- Amazon.co.jp ・電子書籍 (220ページ)
感想・レビュー・書評
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私は拒絶されることを怖いと思わない。なぜかというと、拒絶されるのがデフォルトで、受け入れられることを期待していないので、予想外に受け入れられてしまったときの方が怖かったりする。長く生きてきて、人からどう思われようと、嫌われようと、痛くもかゆくもなくなった。
本書の著者は、比較的サクセスフルな人生を送ってきたものの、過去数回の拒絶により再起不能なほどの大ダメージを受けた経験がある。著者はアメリカに住む中国人男性で、自分の一番の恐怖「拒絶されること」を受け止めて、何とか克服したいと願う。
その過程で、まず拒絶に慣れていくのを目的として、100日間いろいろな人にいろいろな頼みごとをしてみることにする。例えばクリスピークリームドーナツの店で、メニューにないものを注文してみる。お店の人は驚きながらも、なんとか願いをかなえてあげたいと必死に考える(実際の様子はユーチューブにもあるので見た。感動した)。
どんどん無理そうなリクエストに挑戦する。飛行機を操縦させてください、機内アナウンスをやらせてください、など。彼はその過程で、断る側にも事情があり、彼を拒絶しているのではなく、一つの意見であることに気づく。彼の交渉術もうまくなっていき、無理なお願いと思われるものも、けっこう聞いてもらえるようになる。
この試みは2013年に行われたが、今で言えば動画サイトなどでの〇〇チャレンジみたいな感じだろう。
海外では、日本人が想像する以上に「ダメ元」がすばらしく奏功する。とりあえず言ってみたら思いがけずOKされた、という経験が本当にたくさんある。
私が個人的にすごいなと思ったのは、著者が中国人で人種差別が根強いテキサス州でこれらの実験をやったこと。変な人だと思われたら、撃たれる可能性もある。彼の成長ぶりを見て、すがすがしい気持ちになれた。面白かった。詳細をみるコメント0件をすべて表示