みんな彗星を見ていた 私的キリシタン探訪記 (文春e-book) [Kindle]

  • 11人登録
  • 3.80評価
    • (1)
    • (2)
    • (2)
    • (0)
    • (0)
  • 3レビュー
著者 : 星野博美
  • 文藝春秋 (2015年10月10日発売)
  • Amazon.co.jp ・電子書籍

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

みんな彗星を見ていた 私的キリシタン探訪記 (文春e-book)の感想・レビュー・書評

  • 伝来から始まり禁教に終わる日本の「キリシタンの時代」をめぐるノンフィクション。
    さまざまな文献をよく調べて書いてはいるし、行動力もすごいとは思うもののものの、学術的・歴史的な手続はすっ飛ばして、著者の個人的な関心によって全てが動く。恣意的な文献引用、適当な印象論、勝手な思い込み、都合のいい解釈、薄っすい考察。いくら「私的」とは言ってもほどがあるだろ、というレベルでかなりイライラする。
    しかし、この本がキリシタンをダシにした「自分語り」だということに気づくとすっと腹に落ちる。どんな事象も自分の側に引き付け、自分の都合で解釈する。自分の抱いた印象は拡大的に一般化する。キリシタンは語るべき対象ではなく、自分を語るために消費される手段でしかない。そのようにして読むと、本書の面白さが見えてくる。

  • 星野さんがリュートという古楽器に興味をもって習いはじめて、というエッセイのような話から、江戸時代に迫害を受けたキリシタンについて調べるという話につながっていって。
    わたしは歴史に本当に疎いのだけれども、引き込まれて読んだ。星野さんの描写がうまくて、当時の様子がありありと思い浮かぶような感じ。はじめて、教科書で読んだ文字面だけじゃなくて、隠れキリシタンや宣教師たちが迫害された、ということを理解できたような気がした。
    キリスト教や宣教師についても、知らなかったことがいろいろわかった感じ。死後に列聖(聖人とされること)されるために、はなから殉教が目的で日本に布教しにきていた面もあるということとか。キリスト教について、本当になんにもといっていいほど知らなかったのだけれど、なんだか少し身近に感じられたような気さえする。

    さまざまな文献にもあたっているし、ものすごく調べて研究して、考察もしていて、エッセイというより、これで論文でも書けるのではないかと思えるほど。
    星野さんのそこまで踏み込む情熱にも圧倒される。入れ込むあまりか、キリシタン迫害のその時代のその場所にいて偉い宣教師に会えそうで会えないという夢を見たという話がなんだか好きだった。そのへんも、夢の話なのになんだかありあり思い浮かぶのだ。

    いちばん感動したのが、星野さんが、日本で殉教した宣教師の故郷を訪ねてスペインに行き、その村の教会のミサに出て、神父を通じて教会に来た人々に、何万という日本人キリシタンも宣教師たちと同様に迫害され、殉教したのだ、ということを伝えるくだり。それを知らなかったそのスペインの村の人たちは驚き、そしてミサが終わると人々が星野さんに話しかけてくる。
    これだけでも、ものすごくすばらしいことを星野さんはなしとしたんじゃないか、と思えた。

  • クアトロラガッツィには遠く及ばないが良書であると思う。
    筆者の思いが強すぎて、客観的な描写ではな位が、それは大した問題ではないだろう。古楽器に関する考察は面白かった。

    もう少し隠れキリシタンについてのことが書かれているのかなと思ったが鎖国完成までのことが主で少し拍子抜け。

全3件中 1 - 3件を表示

外部サイトの商品情報・レビュー

みんな彗星を見ていた 私的キリシタン探訪記 (文春e-book)を本棚に登録しているひと

みんな彗星を見ていた 私的キリシタン探訪記 (文春e-book)を本棚に「読みたい」で登録しているひと

みんな彗星を見ていた 私的キリシタン探訪記 (文春e-book)を本棚に「いま読んでる」で登録しているひと

みんな彗星を見ていた 私的キリシタン探訪記 (文春e-book)を本棚に「読み終わった」で登録しているひと

みんな彗星を見ていた 私的キリシタン探訪記 (文春e-book)を本棚に「積読」で登録しているひと

みんな彗星を見ていた 私的キリシタン探訪記 (文春e-book)の単行本

ツイートする