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- / ISBN・EAN: 4988101188161
感想・レビュー・書評
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2015年日本公開。イギリス作品。1971年紛争の続く北アイルランドのベルファストを舞台に一人敵地に取り残されたイギリス人新兵の決死の脱出劇です。最初から、なんとも言えない重い閉塞した空気が画面から漂っています。プロテスタントとカトリックの対立・IRAの穏健派と過激派の対立、それとイギリスの工作員も絡みます。誰が味方か敵なのかが分からなくなります。とくべつに戦闘能力が高くなく、実戦経験もない兵士が脱出できるのか最後の最後まで、気が抜けませんでした。追いかけられる際のカメラワークが臨場感を高めます。100分ほどの作品、面白かった。
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ベルファスト71
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ボクシングシーンも丘陵地域の風景も英国らしくて良いですね。米国とは全然違うんですよね。欧州の軍隊って…英国は特に違う。
町の治安維持に来たはずなのに地域住民から猛烈な反抗を受ける…バケツの蓋で地面を叩いて大きな音を立てるところから始まって、四方から男女問わず怒声を上げながら大勢溢れ出て来る所なんか、何が起こっているのか分からない。ブラックライブズマターの時の白人警官が黒人市民を不当に乱暴するシーンと似てる。その後の展開は、あまりに怖いです。どうして彼が撃たれなきゃいけないのか?どうしてそんなにも執拗に追いかけられるのか?そこまでして排除しなければならない理由はどこにあるのか? ベルファストやIRAってどんな場所でどんな組織なのか少しぐらいは知ってるけど詳しくはない…色んな類型の作品も観てるけど、これは生々しいですね。敵味方両者の政治的思惑が入り乱れての奪還作戦…ドロドロだなぁ〜
これも三戦どころじゃない超限戦の一つかな…結局、戦争なんてのは誰のために戦っているのか、最前線の人間には分からなくて当然…ってことだ。これは中東やアフガンでの戦争と似ているね。
バリーコーガンくんはやっぱ存在感ある役者さんだよね。「聖なる鹿殺し」「ダンケルク」「アメリカンアニマルズ」どれも存在感あって光ってるわ。 -
『ベルファスト71』(2014) ヤン・ドマンジュ監督
イギリス制作でメジャーな俳優も出演してないが、ヤン・ドマンジュは、この長編デビューの評価で、2019年公開『007』シリーズの次回作監督の最有力候補に名前が挙がってる。
アイルランドの統一を目指すカトリック系住民と、英国との連合維持を望むプロテスタント系住民の間で激しい紛争が繰り返され、武力衝突が一気に拡大した1971年の北アイルランドの首都ベルファストが舞台、紛争の最前線に取り残された若きイギリス軍兵士と複雑に絡み合う活動家たちの一夜を描くサバイバル・サスペンス。
登場人物が英国軍人、カトリック系住民、プロテスタント系住民、IRA(アイルランド共和軍)穏健派と過激派、英国軍の工作員に限られるが、誰と誰が繋がっていて、誰が敵か味方か、分からなくなったり・・・。
前半の暴動シーンも手持ちカメラで撮影されてて第三者目線から現場のど真ん中に連れていかれる迫力。
工作員のポジション、IRAとの距離感が初見、事前情報入れないと理解しにくいところがあり
初見★★、情報いれて再鑑賞★★★かな
初見★★だけど、おすすめの映画でした。
『ベルファスト71』予告編 https://youtu.be/GnQihgGx2yI -
アイルランド問題って詳しくなくIRAも名前は聞いたことがある程度。なので途中で見るのをやめてネットで調べる。それこそがこの映画の眼目なのかもしれない。最初はちょっとしたデモを抑える程度だったのが、石があたり倒れたところで、銃が盗まれ、それを取り戻そうとデモの中に分け入ったので袋叩きに合い、一人は殺されてしまい、もうひとりはひたすら逃げることになる。
憎悪がしだいにエスカレートしていく流れが素晴らしい。手に汗する。こちらが想定している上をいく展開になってる。
落ち着いたところでの爆弾シーンも意外。その後は敵味方入り乱れるとこもよくできている。
リアルに感じた憎悪からこの問題がカンタンには解決しないということも伝わってくる。