あん DVD スタンダード・エディション

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監督 : 河瀨直美 
出演 : 樹木希林  永瀬正敏  内田伽羅  市原悦子  水野美紀 
  • ポニーキャニオン (2016年3月16日発売)
  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988013509788

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あん DVD スタンダード・エディションの感想・レビュー・書評

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  • 素晴らしかった。

    みんな籠の鳥。

    月は、花は、脅かさない。
    耳をすませば、目を凝らせば。
    本当は感じることができるのに。
    生きる資格なんて、どうして考えてしまうんだろう。

    塩大福とか。
    少しだけしょっぱいから、甘さが引き立つ。

    樹木希林さんも、永瀬さんも本当に素晴らしかった。

    -----
    あんは、気持ちよ。

    世間の無理解に苦しむときも、知恵を使わなければいけないときもある。

    この世をみるために、きくために、生まれてきた
    だからたとえなにかになれなくても、生きる意味が、あるのよ、と

  • かつてないほど泣いた。こんなに丁寧に人のこころの機微を描いた映画ははじめてかもしれない。いのちの尊さを静かに、ひたむきに訴えかけてくる作品だった。ひとりで観るにはもったいないので、家族とまた観よう。

  • 中高生の女の子たちでにぎわうどら焼き屋。
    無愛想で、自分の作るどら焼きに愛情なんか感じていないんだろうなあというような働きぶり。
    そこへひとりの老女・徳江がやってくる。

    「アルバイト募集してるって書いてますけど、誰でもいいんですか?」
    「じゃあ、雇ってください」

    無理ですよ。
    明らかに年寄りですし。
    見た目よりずっと体力使う仕事だし。

    「時給、400円でいいですから」(最終的には200円でもいいとまで言う)

    断り続けてゐたわりには、ひょんなことからできる範囲で働いてもらうことになり、徳江のあん作りに対する姿勢を見て徐々に変わり始める店長。
    小豆に感謝し、小豆を励まし、小豆と会話しながらあんを作る徳江。

    徳江は、鳥や花などをいつも心にとめている様子。
    多分店長は、周囲に目を向けないよう、深くかかわらないように生きてきたんだろう。(ひとりの女子中学生以外)
    そんなことが、徳江を見る眼差しからわかる。

    徳江の作るあんが評判二なり店は繁盛。
    少しずつ接客なども始めるようになった矢先、徳江がハンセン氏病であるという噂が流れ始める。

    徳江は女学生のころハンセン氏病と診断され、ずっと世の中から隔離されて生きてきた。
    だからだ。
    隔離された部屋の窓越しに季節を運んでくれる鳥や花や風だけが、世間と彼女を繋いでくれた。
    同じ施設に暮らす人々を除けば、人間じゃないものだけが彼女の世界だった。

    無知ゆえの偏見。
    怖さゆえの拒絶。
    悪意ではないだけに、怒りの持って行き場がない。

    静かに、ずっと静かに流れていく映画のなかの時間。
    つかのまの世間は、彼女にとって温かくもあり冷たくもあり。
    その全てを、やはり彼女は黙って受け入れて、そして…。

    「この世を見るため、聞くために生まれてきた、それが生きる意味」

    隔離された小さな世界で、どうやって大きな心をはぐくんでこられたのか。
    徳江の生き方が店長とワカナ(常連の中学生)の固く閉じていた心を開いていく。

    声高に主張しているわけではない。
    美味しいあんこを食べるとしみじみ身体に温かさが広がるように、じんわり心に温かさが広がる映画だった。

  • お正月に原作を読み終わり、即TSUTAYA DISCASのレンタルリストに入れたのですが、ネットで検索したら近場で上映している映画館が一件見つかりました。なんたる偶然! もちろんレンタルで観ていたとしてもいい映画であることに変わりはありませんが、大きなスクリーンで、素晴らしい音響設備で、この映画を観ることができたのは本当にラッキーでした。静かな映画ですが、いろんな音が素晴らしいのです。耳を澄ませて味わいたい映画なのです。

    もちろん役者の方々も素晴らしい。河瀨監督は撮影をしていないところでも役になりきることを要求なさるそうです。徳江さんや千太郎さんがそこにいました。それだけに、思い出すと胸が詰まります。原作を読んでいる段階で、徳江さんが樹木希林さんだということは知っていたんですが、あとの役者さんは知りませんでした。千太郎…陰や哀愁のあるあれぐらいの年代の役者さんって誰だろうと。読み終わり、永瀬正敏さんの名前を見たとき膝を打ちました。最高でした。

    河瀨監督の作品は初めてでしたが、別の作品も観てみたいと思いました。次もぜひ、映画館で。

  • 最初はゆるーい映画かなーくらいの感覚で見ていたけど、ハンセン病という結構重いテーマを扱う映画。
    でも、その重さをあまり感じさせない爽やかさというか…
    観終わったあとは、元気がじわじわと溢れてくるような感じ。決して暗くない。むしろ明るい。
    美味しそうな粒あんや満開の桜。映像もキレイだった。
    永瀬さんもだけど、樹木希林の演技が素晴らしくて気がついたら泣いてた。
    ひとりの人との出会いで救われることってある。数じゃないよね。
    徳さんの思いが店長さんの心を溶かして、自分らしく自由に前に進む力をくれたんだな〜。最後に屋台でどら焼き売ってるシーンの店長の表情がそれを物語ってる。
    徳さんの人柄から、強い優しさを感じられた。
    辛いことを経験した人は、本当の意味で優しくなれるんだと思う。

  • ↑☆は6つでもいいくらい。

    河瀨直美監督、2015年作。樹木希林、永瀬正敏、内田伽羅出演。
    何の予備知識もなく、DVDの映画予告でキャストがよかったから選んだ映画。
    見始めてようやく、タイトルの「あん」が、どら焼きの「餡」だと知る。
    ところが最後まで見ると、ハンセン病への差別を起点に、生きることの意味を問う映画だった。

    <あらすじ(ネタバレ)>
    犯した罪で背負った借金の肩代わりに、不本意ながらどら焼き店の雇われ店長として働く千太郎(永瀬正敏)、ハンセン病患者として人生の大半を施設に隔離されて生きてきた徳江(樹木希林)、シングルマザーの母(水野美紀)にネグレクトされているJCのワカナ(内田伽羅)。それぞれに世間に知られたくない訳ありの孤独を抱えて生きる三人の交錯を描く。

    桜並木がきれいな通りに面したどら焼き屋の店長、千太郎のもとに、バイト募集を見た老婆(徳江)が採用を懇請、再度懇請時に徳江は自作の餡を持参する。限られた自由の中で人とのかかわりを模索する徳江。味見した餡の美味しさに千太郎は驚く。徳江は施設であんを50年も煮込み続けていた。
    徳江のあんのおかげで店は繁盛。ところが借金を肩代わりした店のオーナー(浅田美代子)が、徳江の過去を知り解雇を迫る。一旦は保留した千太郎だったが、じきに客足が全く途絶え、徳江は店を辞めた。
    どら焼き屋の常連だったワカナは千太郎を誘い、徳江が暮らす施設を訪れる。
    ハンセン病という言われなきレッテルを貼られ、施設に拘束され、自由を奪われてきた半生を振り返りながら、徳江は最期にこう言う。

    「こちらに非はないつもりで生きていても、世間の無理解に押しつぶされてしまうことはあります。知恵を働かさなければいけないときもあります。そうしたことも伝えるべきでした。」

    「初めてどら焼き屋を見たときにあなたのお顔がありました。その目がとても悲しそうだった。それはかつてのあたしの目です。垣根の外に出られないと覚悟したときのあたしの目でした。だからあたしは吸い寄せられるように店の前に立っていたのだと思います。ああ、あのときの子供が私にいたら、あなたくらいの年齢になっているだろうなと。」

    「ねえ店長さん、わたしたちはこの世を見るために、きくために生まれてきた。だとすれば、何かになれなくてもわたしたちは、私たちには生きる意味があるのよ。」

    千太郎とワカナは、彼らの抱えていた孤独から解放されていくのだった(完)。


    <コメント>
    ハンセン病が感染しないことは現代ではある程度浸透している。だから、ハンセン病の罹患歴が知れたことで客足が全く止まるとは思えない。この点を不自然とするレビューもある。
    しかし、鯛焼き屋や大福屋のような菓子店は、オープン当初こそ長蛇の列ができるが、しばらくすると列ができなくなり、1年も経つと閉店するのは街でよく見かける。どの菓子店でも起こりうるこういう経緯で客足が止まったとしても、元ハンセン病であることの負い目から、仕事を続けることができなくなる。そういうことをいいたかったのだろう。

    個人の尊厳というと、尊厳ある個人であるためには自由でいること、自分の個性を生かした何かになるように周囲からせき立てられる。
    では、自由でなければ、そして「何か」になれなければ、尊厳ある個人ではないのか?そうではないというのが、徳江の遺した言葉である。限られた環境で、見れるだけのものを見、聴けるだけのものを聞く、それでも人生に意味がある。「意味がある」というより、一度きりの人生である以上、それが意味だというほかはない。誰かのせいにするのではなく、そこに意味を見つけるほかない。
    それは問題の解決ではないのだけど、安息ではあり、千太郎とワカナはそこに助けられたのかもしれない。

    色々な要素が入っていて、単純ではないけど、オススメの良い映画。

    桜の花を中心にした四季もきれいに撮れていた。
    にこやかに辛い半生を語る樹木希林の演技は秀逸だし、徳江を守れなかった千太郎の嗚咽も迫真。

  • ふつうの生活を送っている多くの人々には想像もできない生活を送っている人たちがいる.

    病気で明日生きて目覚めることすら苦痛である.過ちを犯し,それを一生背負って生きなければならない.etc etc ...

    そんな人にとって,生きがいとは何か.

    映画『あん』に登場するどら焼き屋のあんこは,生きがいとは何かを問うシンボルとして描かれているのではないか.

    年の瀬に嫁さんと Netflix で鑑賞.

  • 良かった。

    ことばが見つからないな。



    日本らしい静かにしみる映画。

    永瀬の男泣きには泣かされた。

  • 静かな映画、台詞で語られ過ぎないのがよかった。
    久しぶりに号泣しました。

    桜の空、最初は青空バックの方が綺麗なのに、と思ったけど、最後は、ああこれでいいんだ、と思わせてくれました。

    樹木希林さん、さすが。
    永瀬正敏さんも、素敵な店長さんでした。

  • 取引先のフランス人が、日本映画の”あん”を観て、感動のあまり私にメールを送ってきた。
    主演が樹木希林というだけでもう既に感動していたが(笑)、観てみると永瀬正敏も素晴らしく、大量に眼から水が溢れた。
    樹木希林の孫娘もナチュラルで素晴らしかった。
    永瀬正敏については、昔、歳上の女性を奪いその旦那を殺すという映画を観てその演技に驚愕したものだった。他の作品も観たい。かの映画でとても魅力を感じた。
    ハンセン病の事を知り、自分の無知を恥じた。
    らい病予防法の廃止から、たったの20年しか経っていない。根拠のない隔離、人権無視。この事実と内情に対して、1番恥じるべきは、知らないという事。施設に暮らしている人々は、80歳代が多いという。この先こういう負の歴史があった事は、無くしてはならない。

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