ニュータウンは黄昏れて(新潮文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 著者の実体験をもとにした老巧化した団地とそれをとりまく人々の話で、おもしろくあっという間に読んでしまった。これを読んで分譲の集合住宅の問題を実感した。住宅というのは金額が大きいだけ人生を大きく左右し、バブル期に高掴みしてしまった人は本当にアンラッキーですね。これからは住宅価格は下がっていくでしょうから、これからの人はラッキーだと思います。

  • 家が欲しいな、と思っている時だったので意欲的に読めた。時代が違うとはいえ、20年後もこんな感じになるのかも。いろんな年代の、事情が違う人達の意見がまとまるわけがない理事会が大変そう。頼子の行動にすごく共感できた。
    そして押し付けられてきたものが、最後に貧乏くじを引いた感じにならなくてよかった。朋美の計算勝ち。百人いれば百通り、誰もがうまくいくとは限らない。琴里の、人を羨むより自分の人生をどうするかにフォーカスをあてる生き方を応援したいと思った。

  • 郊外のニュータウンのローン返済に追われる頼子、その娘で就職に失敗した琴里のお話。私自身、郊外のニュータウンに住んでいるので他人事ではなく、共感しつつ読み進めた。マンションの自治会の理事長決めの様子などは、経験しているだけに手に取るようにわかって面白かった。ラストはなんとなく予定調和的な感じもしたが、なかなか面白かった。頼子の旦那が定年後、アセンブラができるからと転職して派遣社員になるくだりでは、「私もアセンブラができるけど、なんだかなあ」とちょっと納得いかない部分があった。

  • あともうちょっと話の続きが読みたかった…その残念感が星マイナス1個。
    たそがれたニュータウンってどうなるのかしら…?と題名を見た時から、結末に期待感をもちすぎてたかもしれないと思う。
    娘のもう少し先、岡山の母のもうちょっとの頑張り、市議会議員の仕事ぶり、ニュータウンの住民の少し先…

    知りたいことがまだいっぱいあった…

著者プロフィール

1959(昭和34)年、兵庫県生れ。明治大学文学部卒。2005(平成17)年、「竜巻ガール」で小説推理新人賞を受賞し小説家デビュー。結婚難、高齢化と介護、住宅の老朽化などの社会問題や、現実に在り得たかもしれない世界を題材にした小説で知られる。著書に『リセット』『結婚相手は抽選で』『七十歳死亡法案、可決』『ニュータウンは黄昏れて』『夫のカノジョ』『あなたの人生、片づけます』『老後の資金がありません』『後悔病棟』『嫁をやめる日』『女たちの避難所』『四十歳、未婚出産』などがある。

「2023年 『うちの父が運転をやめません』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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