印象派で「近代」を読む 光のモネから、ゴッホの闇へ (NHK出版新書) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 印象派の人々が生きた時代がどのようなもので、
    何を描いてきたのかというイメージを掴むことができた。

    歴史を知れば美術館を訪れた際にもっと楽しめるんじゃないだろうかと思う。

  • 写真とチューブ式絵の具の誕生が印象派絵画の発展に寄与したという話がおもしろかった。

  • 時代の空気や風景、風俗を情感たっぷりに描き出す印象派は、目に見えてのわかりやすさから日本でも高い評価を受けている。
    本書は、それらの絵がどういった背景を持って描かれ、どういった感情を持って受け入れられていたのかを初心者にもわかりやすく語っている。

    電子版では多数の絵画がカラーで収録され、また着目するポイントなども付記されていて、前提の知識がなくても楽しく読むことができた。

  • 『怖い絵』の著者による印象派の解説。その生まれた時代の歴史的背景や画壇の状況、印象派が絵の題材に選んだ当時の風俗・文化を振り返る。当時の人々の暮らし・階級による違いが詳しく説明されているだけでなく、一つ一つの絵に解説がついており、印象派の絵を単に「感じる」だけではなく、「理解する」ことができる。フランス文化に憧れた米国や日本の浮世絵が印象派に対して与えた影響についてもわかる。

    日本人はなぜ印象派が好きなのか?印象派以前の絵画の持つ意味を理解するには、神話や聖書、歴史などを知っている必要があるが、印象派は明るく眼で見て感じ理解することができるからではないかというのが著者による説明。歴史や宗教に対する理解が進めば、印象派以前の絵画も人気が出てくるのではないかと期待を込めている。

  • 美的な観点からの観賞に耐えうるだけでなく、時代をそのまま切り取るメディアとしての一面がある絵画。特に印象派はこれまで芸術に求められていた神話への言及といった制限から開放されたため、より時代を写す傾向が強くなった。

    そういった事情を踏まえ、絵画から時代背景を読み取るように観賞するとより一層楽しむことができる。その入口としてわかりやすい解説が得られる本。

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著者プロフィール

早稲田大学、明治大学、洗足学園大学で非常勤講師。専攻は19世紀ドイツ文学、オペラ、バロック美術。日本ペンクラブ会員。著書に『情熱の女流「昆虫画家」——メーリアン』(講談社)、『恋に死す』(清流出版社)、『かくも罪深きオペラ』『紙幣は語る』(洋泉社)、『オペラで楽しむ名作文学』(さえら書房)など。訳書に『巨匠のデッサンシリーズ——ゴヤ』(岩崎美術社)、『訴えてやる!——ドイツ隣人間訴訟戦争』(未来社)など。

「2003年 『オペラの18世紀』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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