鍵の掛かった男 (幻冬舎単行本) [Kindle]

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  • 幻冬舎
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感想・レビュー・書評

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  • がっつり長かったー。
    物語色強かったけど、ちゃんとあれがそうきたかー!もあって良かった。

  • 作中でも表現されているように、”螺旋階段”を思わせる物語。同じところをぐるぐる回っていて解決になかなか辿りつかないように見えて、着実としっかりと螺旋階段を上りつづけ、ついには”真実”に辿りつく。

    後出し的な情報も多く、古典ミステリーのように「証拠はすべてそろったので、さあ推理してみてください!」みたいな場面もあるんだけど、実際は情報は完全には足りてなかったり。
    そういうところは気になったんだけど、”鍵の掛かった男”である梨田という人間への興味がぐいぐいとページをめくらせた。

    火村英生シリーズの一冊ということで、シリーズを一冊も読んだことが無いとキャラクターの説明があんまりなく、作中に出てくる”謎”が今回の作品だけなのか、シリーズ読者へのサービスなのかがわからないのがちょっと困った。

  • 本当に久しぶり!の火村シリーズ長編。数えてみたらほぼ10年ぶりか。

    ここのところ火村シリーズをいくつか読み返しているのだけど、手元にあるのはここ数年のうちに出版された中短編集ばかり。久しぶりの長編はかなり好評のようなので我慢できずに電子書籍で買っちゃった・・・けど、これは読み応えがありました。

    まず、タイトルが秀逸。「鍵の掛かった男」か。アリスと火村が関わり始めた時点で既に死亡していた男の謎に包まれた人生を追う、という面白い趣向、。確かに「鍵の掛かった男」という感じだわ、こりゃ。
    ミステリのカタチをとりながら、一人の男性の過去を追うことで見えてくる人生のさまざまな局面。純粋なロジックで勝負してくる江神シリーズとは異なり、このミステリ以外の部分が火村シリーズの醍醐味かな、と思う。友人とこの部分を「有栖川有栖のリリカルな部分」と評したことがあるけど、この部分でもこれだけ質の高いものを提供してもらえると、読者としては大満足です。

    それにしてもアリス、「日航機事故の85年には4歳だった」ってアナタ・・・。ワタシが90年代前半に読んだ国名シリーズの時点で、もう30歳過ぎてたよね(笑)???

  • 火村英生シリーズ。被害者に少しずつ迫るスリリングさ。前半のアリス活躍部分はすこしのんびりした印象も受けたが後半一気に加速して引き込まれた。

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著者プロフィール

1959年大阪生まれ。同志社大学法学部卒業。89年「月光ゲーム」でデビュー。「マレー鉄道の謎」で日本推理作家協会賞を受賞。「本格ミステリ作家クラブ」初代会長。著書に「暗い宿」「ジュリエットの悲鳴」「朱色の研究」「絶叫城殺人事件」など多数。

「2023年 『濱地健三郎の幽たる事件簿』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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