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「最強の鬼を持ちながら、意のままにできぬとは無能だ」一族最年少の鬼使い・鴇守(ときもり)に冷たく言い放つ美貌の男・右恭(うきょう)。陰陽道を駆使し、鬼使いを陰で支える修復師だ。言葉はキツいけど、この人なら俺を導いてくれる――右恭の下で修業を始める鴇守だが、「俺以外の鬼や人間と浮気するな!!」嫉妬深い恋人の鬼・夜刀(やと)が、右恭に敵意を剥き出しに! そんな折、鬼が次々と一族を狙う事件が発生し!?
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相変わらずの鴇守至上主義な夜刀が良かった。
鴇守と二人きりでいちゃいちゃできれば他に何もいらない夜刀。でも、矢背家の人たち、それも鬼使いではない普通の人でさえ鬼に襲われる事件が発生して、鴇守が少しずつ変わっていく。夜刀以外の鬼に会うのが嫌で、当たり障りのない仕事だけこなしていればよかった鴇守が、一族の助けになりたいと、力をつけていくことに前向きに努力を始める。修復師の右恭の存在も大きい。六道の辻で千代丸をふるって鬼と戦う鴇守とか、変われば変わるもんだなあと思った。
変わっていく鴇守。でも、夜刀は変わらない。鴇守一番。鴇守ラブ。ほんと夜刀がワンコな男前で、ステキすぎる。
正直なところ、七目が矢背の血族を襲わせた理由とかなんじゃそりゃで、なんか肩透かしを食らった感じだったけど、鴇守が鬼使いの自覚を持って鬼に対峙するようになるという変化と、右恭の登場という、1巻と3巻をつなぐ大切な役割の巻だと思う。