らしい景色が、
    体験がそこかしこにはあるんだね "

    ある人が言ってくれた宝石のような言葉をふと
    思い出しました。

    君をみていると 何だかつらい
    無邪気さと無鉄砲、その不器用な剥き出しの心は
    ただ愛を求めていただけだったのに

    喜びと切なさはいつだってセットなんだよ
    たとえ一瞬でも思いをぶつけ、受け止めて
    貰えたのなら人は幸せだ
    生きていけるだろう

    決してなくならない宝物を抱きしめて 囚われることのない自由な心を
    青い空に羽根を広げて
    一瞬が永遠に繋がる 素晴らしい景色を、、
    その記憶が 君を生かす

  • 瞬間瞬間の美よ。
    エモーショナルな瞬間のあふれさせ方の巧みさ。

  • 音楽、カット、展開、どれも秀逸。特に人物の映し方にグザヴィエドラン監督の才能を見た。
    メインの3人、皆それぞれの人生に全力でぶつかっている。やはり母親の子どもへの向き合い方、自分たちの生への向き合い方が、大きな感動を生んでいる。特に母親役の女優さんの演技が光る。クライマックスの寝室でのシーンは何かが憑依したかのよう。何かをぐっと堪えているようでもあれば、身体中から迸るようなものも感じる。傑作である。

  • 「わたしはロランス」で喪失の物語を描いたグザヴィエ・ドランが、今度は失った愛情を取り戻す過程をひたすらに美しく切り取った。無限に広がる母としての愛を自覚しながら、現実という陸地の縁で立ち止まらざるを得なかった彼女の苦しみが胸に刺さる。

  • 2017.2.12
    監督グサヴィエ・ドラン

    見よう見ようと思いながら、この度やっと視聴することができた。「たかが世界の終わり」を映画館に観に行き、すぐさまドランに魅了されてしまった。
    どちらにも共通するのだが、微笑ましい場面、クスクスと笑ってしまう場面がありながらも、ストーリーは重たく、ラストにどどどどっと重いものがのし掛かるような、そんな感じ。人物同士の会話はテンポよく激しさがあり、騒々しさすら感じる。

    演出や映像や音楽には監督の拘りやセンスが詰まっていて、その中に吸い込まれるような感覚になる。とても美しい。

  • 解決が難しい難題息子

  • グザヴィエ・ドラン作品で最高評価だった本作。 しかしながら期待値が高すぎたのか想像以上のインパクトさに 欠けたかんじだ。 テーマ自体がADHDを持つ息子とその母親との悲喜交々、屈折した愛を描いている。母一人子一人で生活する中で、近所に住む女性との交流を境に少しづつ日常生活に平穏さを取り戻すかの様に見えたが、、息子の特異な気質が原因で放火という惨事を招いてしまう。当然ながら母親はその罪を賠償する責に追われ次第に精神的・経済的余裕が失われ、やがて最愛の息子を 強制的に施設に入れる事を選択するのだ。        ストーリー的にはアンハッピーで切なく、不本意にも信じていた母親によって施設に強制入所させられる息子のスティーブの寂しくも悔しい無念の気持ちと、断腸の思いで息子を施設に入れる母親のダイアンが久しぶりに一人暮らしに戻る事への颯爽とした開放感が観ている側をさらなる複雑な感情へと追いやる。 母親のダイアン自身もどことなく子供っぽさの残る性根で時折、息子と全面的に喧嘩してしまい収集がつかない場面がある。母親というだけでなく一人の女性として自由気ままな暮らしぶりで奔放さが伺える。そんな不器用な母親へ一頻り不器用に一途に尽くし屋な息子。ある意味で親子以上恋人未満的な関係にすら見えてくる。所々、伏線が消化できず腑に落ちない点がいくつかあり、消化不良感がある。あえてもどかしいエポソード、または解決し得ない日常の問題をそのまま放置してありのままに表現した結果なのか。。とにかく謎です。 本作は画面サイズにも拘りがあり正方形の構成で観ている最初は少し違和感を感じたが次第に気にならなくなった。 作品全体にいつも言える事だがファッションや絵的な表現力は流石にグザヴィエ・ドラン=クウォリティ!   私の中でインパクト大な母親といえば、やはり「マイ・マザー」の母親が一番インパクトがあり、典型的な「おばさん」だったね。わかりやすいし、単純に面白いです。

  • 何か解決策や希望を見せることはないので重苦しさはあります。独特の狭い画面で状況 のギリギリな感じを加えていますね。それが三人揃ってサイクリング(彼はロングボードでカートを押しているんですが)のシーンと三人揃って海辺にドライブに出かけるシーンで画面が広がり、開放的な気分になります。母親の毎日を一生懸命生きている姿がとてもたくましい。

  • 愛を求めながらも不器用にふるまうほかないADHDの息子と、息子の暴力に手を焼きながらも必死に愛し生活していこうとする母親。子供に障害がある場合、育児を放棄できる法律があるという設定のもと、母親の愛が試される。

    音楽がツボでした。曲の歌詞によって登場人物の感情を描く手法や的確な演出によって分かりやすい。ドラン風の激情的な登場人物の愛の揺れを描いた傑作というほかない。

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