【全15巻合本版】角川インターネット講座 (角川学芸出版全集) [Kindle]

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著者 : 村井純
  • KADOKAWA / 角川学芸出版 (2015年11月25日発売)
  • Amazon.co.jp ・電子書籍

【全15巻合本版】角川インターネット講座 (角川学芸出版全集)の感想・レビュー・書評

  • 15冊分で1冊分の2700円というのは破格だったので購入。

    内容は全体的に技術の詳細な説明は極力省かれており(一部プログラムのコードは書かれているが)、技術そのものへの理解を深めるというよりは、その周辺や歴史、関わってきた人、考え方等々を理解し、インターネットそのもの及びそれが社会にもたらした影響等を理解できるようにすることが目的といった感じ。

    以下、各章の感想。
    1章:技術やアルゴリズム等は知っていることばかりだが、その意味や設計上の考え方等が興味深い。

    2章:Netscapeがいつの間にかなくなってFirefox(Mozilla)に推移していた経緯についてほとんど知らなかったので、内部にいた人だからこそ書ける内容(企業体質の変化等)は非常に面白かった。

    3章:著作権の話は聞きかじっていたが、デジタルアーカイブの話はほとんど知らなかったので、思いの他広くかつ深い話題があるなと勉強になった。

    4章:3章までに比べて比較的軽い話。
    多少分け方は乱暴だとは思ったが、ネット民を原住民と新住民に分けてその行動を論じている部分は面白かった。
    また、所属が明らかにされることが屈辱だという事実も、ネットで行われていることを見聞きして来た身としては納得であった。
    ネットの文化の捉え方の視点等が新鮮だった。

    5章:はてなの近藤さんの話は、ネットコミュニティのあり様や構築方法を理解する上で興味深かったが、それ以外の話は正直ネットと関係ない文化人類学的な話で、別に”インターネット講座”と名の付く書物で読む内容ではなないかなと感じた。

    6章:知識の話ということで、インターネットに全く関係ない哲学の話が多くなり、全15章の中で一番面白くなかった。
    また、ゲーム脳ならぬネット脳という科学的根拠のない妄想が垂れ流される節もあり、もうちょっとちゃんと著者を選ぶべきではないかと感じた。

    7章:ビッグデータの話であるが、それを実現する技術的な話(も多少はあるがそれ)よりは、どのように利用するか、あるいは従来のデータマイニングと何が違うのかといった話が多く、理解できた気にはなる(実際はデータと格闘しないとすんなりとはいかないと思うが。)。
    あとプライバシーや個人情報の話は法律や制度の話ではあるが、これは実例を交えてわかりやすく、何が問題であるかが理解しやすかった。

    8章:検索の話。狭い検索キーワードに囚われないようにするための連想検索の仕組みは面白いと思ったが、実際使いたいと思うような内容ではなかった。

    9章:オンラインでの経済というか大部分楽天市場の話。楽天がどういう意図で買収を行ったか等の事情は理解できたが、正直へーという感じ。日本のみでの話なのか世界にも当てはまる話なのか、そこら辺が整理されていないと読んで意味があるかどうかが判断付かない。

    10章:第三の産業革命というお題で、ネットがもたらす世の中に対する変化について論じられているが、正直難しくてよく理解できなかった。現実の体験や場の価値が高くなるという話が出ているが、別にそれらはネットがある以前から高かったわけで、別にネットが出てきてからの変化ではないと思う。

    11章:プラットホームの話。最初のプラットホームの理屈の話はさっぱり理解できなかったが、Apple、Google、Amazon、中国等のネットに関する歴史の話は具体的でわかりやすかった。

    12章:法と政治の話だが、正直明後日の方向に行きすぎていてよく理解できないものが多かった。
    個人的には3章の、左の主張は絶対正義だけど、極右の主張は民主主義の根幹を脅かすから、言論の自由は制限されてよいという考えは非常に怖いと感じた。
    何が正義であるとか、人間として共通に保持する価値観で... 続きを読む

  • 2017/7/26読了。
    インターネットの本ではなく、これは社会科の本と言うべきだ。インターネットに関する15の切り口で現代社会を解説する本である。切り口を15も提供できるほど、インターネットが今の社会の基盤になっていることもよく分かる。
    それぞれの切り口の第一人者が監修と執筆を務めて実に15冊。Kindleで読んだのだが、一章読むごとにどこまで読んだかのパーセンテージが1%進むという大部の合本版だった。
    正直、興味のない章もあった。自慢話に終始する著者もいた。が、それを含めて全章を通読することをお勧めする。それがインターネットや社会というものを上のレイヤーから見下ろす視野の獲得に役立つからだ。興味のある章だけの飛ばし読み、それはインターネットや社会の単なるユーザー、消費者のレイヤーにどっぷり浸かり続けることを意味する。ということが本書を通読すると分かるようになる。
    読み終えて、大学の教養課程の授業を一単位取得した気分になった。実際、これは現代の教養と言って良い内容だと思う。日々のニュースや雑談も含めて、本書のテーマに関連する話を聞かない日はない。比喩ではなく本当にない。あるニュースを聞けば、ああ本書のあのテーマの件か。雑談で聞いた話は、ああ本書のあのテーマは今そんなことになってるのか。そういうことが一日に何度もある。
    つまりこれはどんな話を聞いても、それが少しでもインターネットと社会の関係に触れるものであれば、その話が収まるコンテクストが僕の中に出来たということだ。何を聞いても何の話か分かる。分かるから自分で考えたり意見を持ったりすることもできる。教養とはその基礎になるもののことを言う。
    本書のような内容を文系学部の教養課程の必修講座にするべきではないか(もうなってる?)。役に立つかどうかは関係ない。教育を受けた一般市民がそれに相応しいコンテクストを身につけて社会に出て行くこと自体が社会の役に立つのだし、それが全入時代の大学の役目だし学生の務めのはずだ。そういう意味では高校の必修科目にしてもいい。高校生ならこれくらい読めるだろう。

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