セバスチャン・サルガド 地球へのラブレター [DVD]

監督 : ヴィム・ヴェンダース、ジュリアーノ・リベイロ・サルガド 
  • オデッサ・エンタテインメント
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4571431211892

感想・レビュー・書評

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  • THE SALT OF THE EARTH
    2014年 フランス+ブラジル+イタリア 110分
    監督:ヴィム・ヴェンダース/ジュリアーノ・リベイロ・サルガド
    出演:セバスチャン・サルガド

    どうしても『ベルリン天使の詩』のイメージが強いけど、実は意外とドキュメンタリー作品の多いヴィム・ヴェンダース。こちら映画館で見損ねていたものをやっと。世界的に有名な写真家のセバスチャン・サルガドの半生と、彼の息子と一緒に撮影に同行した最近の映像、そして多数のサルガド自身の写真で構成されている。

    サルガドはブラジル生まれ。大学で一目惚れしたレリアと若くして結婚、軍事政権に反対する学生運動に身を投じ、やがてフランスに移住。建築家の奥さんレリアが仕事のために買ってきたカメラにサルガドのほうがはまり、写真家となる。

    最初のうちはラテンアメリカの少数民族の写真を撮っていたりして、とにかく「人間が好き(※とヴェンダースが序盤で言っている)」という印象だったが、やがて国境なき医師団に同行して難民キャンプの撮影をしたり社会問題に取り組みはじめると、ルワンダの虐殺でついに心を病んでしまう。余談ですがルワンダについては昔みた『ホテル・ルワンダ』(https://booklog.jp/users/yamaitsu/archives/1/B000FOTK6Q)が本当に鮮烈だったので、あれを目の当たりにしたらそりゃ病んじゃうよなあと。

    人間のすることにすっかり嫌気がさしたサルガドを救ったのは、ベタだけれど「大自然」。動物や自然を撮影することで、彼は癒されていく。映画のサブタイトルになっている「地球へのラブレター」は映画の中でヴェンダースがサルガドの写真を評して言う言葉。これは地球へのラブレターだと。

    とにかく視野が壮大で、自分はなんてちっぽけでせせこましい世界で生きているんだろうと思い知らされる。こんなに地球は広くて、いろんな人々や動物、見たこともない景色があるのに。環境破壊や動物愛護を声高に主張する団体は若干胡散臭い目で見てしまう部分もありますが(なんか矛盾があって変な宗教みたいだし)サルガドの地球愛は信じられると思いました。

    • 淳水堂さん
      yamaitsuさんこんばんは。

      グスマン監督「真珠のボタン」と2本立てでしたね。
      こちらも見たのですね。
      世界を周り、疲れて、故...
      yamaitsuさんこんばんは。

      グスマン監督「真珠のボタン」と2本立てでしたね。
      こちらも見たのですね。
      世界を周り、疲れて、故郷で自然保護、旅をして原点に帰った感じなんでしょうかね。
      2021/06/06
    • yamaitsuさん
      淳水堂さん、こんにちは(^^)/
      そうですギンレイで観そびれたやつです~
      淳水堂さんの感想を拝見して、ちゃんと見て置けばよかった~と後悔...
      淳水堂さん、こんにちは(^^)/
      そうですギンレイで観そびれたやつです~
      淳水堂さんの感想を拝見して、ちゃんと見て置けばよかった~と後悔したので(^_^;)
      このご時世とかく自宅に引き籠りがちなので、大自然には私も心洗われました。
      2021/06/07
  • 本人による作品解説。
    映画にする意味あんのかな。
    植林の話はすごいね。

  • 映画監督ヴィム・ヴェンダースは、一枚の写真に心を惹かれた。アフリカの民族紛争で殺し合い追われた盲目の女性の写真だ。
    「机に貼って毎日眺めているが、いまだに涙が止まらない」
    http://livedoor.blogimg.jp/y0780121/imgs/b/1/b11ad662.jpg
    カメラマンはブラジル人の社会派写真家セバスチャン・サルガド。

    セバスチャンは世界を回り、被写体と生活を共にし、観て感じて同化した写真を発表する。
    アメリカ大陸、文明の発展、自然と暮らす先住民族。
    写真を撮るために生活を共にした一人の男がセバスチャンに言う。

     セバスチャン、君は天からの遣いなんだろう。
     僕たちの事を調べて神様に報告するんだ。
     誰に福音を与えるか判断するために。

    確かに光と陰で世界を描く人、という意味を持つ”フォトグラファー”とは、
    直接見られない人に世界を報告する者だろう。

    そしてセバスチャンは報道写真家として人の陰を見つめて発表する。
    飢餓、貧困、戦争、虐殺、確かにいたはずなのに消し去られた何十万人もの難民、
    地獄が天国を駆逐した世界を見た、人の心に憎しみが広がる瞬間を見た、
    人間の救済などもはや信じられず魂が傷ついたセバスチャン。

    共に作品の発表を行ってきた妻は、セバスチャンの両親の農場の再生を提案する。
    セバスチャンが子供時代を過ごした豊かだった農場は枯れ果て、水源は枯渇し、木々は根元から殺がれていた。
    彼らは10年かけて植林を成功させ、今では国立公園に指定されている。

    セバスチャンは新たな撮影プロジェクト「ジェネシス(起源)」を発足させる。それは、循環可能な世界、そして”再生”の可能性を信じたセバスチャンの地球へのオマージュだった。

    「ジェネシス」に同行を求められたヴィム・ヴェンダースは、セバスチャンと彼の共同監督でもある長男ジュリアーノを撮り、セバスチャン自ら作品を聞き、セバスチャンの家族の姿を追い、それらをヴェンダース監督の目線でドキュメンタリー作品として語る。

    カメラマンを撮るのは大変だ。
    ぼくが彼にカメラを向けると、彼氏は振り向いてシャッターを押して言う。
    ヴィム、きみを撮ったよ。

    (セバスチャン・サルガドの写真はこちら)
    http://thephotographersgallery.org.uk/sebastiaosalgado
    http://matome.naver.jp/odai/2143481081058407401

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