どうでもいいことで悩まない技術 [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • <感想>
    脳科学系の本。体系的な知識というよりは、初心者向けの豆知識を並べている印象。同系統の書籍との被りも多く、驚くような発見は少なかった。
    ただ、同時期に自己啓発系の書籍をを読んでいたことで、少し違った角度からの発見があった。自己啓発系は「考え方」のHOWに特化したものが多いが、胡散臭さが否めない。そういう時に本書のような脳科学の観点から同じ事象の解説があると、「なるほど」という腹落ち感が得られるのだ。
    執着を手放せと良く自己啓発本で見かける言葉だが、道徳的な話かと思っていた。しかし脳科学の観点からだと別の解釈もあるのだ。
    人を妬むと、脳の「痛み」を認知する主要部位が反応する。つまり「妬み」の感情が起きたとき、人の心は痛んでいるということ。

    これまで道徳だと思っていたことが、科学的な根拠があると分かると、理解の仕方が全然違ってくる。
    同じテーマを複数ジャンルで読むと新しい視点が得られると分かった。

    <アンダーライン>
    ★★人間の脳というのは、理由や理屈がわかると「納得できる」「安心できる」「満足できる」という非常に冷静で知的な機能を持っているのです。
    ★★★★★(ミラーニューロン)割り切れない気持ちのに悩まされてしまう場合には、「割り切れている人」の真似を積極的にしていくことをおすすめします。
    ★★★怒りそうになったときは、「これはトカゲの脳だ」と言い聞かせている
    ★★自信とは、言い換えれば「自分を信用する」ことですが、その効用は「他人を信用している」場合を考えると分かりやすいでしょう。人が無条件に誰か(母親)を信用しているとき、そこにはなんの不安感も恐怖感もありません。大脳辺縁系も、前頭葉も働く必要がありません。
    ★★(妬みを感じた時に反応する部位)興味深いのは、この前部帯状回は「痛み」を認知するための主要部位であり、「心の痛み」が起こる時にも強く活動することが明らかになってきている
    ★★「報酬予測」といって、僕たちが何かアクションを起こす時の「やる気」は、予想される報酬の量に大きな影響を受けます。
    ★★★僕たちは日常的に報酬予測をしていますので、予想よりも報酬が多ければ大喜びし、報酬をくれる相手に好意を持ちます。しかし、逆に少なければ憤りを感じ、「せっかくやったのに」「これだけがんばったのに」といった気持ちを抱きます。
    ★★過剰な期待というのは、時に「依存」「耽溺」に変わることもあります。
    ★★ガッカリしたときは、期待をしすぎていたことに気づくよいチャンス
    ★一言でいえばセロトニンを分泌させるには毎日の規則正しい生活が大切
    ★★痛さの「程度」というのは、痛みにどれだけ意識を向けているか、つまり注意の度合いによって変わる
    ★★大事なのは、今とらわれている不安や恐怖を「忘れている瞬間」を思い出すことです。
    ★★★脳は、複数の感覚刺激が同時に入ってくると、優先順位をつけます。重要な情報処理を優先的に行い、優先順位の低い刺激の情報処理はさぼる傾向があるのです。
    ★★★★★僕が一つおすすめしたいのは、「片付ける」ということです。具体的には「捨てる」ということです。片付けられない人に共通しているのは、「捨てられない」、「一定の趣味に固執している」ということですが、実はこの二つは、執着タイプの人の特徴でもあります。最近の研究で、そのようなタイプの人は、ものを捨てるときに大脳辺縁系の中の島皮質と前部帯状回の活動が増すことがわかってきました。この二つの部位は、痛みの中枢です。「心の痛み」の中枢でもあります。
    ★★★★★こういうタイプ(ものを捨てられない)の人にとっては、それは単なる「物」ではなく、自分の分身であり、感情のこもった「擬人化」されたものなのです。
    ★「がんばっている」という感覚は、脳に非常に大きなストレスを与えている状態です。

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著者プロフィール

1953年生まれ、福岡県福岡市出身。臨床脳研究の第一人者。自然科学研究機構生理学研究所・教授、順天堂大学医学部・客員教授、国立大学法人総合研究大学院大学・教授。日本神経学会専門医。九州大学医学部卒業後、神経難病の解明を目指し神経内科医となる。その後、より深い次元で人間の脳機能を研究するためロンドン大学医学部神経研究所などを経て、39歳より現職。文部科学省、厚生労働省、環境省の大型研究プロジェクトのリーダーを務め、国際学会での招待講演もコンスタントに行なっている。研究テーマは多岐にわたるが、近年は「顔認知」と「痛み・痒み認知」研究に力を入れている。著書は『どうでもいいことで悩まない技術』(文響社)、『記憶力の脳科学』(大和書房)、『読むだけでさみしい心が落ち着く本 Look at me症候群の処方せん』(日本実業出版社)など多数。テレビなどを通じて脳科学の啓蒙活動も行なっており、本書では巷で言われている「脳科学的なこと」の真偽を、最新の脳科学研究から分析。「常識」のように語られることの中に潜む「エセ科学」をあぶり出しながら、科学的に実証されている「脳にいいこと・悪いこと」を示している。

「2017年 『脳にいいこと 悪いこと大全』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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