アメリカン・スナイパー [DVD]

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監督 : クリント・イーストウッ 
出演 : ブラッドリー・クーパー  シエナ・ミラー  ルーク・グライムス  ジェイク・マクドーマン  ケビン・ラーチ 
  • ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント (2015年12月16日発売)
  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4548967231441

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アメリカン・スナイパー [DVD]の感想・レビュー・書評

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  • 実在のネイビーシールズのスナイパー、クリス・カイルの伝記を映画化した内容。

    映画としてはさすがの出来だった。けど事実の重みになにをどう書いていいか迷う。
    観た人ならわかると思う。これはイラク戦争を賛美し英雄を描いたものでも、‘戦争は嫌だ’といった生ぬるい反戦映画でもない。戦争によって心を蝕まれた一人の男が苦悩するストーリー。戦いによって人生を書き換えられた人間の話だ。で、あるがゆえに結果として究極の反戦映画に仕上がっている。

    ただ、米国では物議を醸している。イラク戦争を賛美した、いや、クリスは戦争の英雄。的外れな批評だろう。
    これまでイーストウッドは「父親たちの星条旗」や「グラン・トリノ」で戦争によって心に傷を負った男たちを描いている。戦争映画と違うが「ミスティック・リバー」もその系譜に連なる。過去に暴力から受けた心の傷が、その後の人生に大きな影響を与えるストーリー。本作もやってることやテーマは同じ。だから読み間違えることはないと思うんだが。

    映画の出来としては申し分ない。一瞬たりともスクリーンから目が離せない戦場は緊迫のショットの連続だった。不安感を増幅させるような戦車の音響から物語が始まる冒頭。クリス・カイルが爆弾を抱えたイラク少年に照準を合わせたシーンから彼の生い立ちへと続く構成の妙。戦地から戻るたび心の傷が深くなるクリス。その過程を丁寧に描く演出が巧い。

    主演を演じだブラッドリー・クーパーは光っている。虚ろな目。平常でも高い心拍数が傷の深さへの伏線となっている。怒りをコントロールできない荒々しい態度。些細な物音に過剰反応してしまう姿。妻の話を聞いてそうで聞いていない、一点を見つめる心ここに在らずの表情。フラッシュバックする記憶と銃声と叫び声。狙撃手としてよりもイラクから帰還する度にPTSD(外傷後ストレス障害)に苦しむ度合いが深くなる様子が(観ていると胸苦しくなるが)演技によって伝わってくる。

    ひとつ注文を付けるとすれば、イラクのスナイパーと対決するシーン。終盤クリスがイラク側のスナイパーと対決する。クリスが放った銃弾が弾道とともにスローモーションで表現される。どうしてもこのシーンで安っぽい印象を受けてしまった。マトリックスじゃあるまいし。どうしてこんな演出をしたか、監督。と。

    戦場のシーンは緊迫感があった。でもそれ以上に不安感と恐怖を覚えたのが銃後の日常。戦場から妻・タヤに電話するクリス。運悪く銃撃戦が始まる。タヤの電話口から聞こえる銃声。本国にいるタヤは病院から出てきたところ。妻は動揺する。が、タヤの周囲の人々は、日常は、平穏そのもの。まるで戦争など無関心かのよう。戦場と銃後のパラレルワールドのような演出。だが、演出を超えて、世界中で戦争をしているのに本国は平和そのもの。そんなアメリカの現実を映しているようでゾっとした。

    最も怖かったのがラスト近くにクリスがおもちゃの拳銃を妻に向けるシーン。ふざけ合っているだけ。でもどこか不穏で不安感を掻き立てる。心を病んだイラクの帰還兵が起こす無差別殺人は今までに100件以上にのぼるという。一番多い犠牲者は兵士の妻だ。もしかしたらこのシーンはその比喩だろうか。

    映画の内容と関係ないことはレビューに書くべきではないかもしれない。でも、あえて。
    物語で描かれなかったがクリス・カイルを射殺したのは元海軍兵のエディー・レイ・ルース。本作が日本公開された3日後にテキサスの裁判所が判決を言い渡した。
    仮釈放なしの終身刑。 映画が陪審員にどういう心象を与えたかは分からない。
    ルースの半生を追った記事を最近読んだ。テキサス生まれ。クリスと同じ高校を卒業し海軍に入隊。イラクに派遣される。人間扱いされない捕虜に心を痛め、銃を発砲する子供に動揺した。テキサスに戻ると頻繁にパニックに襲われ、深夜に些細な物音で飛び起きる。薬物と酒に頼り自殺未遂を繰り返した。
    ルースも戦争によって心に傷を負い、PTSDに苦しんだ(スナイパーではないがクリス・カイルと同じ)兵士だった。

    事実の重みの前では、本作のレビューを書くのはどこか虚しい。これがすべてフィクションならどんなにいいだろう。

  • エンドロールを眺めながらすごい作品を観てしまったと震えました。イーストウッドなんだから、そう単純じゃないのは考えれば分かるのですが、戦争ヒーロー映画だと思ってました、ごめんなさい。

  • 各所のセリフのチョイス、
    主人公の頭のキレの良さからくる言葉遊び。
    奥さんを落とすところなんて、きゅんとしました。

    各所、専門用語的な部分などがわからなくて
    全てを理解できていない気がする…


    戦争の是非、正義はどちらなのか、敵とは?
    どちらも殺されるべき存在なのか。
    最後に英雄のように扱われる主人公に、美しさを感じつつ、それで良いのかと悲しくなったり。
    でも、ぞんざいに扱ってほしいというわけではなく…

    色々、考えさせられる映画だった。
    でもクリントイーストウッドが好きだから…と思ってレンタルしたが、観てよかったと思った。

  • イラク戦争で活躍した名狙撃手のお話。実話。

    文字どおり、主人公はアメリカン・スナイパー、敵国兵士を何人も殺し自国兵を救った、米国の英雄。軍人として兵士としてするべき仕事をしたのだと思います。彼の生きた世界で、持ち場での役割を果たした。誰もそれを責められるはずがないと思います。彼はそう思っていないのでしょうけれど、世間の少なくない人が、彼もまたイラク戦争の犠牲者の1人なのだと思っているでしょう。

  • これが実話だと言うのだからやはり日本人は平和ボケなのだ。
    武器を手に取り戦地に向かうということは、すなわち、人を傷つけることや殺めることが使命となるのだ。その狂った環境から抜け出してもなおその使命感から解放されることはない。
    笛が鳴ったら試合が終わるゲームの世界とは違う。それが現実であり、戦争なのだと嫌でも感じさせられる。
    そして、その苦しみから抜け出せたと感じた瞬間に訪れる復讐の連鎖の始まりの合図。
    人間は、どうして傷付けることを止められないのだろうか。
    後味が非常に悪く、銃撃シーンの描写も逃げがないリアルなものであるため上映中や終了後に具合が悪くなる人が続出したと話題であったが、それでも観るべきと思える逸作である。
    そして、この作品は戦争というものが映像作品の中のお話ではなく今も世界のどこかで同じ思いをしている人、苦しんでいる人が少なくないことを伝える1つの術となろう。

  • ネイビー・シールズ最強の狙撃手と呼ばれたクリス・カイルさんを題材にした映画です。イラク戦争に4度従軍しその度に多くの戦友を救ってきたカイルさん。そして家に帰れば良き父として家族と最高の時間を過ごすカイルさん。戦争賛美では決してないこの映画を観て、平和について色々と考えさせられるのではないでしょうか。

  • 観る前から楽しみにしていた。イーストウッドは(もう83歳!)戦争をどう描くんだろう、と。
    期待に反しなかった。
    思ったよりは戦闘シーンが多かったけれど(もっと葛藤を描くのかと思っていた)、でも見終わったあとに「こういう人がいました。あなたはどう思いますか?」と問いかけられている気がした。

    それにしても、ブラッドリー・クーパーはかっこいい!『世界で一つのプレイブック』もよかったし、好きな俳優。

  • 伝説の狙撃手 クリスカイルの実話をもとにして
    つくられた作品。公式の記録というのが、すごいなぁ。
    160人を射殺したと言う。1900mのはなれた対象を射抜く。
    確かに、現実離れしている能力をもつ。
    アメリカ人が、なぜ イラクで闘うのか?
    そして、悪とはなにか?アメリカの国のために、
    家族を守るためにと言いながら、イラクなんだよね。
    沢山殺したことよりも、仲間を失ったことが、心の痛みとなる。
    クリスカイルの妻が 徐々に蝕まれていく ことを
    じっと我慢しながら、見つめる尊さ。
    アメリカにおける 英雄のありかたに 疑問を投げかける
    クリントイースドウッドの編集力は すごいなぁ。

  • 機内で視聴

    この映画をめぐって、戦争を賛美する内容かどうかで保守派とリベラル派の間で大きな論争が巻き起こったらしい。
    時間がたったいま観てみると、戦争を賛美している映画とは思えない。
    イラクで戦う兵士の姿を、クリント・イーストウッド監督がリアルに客観的に描いた映画だと思う。

    よその国に乗り込んで女・子供を含めて160人以上射殺した男をなんと呼べばいいのか。
    仲間の米兵の命を救った英雄と、ストレートにいうのをためらわせるものがある。この映画を見て単純にこうなりたいと思う人がどれだけいるだろうか。ヒーローというよりも、むしろ、国家という巨大な歯車に潰されないよう必死に抵抗する男の姿のようにみえる。

    印象的なのは、父親と男の子の交流のシーン。
    テキサス生まれでカウボーイに憧れた主人公が、こどものころ父親から教わったように、子供に猟のやり方や銃の打ち方を教えるシーン。

    こういう姿が親子の絆として牧歌的に描かれるのがアメリカの社会。
    最近まとめてみた西部劇の世界では、銃を自装していることがあたりまえの社会だったが、それが文化として伝承されていることを思い起こさせる。

    原作は実在の兵士の自伝。
    主人公クリス・カイルは、戦争の後遺症であるPTSD(心的外傷後ストレス症候群)で苦しむ帰還兵や退役軍人を助ける活動を行ってる最中、銃で撃たれて死亡している。

  • 戦争で壊れていった主人公は最後は本当に日常に帰ることができてたのだろうか。音楽が印象的だった。

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