- Amazon.co.jp ・電子書籍 (373ページ)
感想・レビュー・書評
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イーロンマスク。胡散臭く、大風呂敷を広げるトリックスターのような雰囲気を纏う。スティーブ・ジョブスの持つカリスマ性とはかなり違っていて、どうも好きになれない男だと思っていた。
ウクライナ侵攻があった2月24日の2日後に、ウクライナのフョードロフ副首相はツイッターで「私たちはスターリンクのシステムをウクライナに提供してほしいとお願いする」というメッセージを2月26日に送った。スターリンクを立ち上げたのはイーロン・マスク。マスクは、スペースXの事業の一部としてスターリンクを2015年からスタートさせた。スターリンクは2000個以上の衛星をすでに運用している。人工衛星で宇宙からインターネットに接続できるサービスを提供している。マスクは、その翌日27日にSNSで返信した。「スターリンクのサービスをウクライナで開始した。ターミナルをどんどん送る」と。そして、ウクライナのSNSがスターリンクのおかげで、世界に拡散するのだった。マスクのスピード感に驚いた。そのおかげで、ウクライナ侵攻の情報が溢れたのだ。
いやはや。私は、そのイーロンマスクの行動に驚いたのだ。少なくとも、思想がある。
意外と面白い男かもしれないと思って、本書を読んだ。
1971年南アフリカで生まれる。10歳の時にコンピュータを父親に買ってもらい、プログラミングを独学。12歳の時に、Blasterというソフトウェアを創る。学校ではあまり目立たない存在だったという。
本を読むことが好きで、片時も離さず本を読んでいたという。読む本がなくなって、百科事典を読んでいたという。カナダの大学で物理学と工学を学ぶ。弟キンバルといろんな経営者に会って話を聞いた。スタンフォードの大学院に入るが、中途退学。1995年に弟とオンラインコンテンツをつくるZip2社を企業。1999年にコンパック社にその会社を売り、2200万ドルを手にする。
インターネット銀行を構想して、ペイパルの前身の会社を作る。2002年にイーベイがペイパルを15億ドルで購入することになり、一気に億万長者になる。そして、スペースXに1億ドル、テスラに7000万ドル、太陽電池のソーラーシティに3000万ドルを投資する。
紆余曲折があり、現在の地位を確保する。とにかく、目標が壮大で、「火星に居住する計画」を打ち立てて、民間でロケットを上げることを傾注する。イーロンマスクは、技術者としても卓越した技量を持っている。そのことが、大きな支えになっていて、優秀な人材を直接会いに行き、口説いてスタッフに入れる。必要な人材を集めて、無駄な人材は電話一本でクビにする。いやはや。独裁者だ。
それにしても、やはりアメリカはすごい。経営者、管理者、技術者の層が厚い。新しいものに取り組み気概の人たちが多い。目標が明確になるとそれに賛同して参加する人がいて、合理的だ。日本との違いを感じた。リチュウム電池7000個の電気自動車という発想もすごい。できることから、初めていく。100%電気自動車というシンプル性もいい。そして、IT技術の進展が、急速に進むことによって、シミレーションができる。何をなすべきか?そのために、どういう人材を集めるのか?上手くいかない理由は何か?とにかく、長期的な目標を見据えて、徹底して追求する。
ケタ外れの思考力と集中力、そしてお金のチカラ。宇宙開発、電気自動車、エネルギーにお金を注ぎ込む。失敗を恐れないし、失敗を教訓として前に進む。
2008年8月2日ファルコン1の3回目の打ち上げ。失敗する。スタッフは涙する。イーロンマスクは言う「もうすぐじゃないか。今度こそ行ける。こんなことでへこたれるな。すぐに冷静になって、何が起きたか見極めて、原因を取り除けばいい。そうすれば失望は希望と集中に変わるんだ」。
そして、4回目の打ち上げは成功する。そして、月に1回は打ち上げるようになり、ファルコン9に発展させる。
マスクはいつも純粋な視点で語る。デザインと技術を選ぶ時には、理想形の車に少しでも近づける方向で考えなければならないと思っている。優れたものを作るか、作らないかだけなのだ。
マスクの資金、大風呂敷のマーケティングセンス、狡猾さ、情け容赦ない人事、技術的な知識とコストダウン能力、そして長期的な視点とケタ外れた戦闘心が、イーロンマスクを支えている。
「イーロンマスクは、他人の気持ちを考えない。周囲への気遣いがない」と言って、離れていく人が多いのも、ギフテッドチャイルドであり、アスペルガー症候群のイーロンマスクたることだ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
アシュリー•バンスから見た真実のマスク。
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イーロンマスクの起業家・経営者としての道のりを理解するのには役立つが、人間としての深掘りはさほどないためマインドや人間性を知るという点では物足りない。イーロンマスクのとっかかりという意味では手早く読みるし良いとは思う
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スティーブ・ジョブズとの比較・違いが論じられるけど、どちらも人間的にはクソ野郎ということは共通していると思う。
稀代の起業家イーロン・マスクの半生を綴った初の伝記である。
彼が民間宇宙事業スペースxおよび100%電気自動車テスラといった2つのイノベーションをいかに実現させたかが本人および周囲の人々への徹底した取材に基づいて綴られている。
本書で強調されているように、マスクがその他大勢のスタートアップ起業家と決定的に違うのは、テクノロジーに基づいた垂直統合されたイノベーションを実現したことだ。
(WEBアプリをちょっと開発しただけで、世の中を便利にすることで満足しているのとはワケが違う、ということだ)
それが実現できたのは、マスク本人が明確なビジョンをもっていることが大きい。
もっとも、そのビジョンに巻き込まれてる周囲の社員はたまったものじゃないけど。
個人じゃなくて組織で仕事を進めるのには、マネジメントって本当に大切、と(逆説的に)思い知らされる。
さて、昨今、マスクがTwitterを買収することが報じられた。
マスクの大きなビジョンに、たった140文字のアプリがどのように巻き込まれるのか、1ユーザーとして本当に楽しみだ。
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テスラモーターズやスペースXなどの創業者であり、世界的な実業家イーロン・マスク氏の自伝。生誕から起業して現在に至るまでの過程に加え、将来のビジョンが書かれています。常識に囚われない考え方、目標達成への執着、失敗をバネに挑戦するメンタルなど、経営やビジネスに有用だと感じました。
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ちょっと古めの本だけど、イーロン・マスクのことを断片的にしか知らなかったので、そのバックグラウンドが気になって読んでみた。同世代の巨人はいったい何を考えているのか。
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イーロン・マスクの伝記です。終始、彼の破天荒さというか我々の想像の斜め上をいく思考や行動に驚かされますが、
①出来ない言い訳ではなくどうすればできるかを考える
②失敗を恐れず、常に前に進む方法を考える
の二点が、やはり突出しているのではないかと思います。
あとは、ミッション・ビジョンというと軽く聞こえるかもしれませんが、拘りと信じ抜く力が半端ない・・・。ドットコムバブルに始まり、スペースX、テスラ、そして太陽光エネルギー。元々は、子供の頃に興味あったものを、実現していること。そして、何より、今の日本の企業では、決してできない働き方。これだけ突出した方々を相手に、日本の昔ながらの企業は、果たして対抗できるのか?まず無理ではないか。そうすると、やはり10年後くらいには、企業家ではなく、起業家が増えるのも必然ではないだろうか。 -
「次のジョブズ」と言われるイーロン・マスクの評伝。
6月にアメリカ西海岸に行ってから、イーロン・マスクのことが気になってしかたなかったので、この本を読んでみました。
スペースX、テスラ、ソーラーシティという非常にイノベーティブな企業を、それも一人で展開している人物。「火星に人類を送り込む」というスローガンだけを見てもわかるとおり、大変控えめに言って、クレイジーな人だと思うし、一癖もふた癖もある人物のようだけれど、不思議な魅力があると感じた。
これと決めたことに対するこだわりと熱意、妥協しない精神、あらゆることに対して求めるスピードの速さ。
スペースX、テスラ、ソーラーシティには、そんなイーロン・マスクの思いが具現化されているように思う。 -
鶏が先か卵が先かという問題と同じで、電気自動車が十分に売れるかどうかわからないから、自動車メーカーは電池の大量購入を保証しない。だから電池メーカーはこれ以上作れない。つまり自前で作らなければ、十分な量を確保できないんです。ところが、誰もそれをやりたがらない。
いま、なかなか難し目なことしてます。少なくとも部内での先駆者はいなさそう。できないだろうなーと現実を見つめる自分と、何がなんでもやってやるぞという自分が同居している感じです。
やった者勝ちなのかなと。諦めずに続けてたら、いつかは何らかの光明が指すのかなと。そんな精神論満載で取り組んでいます。精神論でしか語れないところがネックですので、どうにかしてその取り組みの妥当性を説明しうるロジックを組み立てたいと思います、これも精神論ですが。