- Amazon.co.jp ・電子書籍 (380ページ)
感想・レビュー・書評
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体に良い食事、運動、ストレスをコントロールする。
昔から言われている体に良いこと、というのは科学的に裏付けられているということ。どうしても現代人は運動不足になるし、食事もファストフードなどが増える。これをどう克服していくか、というのは簡単なようで本当は難しい。
ただ、高負荷の運動なんてやらなくてもいいし、つまらない勉強をする必要もないだろうから、背伸びしてちょっとできるかできないかのところでチャレンジしていく、という姿勢が、人生を豊かにして終わらせてくれるのだろう、と思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
テレビを見るとバカになる。コロンビア大学の研究で証明されてしまった。コロンビア大学での、レジャー活動(読書、文章を書くこと、パズルゲームをすること、グループでの議論、テレビを観る、など)による脳機能の変化についての研究で、脳機能低下に結びついた唯一のものが、テレビを観ること。さらにテレビばかりを見ていた被験者の一部が年が経つにつれて認知障害を起こしていったという。つまり、パズルゲームや読書は認知障害のリスクを減らすが、対照的に、テレビを観ることは認知障害のリスクを増やすことにつながるという。またミシガン大学でのワーキングメモリに関する実験でも、テレビだけを見ていたグループと比較して、議論やパズルを行ったグループは課題のスコアが良かったという結果が出ている。
本書では脳に適切な刺激を与えることで、脳機能を強化するだけなく、アルツハイマー病の発症を遅らせる、あるいは発症しても進行を緩やかにすることができる、ということを様々な実験結果をもとに示している。さらに脳のトレーニングだけでなく、ボランティアなどの社会的な活動、身体エクササイズ、食事の重要性などにも触れ、脳機能を強化することに必要なことは何かを明らかにしている。
本書が一番伝えたかったことは、「脳は大人になると固まってしまい、後は機能低下するだけ」という常識を覆し、「大人の脳も良くなる」ということなのだろうが、「テレビを見るとバカになる」が証明されてしまったことの衝撃は大きい。薄々気づいていたものの明確な証拠がなかった事が2つの研究で示されてしまった。なお、ミシガン大学の実験では、テレビを観る時間を減らし、"節約した"時間を使って認知力を刺激する活動をすることでスコアが良くなることも明らかになっている。テレビを消す。これが脳機能を強化するために最初にするべきことのようだ。 -
脳には可塑性があり、ただ単に老いて滅びていくのではなく、その都度形成され作り直されているのだという理論に基づいている。脳のフィットネスを提唱するものはほかにもいろいろあるが、様々な立場からの学問的根拠をあげようとしている点がユニークだ。
結論から言うとここで紹介されていることが論証できるものであるのかは分からない。それは著者自身が繰り返していることである。学術的根拠はないが、それをやれば効果があがるであろうと考えられているものが列挙されている。
脳機能の劣化を送らせるには、運動をしたり、創作や楽器演奏などの趣味的なことに力を入れること、勉強の習慣、食品の摂り方など、どれもこれまで語られてきたものであるので、目新しい情報は少ない。でも可塑性という大前提のもと、高齢者でも脳の成長は期待できると言い切っていることには勇気がもらえる。 -
これといって新規性のない話。
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kindleの月替わりセールで購入
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本文の構成は、一般被験者による質問に対して、研究者が研究結果をもとに回答していく構成になっている。
そのため、正確な回答をしようと研究内容の説明や他者の論文の引用などが多く、簡潔な回答までには至らず「可能性が高い」といった回答ばかりが続く。
明確な回答を求めている読者にとっては、とても憂鬱な読書時間が続き、最新の研究結果を求める読者であれば、多くの論文を読む時間の節約になる。
結果重視の方は、本書4012のAppendixから読むことをお勧めする。 -
書籍名の通り、脳を鍛える(可能性が高い)方法が記載されている。一言で言えば、脳を鍛える方法に決定論はない。が、鍛えることは可能そうだ。飽くなき探究心を持ち、能力を高めたい人には、一読を勧める。
余談だが、脳こそ、人類最後の未開の地なのかもしれないと思った。 -
【脳の最適化】
A.人間の脳には、約1000 億もの神経細胞(ニューロン)が存在し、これがネットワークを形成することで、脳は機能する。脳機能を支えるニューロン・ネットワークは、繰り返し刺激を与えるとつながりが強まり、刺激しなければつながりは弱まる。これは、「脳は鍛えることができる」ことを意味する。
B.学習や新しい技術の習得は、脳の神経的な結合を構築し、強靭にする。例えば、ピアノ演奏を学ぶと運動野が激しく活動する。だが、上達するとニューロンの活動が低下するため、チャレンジの度合いを上げる必要がある。
C.社会的なつながりが、認知力が低下するリスクを減らす。よって、図書館、病院、学校などでボランティアを行ったり、読書クラブなどに参加したりするとよい。
D.慢性的なストレスは、神経細胞に悪影響を与える。ストレスをコントロールし、脳を健康な状態に保つには、瞑想、ヨガ、散歩などを通してリラックスするとよい。また、笑うことも、ストレス緩和に有益である。