逆行の夏──ジョン・ヴァーリイ傑作選 (ハヤカワ文庫SF) [Kindle]

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  • 逆行の夏:クローンもの
    さよならロビンソンクルーソ:少年がじつは経済相だっという話。第二の幼年期をすごしている。
    バービーはなぜ殺される:肉体的画一性のもとで暮らすコミュニティーでの殺人事件。潜入捜査。
    残像:全盲全聾のコミュニティーにたどり着いたヒッピーの話
    ブルーシャンペン:頸椎損傷をした女性が、ボディガイド(人工四肢)で自由を得て女優となり、恋をするが、会社から〝身体〟をとりあげると脅されて、相手と恋に落ちた過程を記録した情報を売って、恋人と別れる。
    Press enter■:ハッカーの死とそれを捜査するベトナム系移民のリサ、そして、北朝鮮の収容所で〝洗脳〟をうけたアメリカ人ヴィクターの話。NSAに殺害される。

    基本的に70年代〜80年代の作品で、宗教観などニューエイジ感がある。

  • 個人的に70年代アメリカSFの到達点。
    「逆行の夏」とか「さよならロビンソン・クルーソー」あたりは夏に読みたくなるんだよなぁ。

  • ずいぶん前にSFマガジンで読んだ「プレス・エンター」をもう一度読みたくて、ヴァーリィの傑作集を買った。
    収録されている作品は主に「八世界シリーズ」を構成するものらしいのだが、このシリーズは未読なのでよくわからない。でも、どれも“SF”という感じでおもしろかった。SF的な設定を用いた“なんちゃってSF”ではなく、SF的な設定の中で、きちんとその設定を活かす話が作られている。昔(中学生くらい?)、ヴァーリィは苦手で、何冊か買ったのに読み通せなかった。手放してしまったのが悔やまれる。

  • 「逆光の夏」イメージ喚起力が半端ない。水銀の池で泳ぐシーンはわくわくする。ストーリー的には尻切れトンボな気もするけど。
    「さようなら、ロビンソン・クルーソー」10代前半の少年が、南の島をモチーフにしたテーマパークで1人暮らしている。不自然な設定に違和感を覚えるが、真相が分かるにつれ切なくなる。
    「バービーはなぜ殺される」他者との差異を徹底的になくすことで幸せになれると信じる宗教団体で起きる連続殺人の話。主人公の女性刑事が良い。
    「残像」一番好きかも。視覚も聴覚も不自由な人々が自立して暮らすコミューンで暮らすことになった男が主人公。彼らがかわす「会話」や独特のルールがすごくリアルで迫力がある。現実との境界が曖昧になるラストも◎。
    「ブルーシャンペン」ストーリーは少し陳腐かな。理解力に乏しいせいか、うまく「バブル」をイメージできなかった。
    「PRESS ENTER■」壮絶な過去を克服して幸せになろうとしてる男女が、発展した「コンピューター社会」によっていとも簡単につぶされる恐怖が生々しい。ネタは古いけど。

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