DAYS JAPAN 2016年 01 月号 [雑誌]

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  • / ISBN・EAN: 4910164970162

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  • 表紙の写真は、ロシア空軍の爆撃機からISの拠点を爆撃する「とされる」爆弾。シリア。2015年11月15日。Photo by SPUTNK。

    テロへの報復のための空爆が続いている。フランス・パリテロ事件では少なくとも130人の人々が殺害された。ロシア機墜落事件では224人の犠牲者が出た。それに対して、仏英はすぐさま空爆を再開し、ロシア空軍も空爆を激化させた。ドイツも支援を決めた。

    フランスやロシアの犠牲者はその正確な数だけではなく、名前もすべて知れ渡る。しかしシリアで犠牲になった民間人の数が報道されることはない。「その世の中の不平等を正すことが、正義である」という信念ののもとに、また新たなIS戦士が誕生しているとしても、何の不思議もないだろう。

    DAYSJAPANは書く。「(クラスター爆弾のように、周囲を殺傷してきた犠牲者に対して)しかしアメリカはそれでも、こうした犠牲を「付随的被害」と呼びました。付随的被害とは、軍事用語で「攻撃によって出る一般住民の被害」のことをいいます。村に潜む敵を殺害するためにミサイルを撃つと、周辺の家族や住民が巻き添えに遭います。米軍はそれを、「仕方ないもの」と説明するのです。どの程度まで付随的被害を良しとするかは、各国の軍の裁量に任されます。こうして、増大する民間人の死者は織り込み済みとなったのです。
    米軍や日本は、「米英などの占領軍を襲うのは、現地のごく一部の武装勢力だ」と言い続けました。違います。イラクでは、無抵抗の子供たちが占領軍の銃弾で殺され、怒れる市民が武器や石を手にし、今度は「反占領軍の闘い」が燎原の火のように広がったのです。
    こういう一般市民も「テロリスト」だというのでしょうか。「テロリスト」とは、誰のことをいうのでしょうか?」

    イラク戦争とその後の占領軍による爆撃の民間人犠牲者は、アメリカとカナダの研究者による調査では、50万人にものぼるという。

    11月下旬に公表されたシリア人権監視団の報告によれば、9月末に始まったロシアの空爆で少なくとも403人の市民が死亡、そのうち97人が子どもだった。

    日本はとっくの昔に無関係ではなかったが、今やISの標的のひとつである。

    各国の軍は甘い見通しで戦線を拡大し、政府は外交による解決を先送り、先送りをする。情報が統制されて、メディアは憎しみを煽り国民は政府を扇動する。それは正に80年前の日本で起きたことである。

    2016年1月5日読了

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