噂の女(新潮文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 悪口でも噂でも何だって言ってくれたらいい。一番嫌なのは何の噂も立たず、誰からも関心を持たれず話題にのぼらないこと。噂をする側でなく、される側でありたいといつも思う。
    糸井美幸は間違いなく噂をされる側の女。

  • この「噂の女」

    読み始めたのと、ほとんど同じくらいに
    足立梨花が主演で、この作品のドラマ化が放送になって
    慌てた~。

    かなりの深夜枠だったけれど、
    けっこう、足立梨花、頑張ってた~。


    タイトルどおり、「噂の女」が主人公なんだけど。

    その「噂の女」である、糸井美幸がわからは、描かれていない。

    そう、
    まわりが、みんな、この美幸の「噂」をしてるのだ。


    読み始めたときは、第1章を読み終えて、
    なんだ、だらしない男の話?
    しかも、中途半端?
    なんか消化不良。。。
    と、短編なのかと思ったら。

    その第1章、「中古車やの女」である美幸が、
    今度は、2章の「麻雀荘の女」になって
    出てくるではないか!!


    この美幸が、
    男好きするような雰囲気で
    とにかくエロいらしい。
    次々に男を侍らかしているという噂が
    美幸の周りをとりまく。


    ドラマのほうは、
    足立梨花サイドからのセリフが多く

    女は、男を選ぶことができる。
    この田舎で女が成功するには
    男を選ぶべきだというのが、美幸の持論。


    周りの女たちが、美幸のことを
    悪く言うどころか、
    最終的には、憧れちゃう。という
    カリスマ的存在になってるところが
    女の本音を、よく捉えてるな~と、思った。


    ドラマと相乗効果で、
    とても、面白かったです。

  • こういうメインに据えた人(本作だと糸井美幸)の周囲の視点で語られ、主役の人物像を炙り出していく小説は個人的に好きだ。他にそのような作品を読んだ記憶は定かではないが。桐島、部活~がそんな感じか?視点の話はともかく、この作品は普通に面白かった。奥田英朗作品という時点ですいすいと読める。以前に読んだ「ナオミとカナコ」も面白かったが、しかし奥田英朗の真骨頂といえばこういう物語の起伏は少ないが、小市民の心情を事細かに描いた短編だと思う。

  • おもしろかったです。短編による連作。ひとりの女性が成り上がっていく話ですが、肝心なところは読者任せ。そこがおもしろいです。やってるんだろうな、って。

  • オムニバス形式というのかな、それぞれ噂の女に翻弄される男性や女性の短編集。ユニークなのは、どの短編もこれといった着地がないこと。尻切れトンボというわけではないのだが、真実は闇に包まれたまま。それなのに出てくるキャラクターたちが皆俗物だったり小心者だったりして親近感がわく。

    結局噂の女は噂の女のままで、物語はどこへもいかない。それでも面白く読めました。面白く読めたのは紛れもない事実なのですが、たぶんすぐ忘れてしまうストーリたち。

    「パチンコの女」の一遍、今自分もハロワに通っているので、なにやら参考になった表記がありました。

  • すごい面白かった。
    ある意味ダークヒーローだね噂の女 笑

    若干黒革の手帖を彷彿とさせる内容だった。
    あの女、今頃どうしてるのかな、、

  • ずる賢い。

  • 有吉佐和子先生のようには、やはりいかない。

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著者プロフィール

おくだ・ひでお
1959年岐阜県生まれ。プランナー、コピーライターなどを経て1997年『ウランバーナの森』でデビュー。2002年『邪魔』で大藪春彦賞受賞。2004年『空中ブランコ』で直木賞、2007年『家日和』で柴田錬三郎賞、2009年『オリンピックの身代金』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『最悪』、『イン・ザ・プール』、『マドンナ』、『ガール』、『サウスバウンド』、『無理』、『噂の女』、『我が家のヒミツ』、『ナオミとカナコ』、『向田理髪店』など。映像化作品も多数あり、コミカルな短篇から社会派長編までさまざまな作風で人気を博している。近著に『罪の轍』。

「2021年 『邪魔(下) 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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